工繊大の塚本です.

In article <4eedf425-d99a-4a77-8552-7eca54216646@f20g2000vbc.googlegroups.com>
KyokoYoshida <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> でも問はx^2≡-1(mod 5^k)の解を一つ見つけよですから
> x_k=x_0+5x_1+5^2x_2+5^3x_3+ \cdots +5^{k-1}x^{k-1}

だから, 右辺に x_i を使うなら, 左辺は b_k にしないと
意味を成しません.

 b_k = x_0 + 5 x_1 + 5^2 x_2 + \cdots + 5^{k-1} x_{k-1}

です.

> でx_1,x_2,\dots,5^{k-1}らが0,1,2,3,4でなくても
> (0,1,2,3,4以外だと確かに5進表示にはなりませんが)
> 問は5進表示で表せとは言ってなく,
> 取りあえずx_0+5x_1+5^2x_2+5^3x_3+\cdots+5^{k-1}x^{k-1}
> と一つ解を見つけたからいいのではないでしょうか?

 5 進表示となるようにしておけば,
 x^2 ≡ -1  (mod 5^k) となる数 x = b_k が
 0 ≦ b_k < 5^k の範囲に取れることが分かり, 更に,
 5 進展開での 1 桁目 x_0 が 2 であって 0 ≦ x < 5^k にある
 x^2 ≡ -1  (mod 5^k) となる数としては,
 b_k がただ一つのものであることも,
少しの考察で分かることになります.

> うーん,それともx_1,x_2,\dots,5^{k-1}らが0,1,2,3,4でないなら
> x_kの解を具体的(一意的)には表した事にはならないから
> 解を一つ見つけた事はならないという事でしょうか?

一つ見つければ良いとは言いながら, やはり
きれいな見つけ方をしないと先に進めません.

山本芳彦著「岩波講座 現代数学への入門 数論入門1」岩波書店の
第5章ディリクレ指標の第5節ヘンゼルの補題
(a) Z/p^kZ におけるヘンゼルの補題の最後, p. 139 にある
 k と x_{k-1} と b_k と (b_k)^2 + 1 のきれいな表を御覧なさい.
この表の美しさの元は, x_{k-1} の取り方が
 0 ≦ x_{k-1} < 5 を満たすようになされているところにあります.

 x_0 = 3 とするとどうなるか, はお考え下さい.
 
> また手直ししました。
> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/example5_39_vol7.JPG
> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/example5_39_vol8.JPG
> 確認しましたので今度こそ大丈夫かと思います。

【2】は全然直っていないではないですか.
私が採点するなら, 二行目で零点を付けて御仕舞にします.
# 一行目も英文としては意味不明だから,
# そこで御仕舞にしても良いかも知れない.

左辺に x_k を用いて, 右辺では \ell_i を使い,
 k は 1 から, i は 0 から始めるなら,

  x_1 = \ell_0,
  x_2 = \ell_0 + 5 \ell_1
  x_3 = \ell_0 + 5 \ell_1 + 5^2 \ell_2
  ............

と進んで行きます. だから,
 x_1 = 2 = \ell_0 だと申し上げたのです.
「 x_1 = 2 + 5 \ell_0 」で「 \ell = 0 」というのは
全くの誤りです.

 x_k = x_{k-1} + 5^{k-1} \ell_{k-1} という式が
 k = 1 でも成立するようにしたいのなら,
 x_1 = x_0 + 5^0 \ell_0 = x_0 + \ell_0 ですから,
 x_0 = 0 と決めておくしかないです.

> えっ? つまり,2x_kは法5に関して可逆ではないのでしょうか?

 "invertible" というのは「可逆」ということですよ.
貴方は逆に理解されているようです.
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塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp