工繊大の塚本です.

In article <k9dkgv$et3$1@dont-email.me>
"Kyoko Yoshida" <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop199_9524__02.jpg
> という具合にふたバージョンのLebesgueの定理が有ったのですね。

未だ定義域の話と値域の話が混同されているような気がします.
 Lebesgue の定理は
実数直線上の Lebesgue 測度についての実数値関数の積分についても
実数直線上の Lebesgue 測度についての複素数値関数の積分についても
平面上の Lebesgue 測度についての実数値関数の積分についても
平面上の Lebesgue 測度についての複素数値関数の積分についても
成立します.
特に, 複素数平面を Lebesgue 測度を備えた平面と同一視すれば,
複素数平面上の実数値関数の積分についても
複素数平面上の複素数値関数の積分についても
成立します.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop199_99495__03.pdf
> とお陰様で漸く解決できました。

はい.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_10007__05.jpg
> の(i)が真と成る訳ですね。

 (i) は良い. (iii) は駄目であると繰り返しておきましょう.

> 今,ζ(s)Γ(s)-Σ_{n=0}^∞(-1)^n B_n(1)/(n!(s+n-1))が
> ∫_1^∞exp(-u)/(1-exp(-u)) u^{s-1}duに等しくなる事を
> 一致の定理を用いて示してる最中で
> ζ(s)Γ(s)-Σ_{n=0}^∞(-1)^n B_n(1)/(n!(s+n-1))がs=1,0,-1,-3ででも
> 正則である事を何とかして言いたいのに
> ∫_1^∞exp(-u)/(1-exp(-u)) u^{s-1}duがCで正則だからという議論の仕方は
> おかしいと思うのですが。如何でしょうか?

相当誤解していますね.
 \zeta(s) \Gamma(s) の Re(s) > 1 での表示式,
 (\sum_{n=1}^\infty 1/n^s)(\int_0^\infty u^{s-1} \exp(-u) du)
を変形して, それが
 \sum_{n=0}^\infty (B_n/n!)((-1)^n/(s+n-1))
 + \int_1^\infty u^{s-1} \exp(-u)/(1 - \exp(-u)) du
に等しいことを示し, 更に,
 \sum_{n=0}^\infty (B_n/n!)((-1)^n/(s+n-1))
は複素数平面上の有理形関数であり,
 s = 1, 0, -1, -3, \dots を除いた領域で正則であることを示し,
 \int_1^\infty u^{s-1} \exp(-u)/(1 - \exp(-u)) du
は複素数平面上で正則であることを示しました.
従って, Re(s) > 1 で
 (\sum_{n=1}^\infty 1/n^s)(\int_0^\infty u^{s-1} \exp(-u) du)
として与えられた関数の解析接続である \zeta(s) \Gamma(s) は
複素数平面上の有理形関数であり,
 \sum_{n=0}^\infty (B_n/n!)((-1)^n/(s+n-1))
 + \int_1^\infty u^{s-1} \exp(-u)/(1 - \exp(-u)) du
と一致しています. 従って, 複素数平面上の有理形関数として
 \zeta(s) \Gamma(s) - \sum_{n=0}^\infty (B_n/n!)((-1)^n/(s+n-1))
と 
 \int_1^\infty u^{s-1} \exp(-u)/(1 - \exp(-u)) du
とは一致します. 気になるなら, 両者は
複素数平面から s = 1, 0, -1, -3, \dots を除いた領域で正則で
一致している, ということが分かれば十分です.
このとき
 \int_1^\infty u^{s-1} \exp(-u)/(1 - \exp(-u)) du
は s = 1, 0, -1, -3, \dots でも正則ですから,
有理形関数
 \zeta(s) \Gamma(s) - \sum_{n=0}^\infty (B_n/n!)((-1)^n/(s+n-1))
について, s = 1, 0, -1, -3, \dots は除去可能な特異点であり,
 s = 1, 0, -1, -3, \dots でも正則であると考えて良いことになります.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop_211_45__07.pdf
> と訂正致しましたが如何でしょうか?

駄目です.
 \sum_{n=1}^\infty (\exp(- \pi x))^n
は 1/(1 - \exp(- \pi x)) ではありませんし,
それでは積分の収束は導かれません.
 \sum_{n=1}^\infty (\exp(- \pi x))^n
  = \exp(- \pi x)/(1 - \exp(- \pi x))
です.

> あと,3ページ目の上から7行目にてlim_{h→0}をlim_{n→∞}に書き換えねば,
> Prop192.100064が使えないのですが
> ∫を飛び越えてhの箇所を軽率にa_nに書き換えてもいいものか困惑しております。
> ここはどのようにして突破できますでしょうか?

だから, 予め Lebesgue の定理の連続極限版を用意しておきなさい
と既に忠告しています.

> 一応
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop_211_45__07.pdf
> の4ページ目の上から3行目と6行目でそれについては言及しております。

 \sum_{n=1}^\infty (\exp(- \pi x))^n
  = \exp(- \pi x)/(1 - \exp(- \pi x))
を用いなければ, |f(s, u)| \leq g(u) となる g(u) は見つからないでしょう.

