Re: ζ(s),DL(s,χ),_{amodN(s)},ζ(s,x)の複素平面上での正則性・有理型性・解析接続可能性の証明
工繊大の塚本です.
In article <kuh3cq$bml$1@dont-email.me>
"Kyoko Yoshida" <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> しっ然し,下記には正負の無限大に発散する以外は"振動する"と述べてある
> ようですが,一体どう解釈したらいいのでしょうか?
> http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A5%B5%E9%99%90
ウィキペディアの記述など, 根拠にすべきものではありません.
> 複素数列の場合は∞に"発散する"ではなく"収束する"と表現するのでしたね。
違いますよ. リーマン球面の点列と考える場合です.
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/def_class_C_omega__00.jpg
C^n での距離の定義が出鱈目であるのは御愛嬌として,
C^\omega と C^\infty の定義の違いが分かっていないのは
困ったものです.
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop199_99465__18.pdf
> という具合に[0,1]上でholomorphicである事を示しましたがこれで如何でしょうか?
その文書には Prop192.108 は書かれていなので,
コメントのしようがありません.
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/def_line_element__00.jpg
> が線素の定義ですね。
"a positive infinitesimal hyper real number" とは何でしょうか.
|w(t_k) - w_(t_{k-1})| らの最大のものが 0 に収束する極限において,
|w(t_k) - w_(t_{k-1})| の極限を考えれば, それは 0 ですから,
r^* というのは 0 ですね.
ともあれ, 「線素」が定義されているわけではなさそうです.
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop205_2925__12.jpg
> という具合でいいのですね。
実軸上での積分の変数は x にしませんか.
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/def_line_element__01.jpg
> という慣習があるのですね。
私が言っているのは「複素線積分」と「線素についての積分」とを
ごっちゃにしてはいけないということです.
因みに, Def582.5 の3行目の式は間違っています.
誤植 "coustomarily" も直しておくとよいでしょう.
> 従って, ∫_ε^∞|ln(u)|^2exp(|h||ln(u)|)|s^{s-1}|/|exp(u)-1| duは
> ∫_ε^+∞|ln(u)|^2exp(|h||ln(u)|)|s^{s-1}|/|exp(u)-1| du
> と書くべきなのですね。
\infty と +\infty を区別して, 何か良いことがありますか.
そもそも「複素線積分」ではないです.
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop205_2925__13.jpg
一番最初の行は「線素」についての積分ですから,
「複素線積分」とごっちゃにしてはいけません.
ですから, 貴方の言う,
> のようにuは複素変数ですが実軸を走り,被積分関数も実関数となっているので,
> 慣習に従って,
複素線積分に関する「慣習」は関係ありません.
> ∫_ε^∞|ln(u)|^2exp(|h||ln(u)|)|s^{s-1}|/|exp(u)-1| du(ここでの∞は無限遠点)は
> ∫_ε^+∞|ln(u)|^2exp(|h||ln(u)|)|s^{s-1}|/|exp(u)-1| du
> (ここでの+∞は正の無限大)と書かれるのですね。
そんな書き換えには意味がありません.
> 結局,∫_{C_ε}|ln(u)|^2exp(|h||ln(u)|)|s^{s-1}|/|exp(u)-1| |du|という線素積分は
> ∫_ε^+∞|ln(u)|^2exp(|h||ln(u)|)|s^{s-1}|/|exp(u)-1|
> du+∫_{γ_ε}|ln(u)|^2exp(|h||ln(u)|)|s^{s-1}|/|exp(u)-1|
> |du|+∫_ε^+∞|ln(u)|^2exp(|h||ln(u)|)|s^{s-1}|/|exp(u)-1| du
> と分解して書け,
> |ln(u)|^2exp(|h||ln(u)|)|s^{s-1}|/|exp(u)-1|という実関数と
> [ε,+∞)という区間とに囲まれた面積と
> |ln(u)|^2exp(|h||ln(u)|)|s^{s-1}|/|exp(u)-1|という複素関数
> (実際は実関数だが複素関数とも看做せる)と
その関数で「高さ」を考えているのだから,
実関数でないと意味がないでしょう.
> 複素平面上の曲線γ_εで挟まれたカーテン部分の面積と
> |ln(u)|^2exp(|h||ln(u)|)|s^{s-1}|/|exp(u)-1|という実関数と
> [ε,+∞)という区間とに囲まれた面積との和を表しているのですね。
で, 示すべきことは分かったのですか.
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/prop205_2925__14.pdf
> と訂正致しました。[Prop205.29247] も掲載しております。これで大丈夫でしょうか?
x-軸上の普通のリーマン(広義)積分で考えているのだから,
複素数を表していた u から x に変数を変えるのが良いでしょう.
[Prop205.29243] での \alpha の定義でもそうです.
細かい間違いが多いので, 訂正して下さい.
> 距離空間(A,dist),f∈Map(A,A)に於いて,
> l:=lim_{A∋x→a}f(x)(但し,a∈A)が収束するの定義は
> 0<∀ε∈Rに対して,0<∃δ∈R;f(Ball(a,δ))⊂Ball(l,ε)…[1]
> (但し,Ball(l,ε)はlを中心とする半径εの開球)で
それは f(a) = l なる f が a で連続であることの定義ですが,
まあ良いでしょう.
