工繊大の塚本です.

In article <kg6o70$ghm$1@dont-email.me>
"Kyoko Yoshida" <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> C^nも「複素数体C上のn次元数ベクトル空間」と呼ぶのですね。

はい.

> Prop192.100065が 
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop211_45__10.pdf
> の末行から3行目で必要になるし,
> Prop192.10007を証明する上ででもProp192.100065が必要になるので
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_100065__01.pdf
> のように上から順に証明して行き,Prop192.100065に辿り着いたのです。 

連続版のルベーグの定理が必要であることと,
ルベーグの定理を記述する際に Re h(B) だの Im h(B) だの
無意味なものを導入することとは全く関係ないことです.

> それ故に
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_100064__03.jpg
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_100064__04.jpg
> という命題を用意せざる得なかったのでした。

複素数平面 \boldmath{C} の領域 I
# "I" という記号を選ぶセンスの悪さは今問いません.
に対して \Re I や \Im I とは何で,
それを考えることにどんな意味があるというのですか.

> In article <130121191358.M0110816@ras1.kit.ac.jp>
> Tsukamoto Chiaki <chiaki@kit.ac.jp> writes:
> > 無限大には「飛び」ませんよ. どうして「無限大に飛ぶ」と
> > 思うのですか.
> 
> 非整数のsがs=1,0,-1,-3,…らの各整数に近づくに連れて,
> ζ(s)Γ(s)-Σ_{n=0}^∞(B_n/n!)((-1)^n/(s+n-1))にて
> 分母が0になる項が現れて来るからです。

 1/s - 1/s でも分母が 0 になる項が現れるので,
 1/s - 1/s は s \to 0 で無限大に飛ぶ
と主張するわけですか.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/def_meromorphic__06.jpg
> が有理形関数の定義ですよね。

あれほど, 正則性が保証されない孤立点が真性特異点でないこと,
も要件に入っていると繰り返したのに, 結局認識が改まらなかった
ということですね.

> なので関数f,gが開領域Dで有理関数として一致しているとは,
> fのD'とgのD'が一致している場合の時を言うのですよね?

 D の孤立点からなる集合 S を D から除いた集合 D' = D \setminus S 上で
 f と g が一致していれば良いわけです.
 
> これは正確には「f(a):=g(a)と定義するし更に,fはz=aででも正則とも定義する」
> ですよね(∵除去可能な特異点の定義)?

 f(a) = g(a) と定義することにより,
 f は z = a でも正則な関数に拡張されるのです.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop205_29995__06.jpg
> では左辺の∫_1^∞exp(-u)u^{s-1}/(1-exp(-u)) duは
> C上で正則(つまり,D'=Cとなっている)ですが,
> 右辺のζ(s)Γ(s)-Σ_{n=0}^∞(-1)^n Bnl(n,1)/(n!(s+n-1))でのD'はC\setminus
> {1,0,-1,-3,…}になっているで互いのD'は一致せず
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/def_meromorphic__06.jpg
> より有理形関数として左辺と右辺は一致しないとなってしまうのですが、、

左辺は C 上で正則ですから, C から {1, 0, -1, -3, \dots } を
除いたところ D' でも正則であり, 上で述べたように,
左辺と右辺は複素平面上の有理形関数として一致します.

> あぁ、やっと分かりました。有理形関数の定義
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/def_meromorphic__06.jpg
> より

先にも述べたように, その定義は間違っています.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop205_29995__06.jpg
> での右辺のζ(s)Γ(s)-Σ_{n=0}^∞(-1)^n Bnl(n,1)/(n!(s+n-1))は
> s=1,0,-1,-3,…ででも正則となるのですね。

結論はそうです.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop205_29995__02.pdf
> とお蔭様で漸く解決できました。

解決したというのであればそうしておきましょう.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_100065__02.pdf
> 題意中でRe(I)やRe(f_k(I))やRe(h(B))としているから命題になっていないのですね。 

その通り.
 
> 大変申し訳ありません。
> ではどのように訂正すれば宜しいでしょうか?

複素数値であることを気にしているのであれば,
 f の実部を g, 虚部を h として (f = g + i h),
各複素パラメータ s について,
実部の関数 x \mapto g(s, x) も
虚部の関数 x \mapto h(s, x) も
可測関数である, としておけば良いでしょう.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_10006305__00.jpg
> という風にf_k,fの値域は複素数なのでCをR^2と見做して訂正を試みました
> がやはりダメでしょうか?

 prop192.100065 では定義域 B は実数直線の可測集合ではありませんか.
 prop192.10006305 では定義域が複素数平面の部分集合 I となっていて,
統一がとれていませんね.

ところで「可測関数」の定義はちゃんと書けるのでしょうね.

> 因みにproj_1,proj_2は
> 直積集合φ(I)の第一成分,第二成分を採る写像を意味してます。 

 R^2 の可測集合 D 上で定義された実数値関数 \varphi が
可測であることの定義はちゃんと書けますか.
その定義の中に proj_1, proj_2 は「陽に」出て来ますか.

> Prop192.100064からProp192.100065を導いてないと仰るのですね。

 \Re やら \Im やら意味のないものが満載のものを
チェックしようとは思いません.
それに本質はそんなことではないのです.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_100065__03.pdf
> の末行から5行目の所でProp192.100064を一応は用いておりますが。

だから, 最初から訊いているのは,
 \lim_{n \to \infty} a_n = s_0 となる任意の数列 { a_n } について,
 \lim_{n \to \infty} f(a_n) = f(s_0) となるならば,
 \lim_{s \to s_0} f(s) = f(s_0) となること
の証明は理解しているのか, ということです.

> つまり,
> "for∀ε∈R^+,∃δ∈R^+; f(Ball(s_0,δ)\setminus 
> {s_0}∩A×{x})⊂Ball(lim_{s→s_0}f(s,x),ε)"
> の否定は
> "∃ε∈R^+;for∀δ∈R^+,f(Ball(s_0,δ)\setminus {s_0}∩A×{x}) \not \subset 
> Ball(lim_{s→s_0}f(s,x),ε)"
> ではないのですね。

そういった命題は \lim_{s \to s_0} f(s, x) が存在するときでないと
「貴方が考えているような意味」を持たないと申し上げました.

> そうしますと,
> "for∀ε∈R^+,∃δ∈R^+; f(Ball(s_0,δ)\setminus 
> {s_0}∩A×{x})⊂Ball(lim_{s→s_0}f(s,x),ε)"
> の否定は何になるのでしょうか?

点としては定義されない x に対して
 x を中心として半径 \epsilon の円板とは何でしょうか.
例えば, 空集合を中心として半径 \epsilon の円とは何でしょうか.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_1000635__06.jpg
> と訂正致しましたがこれなら如何でしょうか?

 S の定義はまともになったようですから,
後は (i) を証明するだけですね. (ii) は不要です.
因みに, \infty をリーマン球面の 1 点と考えるなら,
 (ii) は (i) と同様, 必要十分条件です.

> えーと,今,反例を要しているのだから,
> 何か反例となる特別な数列を一つ挙げるだけで十分なのではないのでしょうか?

違いますよ. どんな S の数列 { a_n }, 即ち,
 \lim_{n \to \infty} a_n = s_0 となる数列 { a_n } に対しても,
 \lim_{n \to \infty} f(a_n) = \infty であるからといって,
 \lim_{s \to s_0} f(s) が \infty にならない例を挙げることができれば
それが反例です. 数列ではなく f の例が問題です.

> f(s):=exp(s)とすればlim_{n→∞}a_n=0だがlim_{n→∞}f(a_n)=1≠∞
> となりますが,,,
> Picardの定理はこんな単純なものではないのですね(多分)。

だから, Picard の定理に関係するのは s = 0 を真性特異点とする
 f(s) = \exp(1/s) という関数です.
 f(s) = \exp(s) では s = 0 は正則点ですから,
そういった現象が起きないのは当たり前です.

> そうでした。証明すべき事は
> lim_{n→∞}f(a_n,x)=∞なる任意の(a_n)∈Sに対して"一般には"
> lim_{s→s_0}f(x,s)≠∞である事を示すのでした。
> つまり,反例を挙げる事です。

無駄なことは止めた方が良い, と申し上げています.

> > (d/dt) の意味が分かっていますか.
> 
> 導関数を求めるという意味ですよね。
> あっと,
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_100067__00.jpg
> と書かねば意味がありませんでしたね。

いや, 分かっているのであれば, 元のままでも良いのですが,
この後で使えていないので.

> > 有限増分不等式では s と s + h を結ぶ線分を考えるのです.
> 
> 閉区間ではなく線分なら,
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_100067__01.jpg
> と書き換えてもいいのでしょうか?

 x \in [0, 1], y = 1 - x となるだけですから, 構いません.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop192_10007__04.pdf
> と取りあえずなったのですが
> 2ページ目末行ではどのようにfを場合分けするのでしょうか?

「場合分け」というのは意味不明です.
ともあれ,

> あと,同じく2ページ目の下から2行目にて
> f(x,s)/hがA×BでC^1級である事を言わねば成らないのですが,
> どうすれば言えますでしょうか?

それは f によって成立したりしなかったりするわけですから,
予め「仮定」しなければなりません. というわけで,
何の仮定もなしに

  (d/ds)F(s) = \int_A { \partial f \over \partial s }(x, s) dx

が成立するわけではないので, Prop197.10007 は誤りです.
 C^1 級の仮定があっても B が有界閉集合でなければ
一般には駄目です.

> 更に,2ページ目の[1.2]にて,Re(∂/∂s f(A,s))と書いてしまいました。
> このようなReの使い方はNGですよね。
> どのように書き換えればいいのでしょうか?

だから, 「実部も虚部も可測関数」と書けば良いだけのことです.

> > それと, s \neq 0 を一つ固定した時の x の関数,
> > f(s, x) = x - 1/s + 1  (1/s - 1 \leq x \leq 1/s),
> > f(s, x) = 1/s - x + 1  (1/s \leq x \leq 1/s + 1),
> > f(s, x) = 0  (otherwise), のグラフと,
> > 何の関係があるのですか.

> 一応,
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/figure__20.jpg
> となりました。

 f(s, 1/s) は, 上の式で計算しても 1/s - 1/s + 1 = 1,
下の式で計算しても 1/s - 1/s + 1 = 1 です.
この f(s, x) は f(s, x) \geq 0 の関数です.

何処かで負になるような図を書いているようでは駄目です.
-- 
塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp