湯川@名古屋です。

On 03.9.30 5:50 PM, in article 20030930175038cal@nn.iij4u.or.jp, "SASAKI
Masato" <cal@nn.iij4u.or.jp> wrote:
>> From:Fuhito Inagawa <fuhito@mx.biwa.ne.jp>
>> Date:2003/09/30 06:09:55 JST
>> Message-ID:<3F789FA3.2090209@mx.biwa.ne.jp>
>> 
>> だから、そもそも、高速で走行中の「車のナンバー」だけを
>> 写して、それ以外は全く写らない様な方法で撮影されているのか?
>> というところを佐々木さんははっきりさせていないんでしょ?
> 
> いいえ。
> 私の心の中では「運転者などは写さない」というのを
> 当然の前提にしていますよ。
> それこそ「無批判に」と書かれても仕方ないくらい。
> そしてそのことを前提に私の投稿を読めば
> 「運転者などは写さない→肖像権の問題にならない→違法収集証拠にならない」
> という線は全くぶれていません。
> 
> Nシステムだと言いつつ
> 「本来違法なんじゃないか?」
> とか
> 「本来違法のものが別の何かで違法でなくなっているのではないか?」
> と思う根底には
> 「運転者の顔が写って肖像権の問題になるんじゃないの?」
> という認識があるんじゃないんですか?
> でも、「写るかどうかで話が変わる」と断言している人が
> 「違法はない」とこれまた断言しているってことは
> 「写すものではない」という認識だからこそでしょ?


どうも話がうまくかみ合っていないようで、その原因を私なりに考えるに、
「撮影」という言葉があいまいだからなのでは、と思うのですが。
つまりどういう状態になった時に、「撮影した」とするのか。


私自身、Nシステムとか高速度走行抑止装置とかの仕組みに
詳しいわけではないですが、単純にに想像するに次のようなことを
していると思われるのですね。

Nシステムの場合は、
(1)CCDカメラ(かなにか)で像を電気信号に変換し、
(2)それをメモリ上に読み込んで展開
(3)そのデータを画像処理プログラムで処理し、そのパターンから
   ナンバーの位置を特定
(4)ナンバー部分の画像データからOCRソフトにより文字データに変換
(5)そのデータを記録メディアに記録

私の感覚だと(そしておそらく公式な見解も)、(5)で記録メディアに
記録した段階で「撮影した」と言うと思うのです。

でも一方、たぶん(3)の処理をするには車全体の画像データをとらないと
難しいだろうから、この段階では運転者の画像データも含めてメモリー上に
「写って」いるであろうと、想像できるのですね。
この辺が混乱のもとかと。


一方で高速度走行抑止装置でも、速度違反車を見つけてからカメラや
システムに電源を入れるとは考えにくいから、通常は
(1)CCDカメラ(かなにか)で像を電気信号に変換し、
(2)それをメモリ上に読み込んで展開
(3)違反者がいなければメモリー上のデータはつぎつぎと新しいもので
   上書きされていく。

で、速度計測装置からの信号で違反者を認識したら、
(4)メモリー上の画像データに日時や速度のデータを合成して
(5)それを記録メディアに記録する。

この場合、(5)で「撮影された」データは違反者のみであると。
だけど(1)〜(3)のメモリー上のデータは、
「速度違反の有無にかかわらず網羅的に「写って」」いる。
この辺も混乱のもとかと。


つまり(5)の段階まできて初めて「撮影した」とし、それ以前の段階
ではまだ「撮影していない」のなら、Nシステムについての公式見解も
高速度走行抑止装置についての判例も納得できるし、それならこれらの
それぞれの処理が行われたのが1つの機械なのか別々の機械なのかと
いうことが関係ないということもわかるのではないかと。


それで、話をもとに戻してNシステムで速度違反を取り締まることを考えると、
そもそもNシステムではA地点で「撮影」したデータとB地点でのデータを
照合して一致するものを抽出し、その間の平均速度を出すことになろうから、
その照合するデータがナンバーだけで(つまりA地点ではナンバーしか「撮影」
しないで)、B地点で速度違反だと判断した時点で運転者も含めて「撮影」
するというシステムなら、すくなくとも肖像権の問題は起こらない、と
思うのですが、どうでしょう?

ただその場合、証明されるのはA地点とB地点の間での車両の平均移動速度と、
B地点での運転者がだれだったのか、だけなので、速度違反の取り締まりには
とても使えそうにはありませんが。

-- 
        湯川伸樹 @ 愛知県名古屋市
        yukawaml@p4.numse.nagoya-u.ac.jp