> lim_{A∋x→a}f(x)が発散するの定義は,
> 0<∀ε∈Rに対して,0<∃δ∈R;f(Ball(a,δ))⊂Ball(0,ε)^c…[2].
Ball(0, \epsilon) とかその補集合 Ball(0, \epsilon)^c とかの
定義は何ですか.
ともあれ, 「発散する」というのは「収束する」の否定ですから,
(まあ, この場合は「連続である」の否定で「連続でない」でしょうが,)
論理としては, 0 < \exists \epsilon \in R, 0 < \forall \delta \in R,
云々という文章になっていないとおかしいでしょう.
> 更には,aが∞の場合に相当する[1],[2]の定義は夫々,
> 0<∀ε∈Rに対して,0<∃δ∈R;f(Ball(b,δ)^c)⊂Ball(l,ε),
> 0<∀ε∈Rに対して,0<∃δ∈R;f(Ball(b,δ)^c)⊂Ball(0,ε)^c.
> (但し,bは適当なAの固定点(∵原点のような基準になるような点がAには無い為))と
> 書けると思います。
貴方は距離空間 (A, dist) において \infty とは何だと
思っているのですか. それはいつでも存在しますか.
いつでも一つに決まりますか.
> そこで
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/def_Riemann_sphere__03.jpg
> がReimann球面の定義ですよね(これでは理解してるとは言えないでしょうか?)。
> ここでの∞の近傍U(∞)を考えると
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/def_diverges_to_infty_in_complex__00.jpg
> のp97の「Sが有界でないと,正の整数nに対して…」の下りにて,
> U(∞)は上のBall(0,ε)^cに相当するなぁと感じました。
貴方の議論で(その訳の分からない) Ball(0, \epsilon)^c が
登場するのは「収束しない」場合でしょう.
S が有界でないとき, \infty が集積点になる, という話は
S の有界でない点列で \infty に「収束する」ものが取れる,
ということですので「収束する」場合に現れるものを考える
のが正しい. Ball(b, \delta)^c の方を,
U(\infty) に相当するなあ, と感じていれば, 少しましでした.
> 通常,複素数の微積分の議論と言えば,
> 拡張された複素平面(リーマン球面)C∪{∞}にて議論するのですよね
別にいつもそういう必要があるというわけでもないでしょう.
> (実数の微積分の議論といえばR∪{±∞}で議論すように)?
実数でも \pm \infty をくっつけて考える必要がいつもある
という訳のものではありません.
> 言い方が不味かったでしょうか。
はい. 特別な場合の複素線積分が
> 「実数の区間上の複素数値関数のリーマン積分の定義と一致しますよね?」
なら,
> では如何でしょうか?
特に問題はありません.
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/def_definite_integral__01.jpg
> でいいのですね。
sup とか inf とかを何について取っているかが,
ちゃんと分かっている人にしか分からないだろうという点を除いては
別に問題はありませんが, A は [a, b] を含む集合としないと
意味を為しません.
> ん? "実現の場合"とはどういう意味でしょうか?
リーマン球面を半径 1/2 で実現する必要はないです.
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/def_diverges_to_infty_in_complex__00.jpg
> に依ると,
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/def_Riemann_sphere__04.jpg
> のようにC∪{∞}と同一視できる全単射写像fが存在して初めてこの球面RをRiemann
> sphereと呼ぶのでしょうか?
実はそれだけでは不十分です. \infty のまわりでの正則な座標系が
取れないといけません. R から (0, 0, 0) を除いた部分を C と
同一視して, R から (0, 0, 1) と (0, 0, 0) を除いた部分での
二つの「 C から一点を除いたもの」との同一視が
正則に変換されるのでなければなりません.
> そうしますと,先ず複素多様体の定義が先にあって,
> それからRiemann球面が定義されるものでしょうか?
現代的な定義としてはそうです.
> 以外の側面とはどういったものでしょうか?
半径が 1/2 である, とかいったことです.
球面である必要もありません.
球面なら Hausdorff 位相空間であることは
簡単に示せるでしょうし, 局所座標系を書き下すことも
容易いというだけのことです.
> 『「複素多様体」としての性質以外の側面を除いたもの』とは,
> つまり,Riemann球面(複素多様体が定義された正実数半径の球面)に
> 何か条件が加わった途端にRiemann球面とは呼べなくなるのでしょうか?
Riemann 球面と呼ぶなら, 他の側面は忘れるのです.
> つまり,
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/def_Riemann_sphere__04.jpg
> という球面R(半径は任意の正実数)が複素多様体をなすようなAltas A
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/def_complex_manifold__05.pdf
> が存在して初めてこの球面RをRiemann球面と呼ぶ事が可能になるのですね。
貴方に Atlas が理解できているとは思いませんが,
当然そういうことです.
--
塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
GnuPG Key ID = ECC8A735
GnuPG Key fingerprint = 9BE6 B9E9 55A5 A499 CD51 946E 9BDC 7870 ECC8 A735