ストーリー:
私立リリアン女学院。東京都下, 武蔵野の面影を未だに残している緑の多い地区で, 神に見守られ, 幼稚舎から大学までの一貫教育を受けられる乙女の園。ここの高等部には, 生徒の自主自律を重んじる校風から生まれた「姉妹(スール)」制度が存在する。あたかも姉が妹を導くかのように, 上級生が下級生を公私にわたって指導し清く正しい学園生活を受け継いでいくのである。
福沢祐巳は誰の妹になる事もなく入学から半年を過ごしていた。憧れの人は, 山百合会(生徒会)の幹部である三薔薇様の後継者「紅薔薇のつぼみ」(ロサ・キネンシス・アン・ブウトン)こと小笠原祥子様。しかし美人で学年も違う, ましてや山百合会幹部で全生徒の憧れの的である祥子様に気軽に声をかける事など, 祐巳にはできる筈もないのだった。そんなある朝, 祐巳は祥子様に呼び止められた……
「ごきげんよう, お姉さま」