工繊大の塚本です.

In article <k6rkho$jaf$1@dont-email.me>
"Kyoko Yoshida" <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> つまり,ZF公理系での無限集合の定義とは
> 「φ≠aでx∈aならx∪{x}∈aなる集合aを無限集合と言う」
> なのですね。

「数学のロジックと集合論」を持っているのですから
ちゃんと読みましょう. p. 105, p. 129 にあるように,
自然数と同じ濃度を持つ集合が有限集合で,
そうでない集合が無限集合です.

 inductive set はこの定義での無限集合ですが,
無限集合でも inductive set でないものはいくらでもあります.

> え!? "{x}"の定義とは一体何なのでしょうか?

 Axiom of pairing により, 任意の集合 a, b に対して
 a, b のみを要素とする集合 c = { a, b } が存在します.
集合 x に対して { x, x } を { x } とします.

> 勿論,"∈"の定義も必要ですよね。

 ZF を前提にするのですから, 定義は必要ありませんし,
定義はありません. Axion of pairing は

  \forall a \forall b \exists z
     [\forall u (u \in z \leftrightarrow ((u = a) \lor (u = b)))]

ですが, これにより存在が保証されている z を { a, b } と書く
という約束と, { a, a } を { a } と書くという約束は必要ですが.

> 「xを集合とする時,{x}も集合となる(∵Axiom of pairing)
> その時,"x∈{x}"と書き,「xは{x}に含まれる」とか「xは{x}の元である」とか言う。
> 同様にx,yやx,y,zを集合とする時,{x,y}や{x,y,z}も集合となり(∵Axiom of union),
> x∈{x,y},y∈{x,y},x∈{x,y,z},y∈{x,y,z},z∈{x,y,z}と書け,
> 「xは{x,y}の元である」,「yは{x,y}の件である」,…, と言う。
> 以下,w,x,y,zを集合とする場合も同様に"∈"が定義される」
> という風に"∈"を定義してみたのですが如何でしょうか?

そんなものは定義でもなんでもありません.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/infinite_descending_sequence__00.jpg
> でいいのですよね。

無限列 { a_n }_{n \in N} というのは
 N の元 n に集合 a_n を対応させるという写像ですが,
 N が未だ定義もされていないのに, どうしてそのようなものの
存在が仮定できるのでしょう.
 X = { a_1, a_2, \dots } という集合の存在は何が保証するのでしょう.

ところで, その X が Axiom of regularity

  \forall A [(\exists y (y \in A))
             \to (\exists C ((C \in A)
                             \land \not (\exists z ((z \in A)
                                                    \land (z \in C)))))]

の反例になるということの証明はどのようにするのですか.

因みに, n \in m かつ m \in n となる集合 m, n が存在するとき
正則性の公理が満足されないことは,
 A = { m, n } とすると, A は空集合ではなく,
 C \in A となる C は C = m であるか C = n であり,
 C = m の時は n \in C かつ n \in A であり,
 C = n の時は m \in C かつ m \in A である,
ことから分かります.

! [公理ア] xを集合と呼ぶ事にする。

について,

> このxはφと書けば良かったかも知れません。

 x = \emptyset というのは \forall u (\not (u \in x)) のことだ
というのが共通の理解の筈です. 無論, \emptyset の存在を
公理に含めても構わないが, \emptyset の存在は無限公理と
分出公理図式から導かれるということも p.157 に解説があります.

> 「集合とは何か(竹内外史著),p78」にて
> 何も無いところから集合を創り出せる事が出来ると述べてある事から,
> [公理ア],[公理イ],…,[公理オ]を作る事を思いついたのでした。
> 集合とはφから,[公理ア],[公理イ],…,[公理エ]を経て

どうするのでしょうか.
因みに, 空集合の存在から出発して, 超限再帰法で集合全てのクラスを
作り出す話は, p. 127 の例 6 と p. 160-161 にあるその解説を
良く読まれると宜しいでしょう.
それと, 貴方の「公理」との違いも良く考えましょう.

! [公理イ] {x}を集合と呼ぶ事にする(対集合の公理(?))。

について,

> これは公理ですが定義は不要かと思いました。

定義がなければ { x } が何を表すのか分かりません.
 p. 157 の \emptyset の定義の後に,
 { x } の定義も書いてありますから,
参照して下さい.

> x,yを勝手な集合とする時,
> これらx,yは結局はφから生成されたものなので
> "φ"と"{"と"}"とで記述されて[公理エ]に従って,
> "x∈y"が真か偽か判別できる事になります。

ちゃんと証明できますか.
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塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp