ご回答誠に有難うございます。

>> つまり,ZF公理系での無限集合の定義とは
>> 「φ≠aでx∈aならx∪{x}∈aなる集合aを無限集合と言う」
>> なのですね。
> 「数学のロジックと集合論」を持っているのですから
> ちゃんと読みましょう. p. 105, p. 129 にあるように,
> 自然数と同じ濃度を持つ集合が有限集合で,
> そうでない集合が無限集合です.

これは選択公理や帰納的集合存在公理が仮定されてないの状態での無限集合の定義なのですね。
"どの自然数とも同濃度を持たない集合が存在する"という公理が後に現れるのですね。 


> inductive set はこの定義での無限集合ですが,
> 無限集合でも inductive set でないものはいくらでもあります.

基数がアレフ_1,アレフ_2,…等ですね。

>> え!? "{x}"の定義とは一体何なのでしょうか?
> Axiom of pairing により, 任意の集合 a, b に対して
> a, b のみを要素とする集合 c = { a, b } が存在します.
> 集合 x に対して { x, x } を { x } とします.

記号"∈"と外延性公理と空集合公理と対の公理があってなら確かに{x}が集合となる事は認められますが。

>> 勿論,"∈"の定義も必要ですよね。
> ZF を前提にするのですから, 定義は必要ありませんし,
> 定義はありません. Axion of pairing は
>  \forall a \forall b \exists z
>     [\forall u (u \in z \leftrightarrow ((u = a) \lor (u = b)))]
> ですが, これにより存在が保証されている z を { a, b } と書く
> という約束と, { a, a } を { a } と書くという約束は必要ですが.

なるほど。集合zを{a,b}と書き,{a,a}を{a}と書くと約束する。つまり
http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/axiom_of_pairing__00.jpg
という具合でいいのですよね。
x∈{x,y}の"∈"には何の意味も無い(未定義記号)のですね?

でもでもそうしますと外延性公理
http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/axiom_of_extensionality__00.jpg
では"∈"が未定義記号なら"x∈A"とかも未定義語で結局,
"x∈A⇔x∈B"の箇所が意味不明にはならないのでしょうか?

>> 「xを集合とする時,{x}も集合となる(∵Axiom of pairing)
>> その時,"x∈{x}"と書き,「xは{x}に含まれる」とか「xは{x}の元である」とか言う。 
>> 
>> 同様にx,yやx,y,zを集合とする時,{x,y}や{x,y,z}も集合となり(∵Axiom of
>> union),
>> x∈{x,y},y∈{x,y},x∈{x,y,z},y∈{x,y,z},z∈{x,y,z}と書け,
>> 「xは{x,y}の元である」,「yは{x,y}の件である」,…, と言う。
>> 以下,w,x,y,zを集合とする場合も同様に"∈"が定義される」
>> という風に"∈"を定義してみたのですが如何でしょうか?
> そんなものは定義でもなんでもありません.

"∈"という記号は何かと問われたら応えに窮するので"∈"を定義したのでしたが
それだと一階述語論理で形式された公理論的集合論の立場(つまり,∈は無定義記号とする(?))に反してしまうのですね。
すみません。一階述語論理で形式された公理論的集合論の立場とは簡単に言えばどういうことでしょうか?

>> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/infinite_descending_sequence__00.jpg
>> でいいのですよね。
> 無限列 { a_n }_{n \in N} というのは
> N の元 n に集合 a_n を対応させるという写像ですが,
> N が未だ定義もされていないのに, どうしてそのようなものの
> 存在が仮定できるのでしょう.

そうでした。自然数はZF公理系以後の概念でした。

> X = { a_1, a_2, \dots } という集合の存在は何が保証するのでしょう.

何からも保証されませんでした。

> ところで, その X が Axiom of regularity
>  \forall A [(\exists y (y \in A))
>             \to (\exists C ((C \in A)
>                             \land \not (\exists z ((z \in A)
>                                                    \land (z \in C)))))]
> の反例になるということの証明はどのようにするのですか.

http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/infinite_descending_sequence__00.jpg
とするつもりでしたがこれは全くのインチキである事が判りました。
http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/infinite_descending_sequence__01.jpg
では如何でしょうか?

> 因みに, n \in m かつ m \in n となる集合 m, n が存在するとき
> 正則性の公理が満足されないことは,
> A = { m, n } とすると, A は空集合ではなく,
> C \in A となる C は C = m であるか C = n であり,
> C = m の時は n \in C かつ n \in A であり,
> C = n の時は m \in C かつ m \in A である,
> ことから分かります.

http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/axiom_of_regularity__01.jpg
となったのですが
「n \in m かつ m \in n となる集合 m, n が存在するとき」
の時,確かにm∋n∋m∋n∋…
となり正則性の公理に矛盾が生じる事が分かりましたが,
一般の無限降下列の場合にはどのようにして矛盾を発生させれるのでしょうか?

