Re: ζ関数に関する命題,解析接続,Γ関数など
工繊大の塚本です.
In article <k810au$g4$1@dont-email.me>
"Kyoko Yoshida" <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop199_9524__01.jpg
> という具合に複素平面上でも議論できるのですね。
未だ, 複素数値の場合と, 複素平面上で定義された関数の場合が
きちんと区別できませんか. まあ, dx を dxdy に置き換えれば
任意の可測集合 I で成立する話だから, 間違ってはいませんが.
> えっ!? 複素数上のLebesgue測度というのも存在するのでしょうか?
複素数平面 C を R^2 と同一視するだけの話です.
> Lebesgue測度は実数空間で定義される測度だとばかり思い込んでおりました。
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/def_of_Lebesgue_measure__00.jpg
> という具合に。
R^2 と同一視すれば問題ありません.
> 複素数上のLebesgue測度とは複素測度
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/def_of_complex_measure__00.jpg
> の事でしょうか?
その「複素測度」は値が複素数の場合です.
やはり区別できませんか.
> そうしますと
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop199_9524__01.jpg
> のIはRかCの空でない部分集合でさえあれば成立するのですね?
可測集合であれば成立します.
> そうでした。h→0の時,∫_1^∞ exp(-uRe(x))u^{|h|+Re(s)+1}du→∞となる場合,
> lim_{h→0}|h|/(1-exp(-1))∫_1^∞ exp(-uRe(x))u^{|h|+Re(s)+1}du=0とは
> そう簡単にいえませんものね。
> 有界である事を示す事がなかなか上手くいきませんでしたので
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop199_99495__02.pdf
> という具合に連続性を使って証明したのですが如何でしょうか?
「連続性」はどのようにして証明しているのですか.
2変数の連続関数 f(h, u) の u についての積分
F(h) = \int_1^\infty f(h, u) du
として定義される関数 F(h) が連続関数であることは
無条件には出て来ません.
|f(h, u)| \leq g(u) となる可積分関数 g(u) が存在すれば,
Lebesgue の定理から F(h) は連続になります.
そういう議論が要求されているわけです.
> どうしてζ(s)Γ(s)-Σ_{n=0}^∞(-1)^n B_n(1)/(n!(s+n-1))は
> 1/s-1/sタイプである事が判りますでしょうか?
その差が \int_1^\infty \exp(-xu) u^{s-1}/(1 - \exp(-u)) du
という正則関数になるからです.
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop211_4__02.pdf
> でいいのですね。
[Prop199.99465] \xE3^A\xAE (ii), \int_0^1 x^{s-1}/(\exp(x) - 1) dx
が可積分であるのは Re(s) > 1 のときです Re(s) = 1 のときは
発散しますから, Re(s) \geq 1 では駄目です.
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_100064__00.jpg
> 内のProp192.100063の時のような「lim_{n→∞}f_n(x) =^{a.e.} ∃f(x)」という条件
それは当然必要ですが,
> Prop192.100064では「lim_{s→s_0}f(s,x) =^{a.e} ∃h(x)」が必要かと思い、
> [10.5]を述べたのでしたが勘違いしておりますでしょうか?
「明らかに」偏微分 { \partial f \over \partial h}(h, x) が
f(h, x) = x^{h/2} に対しては存在するのですから,
「明らかに」 \lim_{h \to 0} { x^{h/2} - 1 \over h } = (\log x)/2
であり, \lim_{h \to 0} ({ x^{h/2} - 1 \over h } - (\log x)/2) = 0
が成立していることは「明らか」なので, 重要な点ではないわけです.
重要なのは
|({ x^{h/2} - 1 \over h } - (\log x)/2)
\times x^{Re(s)/2-1} (\sum_{n=1}^\infty \exp(- \pi n^2 x))| \leq g(x)
となる g(x) で, \int_1^\infty g(x) dx が可積分であるもの,
の存在を示す方です. そちらについて, 貴方の
<http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop211_45__05.pdf>
では示すことに失敗しています.
> そうしますと
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_100064__01.jpg
> で正しいんですよね?
それは正しいですが, 実際に使うときに, |f(s, x)| \leq g(x)
であり, g(x) が B 上で可積分になるもの, の存在を示さないでは
結論には到達できないことに御留意下さい.
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_100064__01.jpg
> という定理が成立つのですね。
普通に, \lim_{s \to s_0} f(s, x) = h(x) (a.e.) であり,
|f(s, x)| \leq g(x) であり, \int_B g(x) dx が可積分であれば,
\lim_{s \to s_0} \int_B f(s, x) dx = \int_B h(x) dx
が成立する, と言えば良いのです.
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_10007__01.jpg
> の(i)は正しくて
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_10007__00.jpg
> の(i)は一般には成立たないのですね。
はい.
{ \partial f \over \partial s }(x, s) が連続であるからと言って,
F(s) = \int_A f(x, s) dx が微分可能で
(d/ds) F(s) = \int_A { \partial \over \partail s} f(x, s) dx
となる, ということが成立するわけではありません.
