>>>>> In <20040719132246cal@nn.iij4u.or.jp> 
>>>>>    cal@nn.iij4u.or.jp (SASAKI Masato) wrote:
SASAKI> 貸金訴訟において

... 略 ...

SASAKI> これを裁量と言っていいんですか?
SASAKI> 普通これは「拘束されている」と言うと思います。
SASAKI> しかもこれには裁判官に選択肢がありません。

  (国語辞典の意味でも)「裁量」とは言えないと思います。

SASAKI> それを
SASAKI> 「裁判はやってみないとわからない」
SASAKI> とか
SASAKI> 「裁判官裁量判決国家」
SASAKI> と評するのは
SASAKI> 妥当なんですか?

  妥当だとは思いません。

SASAKI> 専門用語ではないから許されるという領域なんですか?

  許されると思います。
  なんらかの理由で、書き手は「裁判官裁量判決国家」と評するのが妥当だと
確信しているなら、そう書いてもよいと思います。

SASAKI> 頼光さんの表現を借りるなら
SASAKI> 「いい加減なことを書いたらいい加減だと指摘された」ということです。

  私は、批判することそのものを否定したことはないつもりです。
  
  相手が使っている言葉(「裁判官裁量判決国家」など)の意味の確認もせずに、
しかも、理由も述べずに、「間違い」と述べられたことは適切ではない、とい
うのが私の考えです。
  とはいっても、いまとなっては、そのような主張をする必要もなかったかな、
と思うようになりました。「間違い」と指摘されたら、指摘されたほうが「な
ぜ?」と問えばよいだけですから。


  ただ、あまりにも一方的に感じましたので、軽率にも投稿してしまいました。
  以下、議論の過程で、あまりにも一方的に感じた理由を参考のため補足しま
す。

>>>>> In <20040712220417cal@nn.iij4u.or.jp> 
>>>>>    cal@nn.iij4u.or.jp (SASAKI Masato) wrote:
SASAKI> その上でやはり
SASAKI> 「言葉に対して神経を使う」のは大事であるし
SASAKI> 法律学における専門用語をそれ以外の場面で
SASAKI> それ以外の意味で安易に流用することは
SASAKI> やはり批判の対象にならざるを得ないと指摘します。

  「裁量」も「法治」も近代法律学以前からある言葉ですよね。「法治」の意
味は、法家の法治ですので、かなり意味は違いますが。
  もともと専門用語でないものを、専門用語として流用している言葉について
は、批判の対象にされても迷惑だなあ、とも思います。
  すくなくとも、知識のない人が一見すると専門用語には思えないような言葉
については、専門家に対する配慮なしで自由に使っても(時代とともに意味が
変わったりする。)、それを否定的に考えるという発想は私は全然ありません。
(たとえ、一度、専門用語になってしまった言葉が新聞などで流布した場合で
もです。)

SASAKI> 「他人にストップがかけられて
SASAKI>  自分の考え通りに物事を決めて処置することができない」
SASAKI> のを「裁量」と言っていいんですか?
SASAKI> ……残業の例にしても裁判官の判決にしても……。

SASAKI> 私は到底「裁量」とは言えないと思います。
SASAKI> 裁量と言えないものを裁量というのは間違いです。

  「広辞苑」や「日本国語大辞典」をみれば、「自分の考え通りに」というニュ
アンスがない語義ものっています。そういう語義も検討せずに、「間違いで
す。」とおっしゃるのも強引ではないかと思いました。

SASAKI> それはやはり言葉の使い方に敏感じゃないと思います。

  「言葉の使い方に敏感じゃない」には、いろいろな側面がありますよね。た
とえば、敬語の使い方とか、いわゆる「日本語のみだれ」とか。
  (専門用語だという注が付かずに)国語辞典にのっている単語について、「専
門用語かもしれない」という危機感をもっていないことを、「言葉の使い方に
敏感じゃない」と評するのは、本来、ひとつの側面に対する評価であるべきも
のを、より広範囲な否定的評価に広げてしまっていると思いました。一面的な
評価と思いました。

SASAKI> (言葉の定義がちがうかもしれないのに
SASAKI>  それをそのままにしようという時点で。)

  このように主張されるなら、定義の確認をした後で、「間違い」と述べられ
た方が、より良かったのではないかと思いますが。

>>>>> In <20040709215500cal@nn.iij4u.or.jp> 
>>>>>    cal@nn.iij4u.or.jp (SASAKI Masato) wrote:
SASAKI> 法律のことを議論するニュースグループで
SASAKI> しかも裁判という法律そのものの範囲内の議論において
SASAKI> 「法治国家」とか「裁量」などという専門用語を使用するならば
SASAKI> それらの専門用語の意味は理解しているという前提を
SASAKI> 採用していいのではないでしょうか?
SASAKI> そういう専門用語を使用しているのに
SASAKI> 「もしかしたらこの人は素人ではないだろうか?」
SASAKI> と思うことの方が本来はよほど書き手に失礼だと思います。

   定義の確認を省略できるという理由として、「失礼だと思います。」とい
うのは、理由としては弱いのではないかと思います。
  「失礼」と言うなら、理由も述べずに、「間違い」と述べられることの方が
よほど失礼だと、私は思いますが。
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兼松真哉