工繊大の塚本です.

In article <k6746a$gvp$1@dont-email.me>
"Kyoko Yoshida" <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> ZF公理系からはこのDdekindの無限集合を定義する事は不可能なのですよね。

「選択公理」がなくても定義は出来ますよ.
普通の無限集合の定義とは一致しないだけで.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/def_of_infinite_set__00.jpg
> が正しい証明でございます。

その写像 f: A \to A, f(x) = x \cup { x } が
 f: A \to (A \setminus { \emptyset }) の全単射であることは
少しも自明なことではありません.
単射であることも証明が必要でしょう.
「数学のロジックと集合論」の p. 75 に書いてあるから, 読んで下さい.
全射であることを証明できますか.
実際には, A が Dedekind-infinite であることを示すのに,
 f: A \to (A \setminus { \emptyset }) が全射であることを
証明する必要はないわけですが.

> 上記の改証明でいいのですよね。

駄目です.

> In article <121019213028.M0130809@ras2.kit.ac.jp>
> Tsukamoto Chiaki <chiaki@kit.ac.jp> writes:
> > 「数学のロジックと集合論」 p. 73 の自然数の定義では「帰納的集合」
> > になっていますね. I では一つ帰納的集合 A を取って定義している
> > ことが明確ではないですから, I_A として, N_A = \cap I_A とし,
> > N_A が, 任意の帰納的集合に含まれる, 最小の帰納的集合であること
> > を証明した後に,
> 
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/def_of_natural_number__03.jpg
> としてみたのですが

 [定義 9.78] は「集合 A が帰納的集合の時」とするものです.
 Dedekind-infinite である集合が帰納的な部分集合を含むとは
限りません. そのときは I_A も \cap I_A も空集合になってしまいます.

 [定義 9.79] で \cap_{A \in C} A と書かれているものを,
 \cap C と書く習慣です. 同様に, \cup_{A \in C} A は \cup C です.
 p. 35 にありますね.

で, 問題は [定義 9.8] と書かれている「定理」ですが,

> ∃x∈∩_{X∈I_A}X〓Xとした後,どうすればいいのでしょうか?

それは何を証明しようとしているのですか.

> それと, {X;X is a recursive set}は分出公理の形をしてないので
> {X;X is a recursive set}は集合とは言えないのではないでしょうか?

少し前に,

 I_A = { X \in P(A) : (\emptyse \in X)
                      \land ((x \in X) \to ((x \cup {x}) \in X) }

と「ベキ集合公理」と「分出公理」を用いて定義しませんでしたか.

ちなみに, 一つ帰納的集合 A を用いて N_A = \cap I_A を定義するとき,
 N_A が任意の帰納的集合 B に含まれることの証明は
 p. 73 にあります.

> > それを ( 0 から始まる) 自然数の集合とするのが
> > やはり良い.
> 
> 有難うございます。
> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/def_of_natural_number__02.jpg
> とPeano's axiomを満たす事も示せました。

それは全然証明になっていません. p. 75 に書いてあることを
もう一度お読み直し下さい.

> どうやら∩_{X∈I_A}Xを自然数系として良さそうです。 

まだまだ遠いようです.
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塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp