小林@那須です

>いや、だからコリオリ力だけでは渦というか風は発生しない。
>あくまで、気圧傾度力があって、それとコリオリ力が釣り合うように風が吹くわけです。

確かに等圧線が込み合うほど、風向きが等圧線と並行になります。一見直感に反する性質
があります。これは空気の粘性の少なさの性だと考えます。

下層部分の温度が高くなることで対流が発生します。圧力勾配ができます。赤道直下の、
空気が角運動量をもっていないところでは、上昇気流を補うだけの風が周囲から入り込ん
でくるだけです。空気の粘性による力とで圧力勾配がつりあいます。また上昇気流の速さ
の風では暴風にはなりません。

でも、緯度が高くなると空気の塊が角運動量を持ちます。それが中心部分に吸い込まれる
と、フィギアスケートで広げた手を狭めたときのように高速に回転を始め、台風の暴風が
発生します。中心方向への風の速度成分は上昇気流のスピードに過ぎませんが、中心方向
に直角な風の成分は高速になります。このスピードが速いためにコリオリの力が働き始め
ます。緯度が高い所での低気圧では、空気の粘性よりもコリオリの力のほうが利いてくる
ため、圧力勾配とコリオリの力が釣合うと考えます。

私は「台風の渦がコリオリの力によってできる」とする言い方は誤解を生み易いと主張し
ます。m ω x v (ωは 2Π/24hour) のコリオリ力が上昇気流の速度の風に加わりつづけ
ることで、台風の暴風を発生させていると思わせてしまうからです。上昇気流の速さの風
に m ω x v の弱いコリオリ力追加しても台風の暴風にはなりません。「台風の等高線が
発生させる圧力勾配とコリオリ力が釣合っている渦の形ができている」と言い換えるべき
だと主張します。


>>「下側と上側で渦の形が反対になる」という結論は同じになるハズですよ。
>>同じにならなかったら、どこかで計算を間違えている。
>計算したことはないけど、(物理学を信じるなら)各層で全部足したら、そのはずですね。

御指摘通りです。私が誤っていました。下側でのスパイラル上に中心に入り込んできた空
気の流れを、上昇気流から出た後のスパライル上の流れに延長して考えてやれば、台風の下
側と上側では風の進行方向に対する曲がり方は反対になります。風の流れを正しくイメー
ジできていませんでした。

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小林憲次
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