河野真治 @ 琉球大学情報工学です。

In article <3F5343F7.5F9DB908@silk.plala.or.jp>, Nakagawa <naka111@silk.plala.or.jp> writes
> 受信から返信までの間には、ごく短い既知の時間差があるでしょうが、
> とりあえずそれを無視して説明します。

その時間差が重力に依存するってのが一般相対論ですよね。それを
無視してだいじょうぶなの? その時間差は、どこでもだいたい同じ
だから無視できるってのと、実は、それは場所によって差があるっ
てのは結構違う... 

> 元の衛星が、電波が一往復してくるまでの時間を計測すると、
> それと光速度から、衛星間の平均距離が出ます。

光の道筋が重力場でどのように振舞うかってのを仮定せずに、平均
距離を出すことはできません。光が重力場の影響を受けるのかどう
かを解析するのに、基礎理論抜きではできないです。

それ抜きで「とにかく、誤差を修正すれば良いんだ」っていう方法
もあると思うけど、その時は、なんらかの補正項を入れることにな
ります。それは、重力場に対する1次の項を入れることになる(ちゃ
んと、それを見つけられれば...)わけだけど、その係数を決めるこ
とと、

    重力場の基礎理論を追求すること

とどれだけ差があるんですか? 係数を決めることは工学だと言い張
るのは、それは、「猿が、でたらめにキーボードを叩く音楽」だっ
てことだよね。その係数になんらかの根拠があるんだということは、
基礎理論を研究していることです。

> 光路長は、あくまで地球重心系の座標系(自転なし)で見た光路長です。
> それによって、送信から受信までの時間の間で
> どの時刻に相手の衛星が電波を受信したかが明らかとなり、
> 時刻合わせが完成します。

工学的には、そこで出て来る一般相対論的な系統的な誤差をどこに
割り振るかには自由度があります。光路長に割り振っても良いし、
時刻の誤差に割り振っても良い。どちらを採用するかによって位置
や時刻そのものが変わります。

地球上の位置が太陽に近いかそうでないかによって変わるみたいな
解釈を当然だと受け入れるのか、そうではなくて、重力場が計量そ
のものを決めるのだとみなすのかってことですよね。

> > # 都合の良い前提をおけばどんな結論でも出せる。
> 全くその通り。

だったら、ニュートン力学で満足すれば良いはずですよね。なぜ、
そうなっていないの? 

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Shinji KONO @ Information Engineering, University of the Ryukyus, 
              PRESTO, Japan Science and Technology Corporation
河野真治 @ 琉球大学工学部情報工学科, 
           科学技術振興事業団さきがけ研究21(機能と構成)