Re: ζ(s),DL(s,χ),_{amodN(s)},ζ(s,x)の複素平面上での正則性・有理型性・解析接続可能性の証明
工繊大の塚本です.
In article <jvv0q2$i20$1@dont-email.me>
"Kyoko Yoshida" <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> http://www.geocities.jp/sayori_765195/prop205_2913__8.jpg
> とお蔭様で上手くいきました。
\lim_{u \to 0} u/(\exp(u) - 1) = 1 に相当することを
示すのにロピタルの定理を使うのは2重に間違っています.
(\exp(u))' = \exp(u) であることは
\lim_{u \to 0} (\exp(u) - 1)/u = 1 であることと
指数法則から導かれたりしますが, それなら
\lim_{u \to 0} u/(\exp(u) -1)
= \lim_{u \to 0} (1/((\exp(u) - 1)/u))
= 1/(\lim_{u \to 0} ((\exp(u) - 1)/u))
= 1
は既に分かっている筈の話です. まあ, 実際には
複素変数の指数関数はベキ級数表示から始めるものでしょうから,
u/(\exp(u) - 1) が u = 0 まで正則関数に伸びることも,
そこでの値が 1 であることも一度に分かることで,
その意味では, \lim_{u \to 0} u/(\exp(u) - 1) = 1 は
「当たり前」のことですが.
それから何度も言いますが, 複素数値関数に対して
ロピタルの定理のような式を示しても証明にはなりません.
> もしかして正しい題意は
> http://www.geocities.jp/sayori_765195/prop205_2993__05.jpg
> でしょうか?
間違っています.
積分 \int_{C_\epsilon} u^{s-1}/(\exp(u) - 1) du は,
(\exp(2 \pi i s) - 1) \Gamma(s) \zeta(s) になることを
示すつもりではないのですか. \zeta(s) は Re(s) = 1/2 上に
無数の零点を持つ関数ですよ.
> In article <120801230751.M0121599@ras1.kit.ac.jp>
> Tsukamoto Chiaki <chiaki@kit.ac.jp> writes:
> > u^{s-1} も \exp(u) - 1 も(一価の)正則関数ですし,
> > 十分に小さな \epsilon に対しては \exp(u) - 1 は
> > \gamma_\epsilon 上では 0 になりませんから.
>
> ここでのγ_εとは
> http://www.geocities.jp/sayori_765195/prop205_2992__00.jpg
> の曲線Cの事でいいのですよね?
何故, \epsilon が 1 以上かそうでないかで分けるのか, とか,
何故, t の範囲が角が 2 \pi から 4 \pi まで動くように
設定されているのか, とか, 不審な点はありますが,
良いでしょう.
> 留数定理とは
> http://www.geocities.jp/sayori_765195/prop205_2823__00.jpg
> ですよね。
必要なのは f が C 上では正則で, C の内部には孤立特異点のみ
持ち, 内部から孤立特異点を除いたところで正則であること
ですが, あなたの記述からそれは読み取れません.
> http://www.geocities.jp/sayori_765195/prop205_2992__00.jpg
> ではγ_ε(つまり,C:z(t))は閉曲線となりましたが,
この時には整数の s で考えています.
> 一方
> http://www.geocities.jp/sayori_765195/prop205_2993__06.jpg
> (2π>εと加筆しました)で は, L_ε上を∞からεまで来て,
> C_εを一周して, M_εに乗り移る時には,2葉目のRiemann面に移って
> しまっているのでC_εは閉じてはいないんですよね。
この時には整数でない s を主に考えています.
> どちらが本当なのでしょうか?
s が整数でないときには原点で分岐する Riemann 面を
考える必要があるし, s が整数の時には普通の複素数平面で
考えれば良い, というだけの話です.
> 取り敢えず
> http://www.geocities.jp/sayori_765195/prop205_2993__07.pdf
> となったのですが
それらの主張が多くの誤りを含んでいることは既に指摘しました.
> 下から8行目の∫_ε^∞exp((s-1)ln(x))/(exp(x)-1) dx∈C
> となる事はどうすれば言えるのでしょうか?
その Proposition の内容自体は問題ですが,
\int_\epsilon^\infty x^{s-1}/(\exp(x) - 1) dx の扱い方は,
= \int_\epsilon^1 x^{s-1}/(\exp(x) - 1) dx
+ \int_1^\infty x^{s-1}/(\exp(x) - 1) dx
と分けておいて, \int_\epsilon^1 x^{s-1}/(\exp(x) - 1) dx は,
Re(s) > 1 であれば, \epsilon \to 0 としても, 有限値に収束する
ことを確かめ, \int_1^\infty x^{s-1}/(\exp(x) - 1) dx は
任意の s について有限確定値を持つことを,
\int_1^\infty x^{Re(s) - 1} \exp(-x) dx < +\infty
を示して導くことになります. \Gamma(s) が Re(s) > 0 では
\int_0^\infty x^{s-1} \exp(-x) dx で与えられることを
ちゃんと理解していれば, 上記のことも示せる筈です.
> そして,末行において,Res_{u=0}u^{s-1}/(exp(u)-1)=0から
> uの解はどのように求まるのでしょうか?
s = 1 の時, Res_{u=0} 1/(\exp(u) - 1) は 0 ではありません.
「 u の解」とは何のことですか.
> 取り敢えず
> http://www.geocities.jp/sayori_765195/prop205_292__33.jpg
> は問題ありませんよね。
二つ目の Proposition で \exp(2 \pi i s) の s が抜けています.
> http://www.geocities.jp/sayori_765195/prop205_2902__00.jpg
> の題意は間違いで
> http://www.geocities.jp/sayori_765195/prop205_2902__01.jpg
> が正しい題意なのですね。
後者も間違っています.
\Gamma(s)/(\exp(2 \pi i s) - 1) をつけても
1/((\exp(2 \pi i s) - 1) \Gamma(s)) をつけてもいけません.
\int_{C_\epsilon} u^{s-1}/(\exp(u) - 1) du を計算すると,
- \int_\epsilon^\infty x^{s-1}/(\exp(x) - 1) dx
+ i \int_0^{2 \pi}
(\epsilon\exp(i\theta))^s/(\exp(\epsilon\exp(i\theta))-1) d\theta
+ \exp(2 \pi i s) \int_\epsilon^\infty x^{s-1}/(\exp(x) - 1) dx
になるのです.
> > 必要なのは, Re(s) > 1 のとき,
> > \lim_{\epsilon \to +0} \int_{C_\epsilon} u^{s-1}/(\exp(u) - 1) du
> > = (\exp(2 \pi i s) - 1) \int_0^\infty x^{s-1}/(\exp(x) - 1) dx
> > が成立する, ということです.
>
> http://www.geocities.jp/sayori_765195/prop205_284__00.jpg
> ですね。了解です。
はい.
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塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp
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