Re: 2変数複素多項式の根の連続性について
工繊大の塚本です.
2016年1月28日木曜日 13時29分20秒 UTC+9 Kyoko Yoshida:
> これについてはF_i(x):=#{y∈Disc[y_i,ε);f(x,y)=0}∈Nはx=x_0で連続ですよね。
それも証明すべき内容であった筈です.
因みに, 個数を解の重複度を無視して勘定すると,
そのことは成立しません.
> なので十分小さなδ>0を採れば,x∈Disc[x_0,δ)に対して,
> q:=F_i(x)=F_i(x_0)は定数です。
貴方はそれを未だ証明していません.
> しかし,このδをどんなに小さく採っても,x∈Disc(x_0,δ)に対し,
> q<#{y∈C;f(x,y)=0}となる,つまり,0∈f(Disc(x_0,δ)×(Disc[y_i,ε)^c))となるなら,
> これは(二)に相当して矛盾となるのではないでしょうか?
いずれにせよ, 疑問文では証明になりませんよ.
> 故に,∃δ>0;0 \not∈f(Disc[x_0,δ)×C(y_i,ε))が言え,
> #{y∈C;f(Disc[x_0,δ)×{y})∋0}=q,
> つまり,{y∈C;f(Disc[x_0,δ)×{y})∋0}⊂Disc[y_i,ε).
>
> でいいのでしょうか?
駄目でしょう.
> > # C(y_i, \epsilon) のコンパクト性を用いることになります.
>
> 先ず,f^-1(0)と{x_0}×C(y_i,ε)が正の距離である事
> (ι:=inf{|(x,y)-(x_0,ζ)|∈R;(x,y)∈f^-1(0),ζ∈C(y_i,ε)}>0となる事)
> を示さねばならないのですよね。
> もし,ι=0ならf^-1(0)と{x_0}×C(y_i,ε)とも閉集合であるから
> ∀δ>0に対し∃(x',y')∈f^-1(0),∃ζ∈C(y_i,ε);|(x',y')-(x_0,ζ)|<δ…(カ)であり,
> もし,(x',y')∈Int(f^-1(0))か(x_0,ζ)∈Int({x_0}×C(y_i,ε))
> (但し,Int( )は内核を表す記号)なら
> (カ)より,f^-1(0)∩{x_0}×C(y_i,ε)≠φとなり,
なりません.
R^2 において,
y \geq 1/x, x > 0 という集合は閉集合であり,
y \leq 0 という集合も閉集合ですが,
任意の正の数 \delta に対して,
それぞれの内点の組で, 距離が \delta 未満のものが存在します.
> 互いに素である事に矛盾。
従って矛盾が出るのは議論が間違っています.
> もし,(x',y')がf^-1(0)の境界点且つ(x_0,ζ)が{x_0}×C(y_i,ε)の境界点なら,(カ)から
> (x_0,ζ)∈Ball[(x',y'),δ),(x',y')∈Ball[(x_0,ζ),δ) for∀δ>0となっており,
> (x',y'),(x_0,ζ)∈Ball[(x',y'),δ)∩Ball[(x_0,ζ),δ)(←開集合).
> その時,B:=∩_{δ>0}Ball[(x',y'),δ)∩Ball[(x_0,ζ),δ)={(x',y'),(x_0,ζ)}…(キ)
> と書け,
>
> 一方.,B=
> ∩_{δ>0}Ball[(x',y'),δ)∩∩_{δ>0}Ball[(x_0,ζ),δ)={(x',y')}∩{(x_0,ζ)}…(ク)
>
> ですから(キ),(ク)より,(x',y')=(x_0,ζ)でなければならず,
> これもf^-1(0)と{x_0}×C(y_i,ε)とが互いに素である事に矛盾。
既に駄目ですが,
R^2 において,
y = 1/x, x > 0 という閉集合と
y = 0 という閉集合
の間の距離はどうなるでしょう.
> 従って,ι>0。
> となったのですがこれで正しいでしょうか?
正しくありません.
> コンパクト性を使っての証明については
そう, コンパクト性が必要です.
> f^-1(0)^c⊃{x_0}×C(y_i,ε)はコンパクトでf^-1(0)^cは開集合であるから,
> {x_0}×C(y_i,ε)の任意の点(x_0,ζ)はf^-1(0)^cの内点になっている。
> よって,∃ρ_ζ>0;Ball[(x_0,ζ),ρ_ζ) \subsetneq f^-1(0)^c
> for∀ζ∈C(y_i,ε)が言え,
> Γ:={Ball[(x_0,ζ),ρ_ζ)}_{ζ∈C(y_i,ε)}はf^-1(0)には触れない
> {x_0}×C(y_i,ε)の無限開被覆となっている。
> この開被覆から,有限個を選んで(Γ∋)Ball[(x_0,ζ_j),ρ_ζ_j),j=1,2,…,lで
> {x_0}×C(y_i,ε)を覆えますね(∵コンパクトの定義)。
ここまでは良いけれども,
> この時,Ball[(x_0,ζ_j),ρ_{ζ_j})とBall[(x_0,ζ_{j+1}),ρ_{ζ_{j+1}})の交円を
> γ_jとすると,(j=1,2,…,l-1,j=lの時はj+1:=1とする)
> τ_j:=min{|s-ζ|∈R;s∈γ_j,ζ∈C(y_i,ε)}(>0)とし,
\tau_j > 0 の証明を与える必要がありますね.
> τ:=min{τ_1,τ_2,…,τ_l}と採れば
>
> ∪_{ζ∈C(y_i,ε)}Ball[(x_0,ζ),τ)∩f^-1(0)=φとなりますよね。
それも証明を与える必要がありますね.
> これで正しいでしょうか?
証明としては正しくありません.
--
塚本千秋@基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
GnuPG Key ID = ECC8A735
GnuPG Key fingerprint = 9BE6 B9E9 55A5 A499 CD51 946E 9BDC 7870 ECC8 A735