Re: ζ(s),DL(s,χ),_{amodN(s)},ζ(s,x)の複素平面上での正則性・有理型性・解析接続可能性の証明
工繊大の塚本です.
In article <k64m4l$7vq$1@dont-email.me>
"Kyoko Yoshida" <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop199_99465__04.jpg
> と訂正致しました。
真ん中の所で,
lim_{c \to +0} \int_c^1 x^{Re(s)-1}/(\exp(x) - 1) dx
> (1/2) \lim_{c \to +0} \int_c^1 x^{Re(s)-2}/(\exp(x) - 1) dx
が成立する理由は, \lim_{x \to +0} 1/(\exp(x) - 1) = +\infty
であるからではなく, x/(\exp(x) - 1) > 1/2 (0 < x \leq 1)
であるからです.
> (vi)については
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop199_99465__05.jpg
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop199_99465__06.jpg
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop199_99465__07.jpg
> という具合に(i)と(v)から示せたのですがこれででも大丈夫でしょうか?
何度も言いますように,
\int_0^\infty x^{s-1}/(\exp(x)-1) dx \notin \mathbf{C} (Re(s) \leq 1)
という式の意味は曖昧です. それが Re(s) \leq 1 のとき,
x^{s-1}/(\exp(x)-1) は (0, +\infty) 上 Lebesgue 可積分でない,
とか, Riemann 広義積分が絶対収束しない, とかの意味であるなら,
(i) と (v) から自明であるのは当然ですが, それなら (v) の
書き方も違っている筈でしょう. Re(s) \leq 1 のとき,
Riemann 広義積分 \int_0^\infty x^{s-1}/(\exp(x) - 1) dx は
条件収束することもない, というつもりであるなら,
(i) と (v) からは出て来ません. (v) の代わりに Re(s) \leq 1 のとき,
Riemann 広義積分 \int_0^1 x^{s-1}/(\exp(x) - 1) dx は発散する,
ということを示しておく必要があります.
> In article <121011173130.M0129823@ras1.kit.ac.jp>
> Tsukamoto Chiaki <chiaki@kit.ac.jp> writes:
> > 言葉の定義の問題として, 一点で微分可能であるだけでは
> > その点で正則とは言いません.
>
> そうでしたね。開近傍の任意の点で微分可能でなければならないのでしたね。
と確認しておいたのにもかかわらず,
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_100032__02.jpg
> でいいのですね。
の (i) で, u = 0 での微分可能性のみを示して,
u = 0 で正則であることの証明としているのは,
全く理解が出来ていないということですね.
(ii) も間違っていますし, (iii) はなくもがなです.
> > s = 1 のとき, u^s = u の微分は何だと思っているのですか.
>
> u≠0の時は1で、u=0の時は0だと思いますが。。
ほう, 多項式の一番の基本の単項式を微分すると不連続であると.
> Σ_{n=0}^∞B_n0^n/n!はいいが,0/(exp0-1)という表記は駄目なのですね。
ベキ級数などの場合の z^n の n = 0, z = 0 の場合は特別です.
> z/(exp(z)-1)はz=0で正則なのでz=0で連続,
z/(\exp(z) - 1) で z = 0 まで正則に延長した関数を
表すことにするのは許容範囲ですが,
> 故にlim_{z→0}z/(exp(lim_{z→0}z)-1)=lim_{z→0}z/(exp(z)-1)と迄は書いてもいいが
右辺は良いが, 左辺は駄目です.
> 0/(exp0-1)は0/0と見て取れるからNGなのでしょうか?
そうです.
> z/(exp(z)-1)|_{z=0}=1ならOKでしょうか?
許容範囲です.
> u^{s-1}がu=0にて正則という箇所ですね。
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_1027__00.jpg
こちらが駄目なのは上述の通り.
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop205_2821__08.jpg
> とProp192.1027(i)を訂正致しました。
[Prop192.1027(i)] の証明は出来ていないわけです.
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop205_29__01.pdf
> を再度見てましたがsを場合わけしている箇所は見当たりませんでした。
> なのでこれでいいのですよね?
その結果を用いて貴方が述べていたことが変だったのです.
> > 違いますよ. 何か正数 c, M があって, |h| < c なら
> > \int_{C_\epsilon}
> > |\log(u)|^2 \exp(|h||\log(u)|) u^{Re(s)-1}/(\exp(u) - 1) |du| \leq M
> > となることを言えば十分です.
>
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/Prop205.2925__02.pdf
最初の [Prop192.10007] が駄目です.
(iii) は一般には成立しません.
(i) も, A が有限閉区間であれば良いですが, 一般には成立しません.
ちゃんと, 微積分学の教科書を参照して下さい.
> となりましたが下から6行目のc,Mとして何が採れますでしょうか?
それ以前の問題です. ところで以前の投稿でその扱い方を
示した記事は読み直されましたか.
> 後,「ε∈(0,2π)」という条件は使わなかったのですが
> εは任意の正の実数ででもいいのでしょうか?
積分路 C_\epsilon の中に, u^{s-1}/(\exp(u)-1) の u = 0 以外の
特異点が含まれてしまうと, \int_{C_\epsilon} u^{s-1}/(\exp(u) - 1) du
の値が変わってしまいます. \epsilon は (2 \pi より小さいような)
十分小さな正の実数であれば何でも良い, としている所以です.
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塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
GnuPG Key ID = ECC8A735
GnuPG Key fingerprint = 9BE6 B9E9 55A5 A499 CD51 946E 9BDC 7870 ECC8 A735