> 下記のように証明を試みたのですが
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_10007__02.jpg
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_10007__03.jpg
だから, 条件が足りません.
初等的な解析学の範囲で議論するなら, A は有界な閉区間である,
という条件が必要ですし,
Lebesgue の定理を使うなら,
|{ \partial f \over \partail s }(x, s)| \leq g(x)
を満たし, \int_A g(x) dx が可積分である, g(x) の存在を
仮定しなければなりません.
> 末行から4行目にてlim_{h→0}∫_A (f(x,s+h))-f(x,s))/h dx
> =lim_{n→∞}∫_A (f(x,s+a_n)-f(x,s))/h dx と変形できるのは何故なのでしょうか?
議論の仕方が分かっていないのですか.
\lim_{h \to 0} G(h) が存在すれば,
任意の \lim_{n \to \infty} a_n = 0 となる数列 { a_n }_{n=1}^\infty
について, \lim_{n \to \infty} G(a_n) が存在して, その値は
{ a_n }_{n=1}^\infty の取り方に依りませんし,
逆に,
任意の \lim_{n \to \infty} a_n = 0 となる数列 { a_n }_{n=1}^\infty
について, \lim_{n \to \infty} G(a_n) が存在して, その値が
{ a_n }_{n=1}^\infty の取り方に依らないのであれば,
\lim_{h \to 0} G(h) が存在する,
ということを使いましょう, とは言いました.
> それと,末行から3行目にて優関数g(x)としてどのようなものが採れますでしょうか?
|f(x, s)| \leq g(x) では議論が明後日の方に向いてしまいます.
必要なのは,
|{ \partial f \over \partail s }(x, s)| \leq g(x)
を満たし, \int_A g(x) dx が可積分である, g(x) の存在であり,
それは予め仮定しておかなければ, 結論は導けません.
> 遡ってみたのですがどの前記事の事でしょうか?
> 誠に申し訳ございません。見失ってしまいました。
|(x^{h/2} - 1)/h - (\log(x))/2| の処理は次の記事の
|(u^h - 1)/h - \log(u)| の処理と同様にすれば良い.
In article <121023183930.M0305614@ras1.kit.ac.jp>
Tsukamoto Chiaki <chiaki@kit.ac.jp> writes:
! In article <k64hpe$64u$1@dont-email.me>
! "Kyoko Yoshida" <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
! > 1/(1-exp(-1)) ∫_1^∞exp(-uRe(s))|(u^{t-1}-u^{s-1})/(t-s)-(ln(u)u^{s-1}|du
! > は一体何で抑えれるのでしょうか?
!
! t = s + h とおいて, u^{s-1} を括り出しておくのが分かりやすい.
! x は正の実数でしか考えていません. と, いうことで,
! \exp(-xu) u^{Re(s)-1}/(1-\exp(-x)) \times |(u^h - 1)/h - \log(u)|
! を可積分関数 g(u) で上から抑えるわけですが,
!
! |(u^h - 1)/h - \log(u)|
! = |\sum_{n=2}^\infty h^{n-1} (\log(u))^n/n!|
! \leq |h| (|\log(u)|)^2 \sum_{n=2}^\infty (|h||\log(u)|)^{n-2}/n!
! \leq |h| (|\log(u)|)^2 \sum_{n=2}^\infty (|h||\log(u)|)^{n-2}/(n-2)!
! = |h| (|\log(u)|)^2 e^{|h||\log(u)|}
!
! であり, 1 \leq u であれば 0 \leq \log(u) だから,
!
! |(u^h - 1)/h - \log(u)|
! \leq |h| (\log(u))^2 u^{|h|}
!
! となります.
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop211_45__06.pdf
> と何とか示せましたが,
示せていませんね. 一番罪が重いのは
\sum_{n=1}^\infty (\exp(- \pi x))
= \exp(- \pi x)/(1 - \exp(- \pi x))
の分子の \exp(- \pi x) を忘れていることです.
> 2ページ目冒頭にて
> lim_{h→∞}∫_1^∞((x^{h/2}-1)/h-ln(x)/2)x^{s/2-1}Σ_{n=1}^∞exp(-πn^2x)dx
> =lim_{n→∞}∫_1^∞((x^{a_n/2}-1)/a_n-ln(x)/2)x^{s/2-1}Σ_{n=1}^∞exp(-πn^2x)dx
> の等号成立がわかりません。
連続極限 \lim_{h \to 0} G(h) と
数列の極限 \lim_{n \to \infty} G(a_n) (但し, \lim_{n \to \infty} a_n = 0)
との関係は, Lebesgue の定理が連続極限の形でも成立すること
を示すところで一回使えば良かったのです.
わざわざ毎回, 連続極限と数列の極限の関係を持ち出すのは
意味のないことです.
> どうすればいいのでしょうか?
そういう変形は必要ありません.
--
塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
GnuPG Key ID = ECC8A735
GnuPG Key fingerprint = 9BE6 B9E9 55A5 A499 CD51 946E 9BDC 7870 ECC8 A735