> In article <121119224527.M0118689@ras1.kit.ac.jp>
> Tsukamoto Chiaki <chiaki@kit.ac.jp> writes:
> > 普通に, \lim_{s \to s_0} f(s, x) = h(x)  (a.e.) であり,
> > |f(s, x)| \leq g(x) であり, \int_B g(x) dx が可積分であれば,
> > \lim_{s \to s_0} \int_B f(s, x) dx = \int_B h(x) dx
> > が成立する, と言えば良いのです.
> 
> 有難うございます。お陰様で
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_100065__00.pdf
> という具合に解決できました(尚,Acc(A)はAの集積点の集合の意味です)。

証明は出鱈目ですね.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_10007__06.jpg
> でなら(i)は正しいのですね。

 (i) は良い. (iii) は駄目であることを繰り返しておきましょう.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_10007__07.jpg
> でなら如何でしょうか?

駄目なのは同じことです.

> > 初等的な解析学の範囲で議論するなら, A は有界な閉区間である,
> > という条件が必要ですし,
> > Lebesgue の定理を使うなら,
> > |{ \partial f \over \partail s }(x, s)| \leq g(x)
> > を満たし, \int_A g(x) dx が可積分である, g(x) の存在を
> > 仮定しなければなりません.
> 
> 了解です。

ちゃんと了解していれば, 上のような話は出て来ない筈です.

> > 議論の仕方が分かっていないのですか.
> > \lim_{h \to 0} G(h) が存在すれば,
> > 任意の \lim_{n \to \infty} a_n = 0 となる数列 { a_n }_{n=1}^\infty
> > について, \lim_{n \to \infty} G(a_n) が存在して, その値は
> > { a_n }_{n=1}^\infty の取り方に依りませんし,
> > 逆に, 任意の \lim_{n \to \infty} a_n = 0 となる数列 { a_n }_{n=1}^\infty
> > について, \lim_{n \to \infty} G(a_n) が存在して, その値が
> > { a_n }_{n=1}^\infty の取り方に依らないのであれば,
> > \lim_{h \to 0} G(h) が存在する,
> > ということを使いましょう, とは言いました.
> 
> そっそうでした。
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_10007__01.pdf
> でいいのですよね。

そこに書かれている [Prop192.1000645] は
 \lim_{s \to s_0} f(s) が存在するなら,
任意の数列 a_n で \lim_{n \to \infty } a_n = s_0 となるものについて
 \lim_{n \to \infty} f(a_n) = \lim_{s \to s_0} f(s)
が成立するという, 自明のことだけです.
上に私が書いたものの「逆に」以下の部分が大事なのです.
「逆に」以下の部分の証明を先ず調べた上で,
 Lebesgue の定理の連続極限版の成立を示しなさい.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_10007__00.pdf
> と仮定を変更してみたのですがやはりφ(x,h)の優関数が見つかりませんね。

一様収束をどう使うのか分かっていないわけですね.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_10007__01.pdf
> とお蔭様で漸く上手くいきました。有難うございます。

いや, 積分の外の \lim_{h \to 0} を積分の中に入れて良いことの
理由付けがありませんよ. 証明とは言えません.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop211_45__08.pdf
> となったのですが3ページ目の冒頭ではどうして不等号が成り立つのでしょうか?

その一行前, 前のページの最後で

 ((\sum_{n=0}^\infty ((h/2) \log x)^n/n!) - 1)/h - (\log x)/2
  = ((1 + (h/2) \log x + \sum_{n=2}^\infty ((h/2) \log x)^n/n! -1)/h
    - (\log x)/2
  = \sum_{n=2}^\infty (h/2)^{n-1} (\log x)^n/n!
  = (h/2)(\log x)^2 \sum_{n=2}^\infty ((h/2) \log x)^{n-2}/n!

という計算を間違っているからそうなるのです.

> > 示せていませんね. 一番罪が重いのは
> > \sum_{n=1}^\infty (\exp(- \pi x))
> >  = \exp(- \pi x)/(1 - \exp(- \pi x))
> > の分子の \exp(- \pi x) を忘れていることです.
> 
> そうでした。これは大変失礼いたしました。

分かったら前に戻って記事を書き直すものです.

> つまり,
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop211_45__06.pdf
> の2ページ目末行から3ページの上から2行目への変形は
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_10007__01.pdf
> のProp192.100065を使えばいいのですね。

きちんと証明してから使って下さい.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/counter_example_of_prop192_10007__00.jpg
> でいいのですね。

未だ計算が間違っています.
 f(x, s) = (1/s) + 1 - x  ((1/s) \leq x \leq (1/s) + 1) です.
 x の積分は, x^2 ではなく, x^2/2 です.

 [x^2/2 + (-(1/s)+1)x]_{(1/s)-1}^{1/s}
  = ((1/s)^2 - ((1/s) - 1)^2)/2 + (-(1/s)+1)((1/s) - ((1/s) - 1)
  = (1/s) - (1/2) - (1/s) + 1
  = 1/2

 [((1/s) + 1) x - x^2/2]_{1/s}^{(1/s)+1}
  = ((1/s) + 1)((1/s) + 1 - (1/s)) - (((1/s) + 1)^2 - (1/s)^2)/2
  = (1/s) + 1 - (1/s) - 1/2
  = 1/2

> > 原始関数に両端の値を代入して差を取るより,
> > グラフの三角形の面積を計算する方が早い.
> 
> えっ? 三角形? 一体どういうことでしょうか? 

グラフを書いてみましょう.
-- 
塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp