Re: Cauchyの積分定理により∫_C u^{s-1}/(exp(u)-1)duが定数となる理由
工繊大の塚本です.
In article <jump2o$1gd$1@dont-email.me>
"Kyoko Yoshida" <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> "Corr(始集合,終集合)"は始集合から終集合への対応の集合という意味です。
> なのでCorr(Isd(AB∪γ_{ε_2}∪DE∪γ_{ε_2})∪(AB∪γ_{ε_2}∪DE∪γ_{ε_2}),C^{アレフ_0})
> はIsd(AB∪γ_{ε_2}∪DE∪γ_{ε_2})∪(AB∪γ_{ε_2}∪DE∪γ_{ε_2})を始集合,
> C^{アレフ_0}を終集合とする対応の集合という意味です。
A から B への「対応」 \Phi とは
直積集合 A \times B の部分集合 R のことのつもりではないのですか.
普通は「関係」 relation と呼ぶわけですが.
勿論, a \in A に対して,
\Phi({a}) = { b \in B | (a, b) \in R }
を \Phi による {a} の行き先の B の部分集合とします.
ある領域 D 上の複素数値の多価関数は
D と C との間の「関係」と理解出来ます.
しかし, D と C^{\aleph_0} との間の「関係」とは呼びません
一方, 領域 D 上の複素数値の多価関数は,
D の各点に複素数全体 C の部分集合を対応させる写像とも
考えられますから, 各点に対応する集合が常に可算集合であれば,
D から C^{\aleph_0} への写像と考えることも可能です.
> その時,
> Corr(Isd(AB∪γ_{ε_2}∪DE∪γ_{ε_2})∪(AB∪γ_{ε_2}∪DE∪γ_{ε_2}),C^{アレフ_0})
> ⊂
> Map(Isd(AB∪γ_{ε_2}∪DE∪γ_{ε_2})∪(AB∪γ_{ε_2}∪DE∪γ_{ε_2}),C^{アレフ_0})
> という包含関係になります。
> 一般にu^{s-1}/(exp(u)-1)は対応になります
> (Riemann面を用いて,写像(関数)と捉える事ができます)。
> なのでu^{s-1}/(exp(u)-1)∈Corr(,)という記号を使いました。
どうも, 上で私が説明したもののどちらでもない,
妙な概念を導入されているようですから,
きちんと説明されてから使われるのが良いでしょう.
> http://www.geocities.jp/sayori_765195/prop192_1015__00.jpg
> なのですね。
> ((dx/dt)(t) + i (dy/dt)(t)) は((d/dt)x(t) + i (d/dt)y(t))と同意で,
> 結局, ∫_c f(z)dz=∫_a^b f(x(t)+iy(t))dx(t)+i∫_a^b f(x(t)+iy(t))dy(t)
> と書けるのですね。
これを知らないようでは計算が出来ないわけだ.
> http://www.geocities.jp/sayori_765195/prop205_285__08.jpg
> http://www.geocities.jp/sayori_765195/prop205_285__09.jpg
> としてみたのですが
> ∫_{ε_2}^δ t^{Re(s)-1}exp(-Im(s)Arg(t)(cos(Im(s)ln|t|)/(exp(t)-1) dt
> はどうやって積分すればいいのでしょうか?
C_{\epsilon} の最初の実軸上の部分では,
実数 t の偏角は 0 であると考えています.
また, 曲線上を無限遠から \epsilon の方に移動するので,
符号が逆であることを忘れていますね.
だから, 正しくは
- \int_\epsilon^\infty t^{s-1}/(\exp(t) - 1) dt
です.
| - \int_\epsilon^\infty t^{s-1}/(\exp(t) - 1) dt |
\leq \int_\epsilon^\infty |t^{s-1}/(\exp(t) - 1)| dt
= \int_\epsilon^\infty t^{Re(s)-1}/(\exp(t) - 1) dt
ですから, \int_\epsilon^\infty t^{Re(s)-1}/(\exp(t) - 1) dt
が有限の値に収束することを言えば良い.
t > 1 なら \exp(t) - 1 > (1/2) \exp(t) ですから,
2 t^{Re(s)-1} \exp(-t) の [1, \infty) での積分の収束を
確かめれば十分ですが, それは \Gamma(s) が定義出来るという
ことの証明と同じことです.
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塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp
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