> ! [公理ア] xを集合と呼ぶ事にする。
> について,
>> このxはφと書けば良かったかも知れません。
> x = \emptyset というのは \forall u (\not (u \in x)) のことだ
> というのが共通の理解の筈です. 無論, \emptyset の存在を
> 公理に含めても構わないが, \emptyset の存在は無限公理と
> 分出公理図式から導かれるということも p.157 に解説があります.

つまり,
置換公理&分出公理⇒空集合公理
が成り立つので空集合の公理を取っ払ってる公理系もあるのですね。
更に,
置換公理⇒分出公理
が成り立つので,
置換公理⇒空集合の公理
が成り立ちますよね。
そうしますと,置換公理さえあれば空集合の公理は不要なのでしょうか?

>> 「集合とは何か(竹内外史著),p78」にて
>> 何も無いところから集合を創り出せる事が出来ると述べてある事から,
>> [公理ア],[公理イ],…,[公理オ]を作る事を思いついたのでした。
>> 集合とはφから,[公理ア],[公理イ],…,[公理エ]を経て
> どうするのでしょうか.

[公理オ]が生まれるのかと拙推してしまっておりました。

> 因みに, 空集合の存在から出発して, 超限再帰法で集合全てのクラスを
> 作り出す話は, p. 127 の例 6 と p. 160-161 にあるその解説を
> 良く読まれると宜しいでしょう.

有難うございます。参考にしてみます。

> それと, 貴方の「公理」との違いも良く考えましょう.
> ! [公理イ] {x}を集合と呼ぶ事にする(対集合の公理(?))。
> について,
>> これは公理ですが定義は不要かと思いました。
> 定義がなければ { x } が何を表すのか分かりません.
> p. 157 の \emptyset の定義の後に,
> { x } の定義も書いてありますから,
> 参照して下さい.

http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/def_of_braces__00.jpg
という風な感じで宜しいでしょうか(因みに記号「⇔^I」はimplication(含意)を意味します)?
そしてこの定義はZF公理系より前に述べるべき定義だと思い,ZF公理系に前置しました。 

何故なら{y}が定義されて初めて,外延性公理などが順述されると思ったからです。
更に,z,yをsetsではなくmathematical systems(数学的体系)としたのは,ZF公理系を満たす数学的体系の事を"集合"と呼ぶのが集合の定義だと思ってますので,ZF公理に前置したz={y}の定義のz,yは集合と呼ぶことは不可能だと判断したからです。

それとも,「∈」や「{ }」や「z={y}」は未定義語と解釈すべきなのでしょうか(すみません。ちょっと混乱中です)?

>> x,yを勝手な集合とする時,
>> これらx,yは結局はφから生成されたものなので
>> "φ"と"{"と"}"とで記述されて[公理エ]に従って,

先ず,
x={φ,{φ},{φ,{φ}},{φ,{φ,{φ}}},…,{φ,{φ,{φ,…,{φ,{φ}}…}},
y={φ,{φ},{φ,{φ}},{φ,{φ,{φ}}},…,{φ,{φ,{φ,…,{φ,{φ}}…}}
(但し,xとyの{ }の入れ子数は等しいとは限らない)
と書ける。

>> "x∈y"が真か偽か判別できる事になります。
> ちゃんと証明できますか.

それで以って,yの入れ子数がxの入れ子数が一つ多い場合は
x∈yは真となる(∵公理エ),それ以外はx∈yは偽(∵公理エ)となる。
従って,φを集合の出発点として公理ア,イ,ウ,エを構築するとx∈yの真偽が判定できた。(終)

では如何でしょうか?

> # "\in" について:
>>>  ZF を前提にするのですから, 定義は必要ありませんし,
>>> 定義はありません.

そうでしたか。憶えておきたいと思います。

> # 一方:
>>> 定義がなければ { x } が何を表すのか分かりません.
>> 定義がいるのか要らんのか、どっちなのか、わかりませんな。
> "\in" の方は1階述語論理で集合論を記述するときの
> 言語に要請される関係記号で, 無しには出来ませんが,

成程です。

> { x } の方は, Axiom of pairing
>  \forall v_0 \forall v_1 \exists v_2 \forall v_3
>    [v_3 \in v_2 \leftarightarrow (v_3 = v_0) \lor (v_3 = v_1)]
> で存在が保証される, v_0, v_1 に対する v_2 のことを
> { v_0, v_1 } と略記した時の, { x, x } の略記ですから,
> 全て省略せずに書くことにすれば「消せる」ものですね.

これは納得です。

>> 述語論理で、定義って何だろう? 構文規則のことか?
> 省略記号には定義というか, 約束というか, がないと
> 困るでしょう.

これも納得です。

> { x } を, "\in" がそうであるのと同じように,
> 「定義なし」に使えるようにしようとするなら,
> どんな言語で集合論を記述するつもりなのか, から
> 始める必要がありますね.

やはり,「{x}」には(通例は)
http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/def_of_braces__00.jpg
という定義がZF公理系を述べる前に与えられるものなのですね。