佐々木将人@函館 です。

>From:Sin'ya <ksinya@quartz.ocn.ne.jp>
>Date:2004/07/11 19:13:51 JST
>Message-ID:<ccr3sv$3sq$1@news-est.ocn.ad.jp>
>
>  よって、法律学を学んでいない人が「法治国家」という言葉に接っする機会
>は稀ではないと思われるので、例としてふさわしくないとは思いません。

例としてふさわしくないというのは
兼松さんは当初「(法律学に限らず)一般的に使用される」例として
よりにもよって政治家の用法や新聞の用法をあげたので
「一般的に使用される例として政治家の用法や新聞の用法をあげる」
ことに異論を唱えたわけです。
ただし今回の投稿を読むと必ずしも一般的用法にはこだわってないようなので
広く「法律学以外の用法で」という意味であれば
別にかまいません。

その上でやはり
「言葉に対して神経を使う」のは大事であるし
法律学における専門用語をそれ以外の場面で
それ以外の意味で安易に流用することは
やはり批判の対象にならざるを得ないと指摘します。

>  変わると思います。ただし、現実問題として、外国の話をしているのでもな
>いかぎり、「未成年者」という言葉に、誤解の可能性はあまりないでしょう。
>(たばこや酒の販売に関して「未成年」という言葉が日常的に使われ、その言
>葉は法律学を学んだ人に向けているとは思えません。)

それは甘いです。
現に数年前、fj.soc.lawで誤読が話題になっています。
(パチンコ屋の入店規制の話題ですね。
 ……あたし検証のためにわざわざパチンコ屋に行ったというもの。)

>  「複眼的思考」に苦言を述べるのは野暮というものでしょう。

言葉の雑な使い方に苦言を述べているのです。
それを野暮というなら野暮のどこが悪いのでしょうか?
言葉を雑に使わなければいいだけのことです。

>SASAKI> この裁量は「自由裁量」ですか?「羈束裁量」ですか?
>SASAKI> それとも別の何かですか?
>
>  「羈束裁量」なんでしょうね。労働組合との協約で年間残業時間には上限が
>あるし、残業が多すぎると上司がストップをかけることができますから。
>#   現実問題としては、労働組合との協約にある上限を超えても、今後は超え
># ないように対策しますと、組合に報告すれば良いだけですが。
>#   業界によっては、残業時間オーバーで営業停止になるそうです。過重労働
># が顧客の危険に直結する業界など。

>From:Sin'ya <ksinya@quartz.ocn.ne.jp>
>Date:2004/07/11 23:20:51 JST
>Message-ID:<ccric3$fa4$1@news-est.ocn.ad.jp>
>
>  WWWで検索したかぎりでは、「羈束裁量」は行政庁(検察庁の例もありました。) 
>に関して使われていますので、上の例は、「自由裁量」でも「羈束裁量」でも
>ないのかも、と思いました。
>  また、上記の「上司がストップをかけることができます」も、かならずしも
>労働協約(という法律に準じるルール)のみが理由ではなく、従業員の健康や人
>件費の観点からストップをかけることもありえます。よって、法の規定が明確
>でないから裁量の余地があるという観点ではない裁量もあります。

で、結局その「裁量」ってどんな裁量なんでしょうか?
そしてそれは

>SASAKI> 一度読んだだけだと気づかないかもしれないけど
>SASAKI> 「裁判官裁量判決国家」
>SASAKI> でいう裁量って
>SASAKI> 本当に上の例と一致した使用法なんですか?

と考えてみるに

>  ただし、「[ある立場にある人が]自分の考え通りに物事を決めて処置するこ
>と」 (新明解国語辞典第二版)
>という意味の中に含まれるという範囲では、一致していると思います。

であるならば

「他人にストップがかけられて
 自分の考え通りに物事を決めて処置することができない」
のを「裁量」と言っていいんですか?
……残業の例にしても裁判官の判決にしても……。

私は到底「裁量」とは言えないと思います。
裁量と言えないものを裁量というのは間違いです。

>SASAKI> しかし「専門用語かもしれない」という危機感をもって投稿することは
>SASAKI> 必要じゃないんですか?
>SASAKI> これは言葉に気を使うというレベルの話ではありますが……。
>SASAKI> 自分のまわりのことだからそんな気を使う必要がないというのは
>SASAKI> fjで議論しようという状況では全く賛成できない主張です。
>
>  fjはもっと気楽なところで良いと私は思っていますので、賛成できませんが、
>お考えはわかりました。

>From:Sin'ya <ksinya@quartz.ocn.ne.jp>
>Date:2004/07/11 21:53:46 JST
>Message-ID:<ccrd8r$bca$1@news-est.ocn.ad.jp>
>
>  「気楽なところで良い」というのは、どんなにいいかげんでも良いという意
>味ではありません。
>  国語辞典にのっていて、しかも、報道などでも時々は接っするような単語に
>ついて、「専門用語かもしれない」という危機感をもって投稿することは、通
>常の注意義務を超えているというのが私の考えです。

それはやはり言葉の使い方に敏感じゃないと思います。
単なる感情の吐露であるならともかく
意見交換・情報交換・議論を行うのであれば
そのような雑なことでは
実際意見交換・情報交換・議論は不可能でしょう。
(言葉の定義がちがうかもしれないのに
 それをそのままにしようという時点で。)
そしてこれは普通の人はたいていできます。
(中にはできない人がいることも承知していますが
 別にメディアはfjだけじゃないのですから
 自分にあったメディアを選択すればいいだけのことです。)

しかも今回は国語辞典の用法とも違うように思います。
また報道機関の用法をそのまま鵜のみにしちゃいけないのは
現代における常識の部類だと思っています。

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cal@nn.iij4u.or.jp  佐々木将人
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ルフィミア「本当に本が出そうなんですか?」
まさと「なんか出そうな感じだよ。」