工繊大の塚本です.

In article <k8406e$mjb$1@dont-email.me>
"Kyoko Yoshida" <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop205_2925__01.pdf
> とお陰様で何とか上手くいきましたが,
> 1ページのProp205.29245の[1]で先ず,
> ∫_ε^∞(ln(u))^2exp(hln(u))u^{s-1}/(exp(u)-1)duが積分確定
> (振動しない,つまり複素数値を持つか∞である)
> である事を言わねば不等号が意味不明になると思うのですが
> どのように対処すれば宜しいでしょうか?

ちょっと筆が滑ったので, 何をすべきかが伝わらなかったようですが,

  F(s) = \int_{C_\epsilon} u^{s-1}/(\exp(u) - 1) du

とするとき,

  \lim_{h \to 0}
    ((F(s+h) - F(s))/h - \int_{C_\epsilon} \log(u) u^{s-1}/(\exp(u) - 1) du)
  = \lim_{h \to 0}
     \int_{C_\epsilon} ((u^h - 1)/h - \log(u)) u^{s-1}/(\exp(u) - 1) du
  = \lim_{h \to 0}
     h \int_{C_\epsilon} (\log(u))^2 (\sum_{n=0}^\infty (h \log(u))^n/(n+2)!)
                         \times u^{s-1}/(\exp(u) - 1) du
  = 0

を示すのに,

  \int_{C_\epsilon}
   = - \int_\epsilon^\infty + \int_{\gamma_\epsilon}
     + \exp(2 \pi i s) \int_\epsilon^\infty

と分けて, \int_{\gamma_\epsilon} の部分は,
 |h| が有界であれば一様に有界な連続関数の有限区間での積分に帰着するので,
有界であり, \int_\epsilon^\infty の部分は
 \int_\epsilon^1 の部分と \int_1^\infty の部分に分けて,
 \int_\epsilon^1 の部分はやはり
 |h| が有界であれば一様に有界な連続関数の有限区間での積分に帰着するので,
有界であり, 結局, |h| < c で

  |\int_1^\infty (\log(u))^2 (\sum_{n=0}^\infty (h \log(u))^n/(n+2)!)
                 \times u^{s-1}/(\exp(u) - 1) du| \leq M

となる M の存在を言うことになりますが,

  |\int_1^\infty (\log(u))^2 (\sum_{n=0}^\infty (h \log(u))^n/(n+2)!)
                 \times u^{s-1}/(\exp(u) - 1) du|
   \leq \int_1^\infty (\log(u))^2 (\sum_{n=0}^\infty (|h| \log(u))^n/(n+2)!)
                 \times u^{Re(s)-1}/(\exp(u) - 1) du
   \leq \int_1^\infty (\log(u))^2 (\sum_{n=0}^\infty (|h| \log(u))^n/n!)
                 \times u^{Re(s)-1}/(\exp(u) - 1) du
      = \int_1^\infty (\log(u))^2 \exp(|h| \log(u)) u^{Re(s)-1}/(\exp(u)-1) du
      = \int_1^\infty (\log(u))^2 u^{|h|} u^{Re(s)-1}/(\exp(u)-1) du
      \leq \int_1^\infty u^{c + Re(s) - 1}/(\exp(u) - 1) du

ですから, 最後の積分が可積分であることを言えば良い.
それは既に何度も使っている話です.

> あと,5ページ目の冒頭も同様に
> ∫_{C_ε}(Σ_{n=2}^∞h^{n-2}(ln(u))^n/n!)u^{s-1}/(exp(u)-1)duが
> 積分確定である事とC_εが有界閉集合でないと
> Prop205.2924が使用できないのですがこれもどう対処すれば宜しいでしょうか?

 C_\epsilon を分けて議論すれば済むことです.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop199_99465__08.jpg
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop199_99465__09.jpg
> で宜しいでしょうか?

 (v) の証明で, Re(s) \leq 1 のときの

  \lim_{c \to +0} \int_c^1 x^{Re(s)-1}/(\exp(x) - 1) dx

が間違っていることは既に注意しました. 極限は +\infty です.

> In article <121031224929.M0201247@ras1.kit.ac.jp>
> Tsukamoto Chiaki <chiaki@kit.ac.jp> writes:
> > Lebesgue 積分として \int_0^\infty |x^{s-1}/(\exp(x)-1)| dx = +\infty
> > というのは意味がありますが, 複素数値の関数の積分で
> > \int_0^\infty x^{s-1}/(\exp(x)-1) dx = \infty
> > というのは意味不明です.
> 
> 複素多様線積分では積分値が無限大になる事はないのでしょうか?

非負の実数値関数の積分は, 有限であるか, 正の無限大であるか,
のどちらかですから, 積分値が無限大であるということに
意味がありますが, そうでない関数の積分は「収束しない」としか
言えません. 複素数値でなくても,

  \int_{-\infty}^\infty \sin x dx

が「無限大」かどうかなど意味がないでしょう.
 
> 例えば∫_1^∞ dx/xは実数上の積分と考えれば無限大になりますが

 f(x) = 1/x  (1 \leq x),  f(x) = 0  (otherwise)
という関数は非負の実数値関数ですから,
 \int_{-\infty}^\infty f(x) dx
  = \int_1^\infty dx/x
が「収束しない」「可積分でない」という代わりに,
「無限大である」という言い方は出来ますが,

> 複素数上の線積分と考えた場合は無限大とはならないのですね?

無限大であると言っても, 複素数平面を1点コンパクト化した
リーマン面としての球面の無限大に値を取っているという話では
ありません.

> その場合,∫_1^∞ dx/xは何らかの複素数値を持つのでしょうか?

だから, 値は持たないのです.

> 複素数の積分値を持たないという意味だったのですが。

そういう書き方はしません.

> 通例では"∫_A f(z)dz \not \in C"と表記したりすると
> ∫_A f(z)dzは発散するという意味ではなく
> 別の意味に取られ兼ねないというのですね。

無意味なことを書いていると判断されます.

> "∫_A f(z)dz \not \in C"と表記したら発散ではなく
> どのような意味に誤釈され易いのでしょうか?

貴方が何も分かっていないと判断されます.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop199_99465__02.pdf
> と取りあえずなったのですが
> 上から8行目でfの定義でどうしてx=0での定義が必要なのでしょうか?

そう定義することで, (開区間 (0, 1) ではなく)
閉区間 [0, 1] 上での C^\infty 関数となるからです.

> その後,f(0)は登場しないのですが。

区間の端での値の極限として使われますよ.
 f(0) だけでなく, f'(0) や f''(0) etc. も使われます.

> そして2ページ目の下から4行目の式がどうして発散と分かるのでしょうか?

先ず, s - N ではなく, s + N です. 但し, N は
 - N \leq Re(s) < - N + 1 で決める方が良いでしょう.
このとき, 0 \leq Re(s + N) < 1 となるので, 
 \int_a^1 x^{s + N} f^{(N+2)}(x) dx は有界になります,

  \int_a^1 x^{s-2} f(x) dx
   = [(1/(s-1)) x^{s-1} f(x)]_a^1 - (1/(s-1)) \int_a^1 x^{s-1} f'(x) dx
   = - (1/(-s+1)) f(1) + (1/(-s+1)) a^{s-1} f(a)
     + (1/(-s+1)) \int_a^1 x^{s-1} f'(x) dx
   = - (1/(-s+1)) f(1) + (1/(-s+1)) a^{s-1} f(a)
     - (1/((-s+1)(-s))) f'(1) + (1/((-s+1)(-s))) a^s f'(a)
     + (1/((-s+1)(-s))) \int_a^1 x^s f''(x) dx
   = \dots
   = - (1/(-s+1)) f(1) + (1/(-s+1)) a^{s-1} f(a)
     - (1/((-s+1)(-s))) f'(1) + (1/((-s+1)(-s))) a^s f'(a)
     - \dots
     - (1/((-s+1)(-s)\cdots(-s-N-2))) f^{(N+1)}(1)
     + (1/((-s+1)(-s)\cdots(-s-N-2))) f^{(N+1)}(a)
     + (1/((-s+1)(-s)\cdots(-s-N-2))) \int_a^1 x^{s+N} f^{(N+2)}(x) dx

において,

  - (1/(-s+1)) f(1) - (1/((-s+1)(-s))) f'(1) - \dots
  - (1/((-s+1)(-s)\cdots(-s-N-2))) f^{(N+1)}(1)
  + (1/((-s+1)(-s)\cdots(-s-N-2))) \int_a^1 x^{s+N} f^{(N+2)}(x) dx

は有界であり, 残りの

  (1/(-s+1)) a^{s-1} f(a) + (1/((-s+1)(-s))) a^s f'(a) + \dots
  + (1/((-s+1)(-s)\cdots(-s-N-2))) f^{(N+1)}(a)
  = a^{s-1} (1/(-s+1) f(a) + (1/((-s+1)(-s))) a f'(a) + \dots
             + (((-s+1)(-s)\codts(-s-N-2))) a^{N+1} f^{(N+1)}(a))

において,

  \lim_{a \to 0}
   (1/(-s+1) f(a) + (1/((-s+1)(-s))) a f'(a) + \dots
             + (((-s+1)(-s)\codts(-s-N-2))) a^{N+1} f^{(N+1)}(a))
  = 1/(-s+1) f(0) = 1/(-s+1) \neq 0

であり,

  \lim_{a \to 0} |a^{s-1}| = + \infty

ですから, 発散することが分かります.

> あと,末行で∫_0^1x^{Re(s)-1}/exp(x) dxが発散する事は
> どうすれば示せるのでしょうか?

それも示すべきことが違うようです.
 s が実数の時には,

  \int_0^1 x^{s-1}/(\exp(x) - 1) dx
   = \int_0^1 x^{s-2} (x/(\exp(x) - 1)) dx
   > \int_0^1 x^{s-2} dx

を使うことになります.
# f(x) は x について単調減少です.
 
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_10005__02.jpg
> と致しました。

了解です.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_1027__02.jpg
> と訂正致しました。

定義できないから holomorphic でない, というのは
正確ではありません. 0 の近傍で一価関数にならないことが
重要です.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_10007__04.jpg
> とすればいいのですね(但し,この場合(i)が偽と成ってしまいますが)。

駄目です. 偏微分が連続というだけでは, A を任意としては
成立しません.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop205_2925__03.pdf
> となりました。これでいかがでしょうか? 

これについては上で説明しました.
-- 
塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp