佐々木将人＠函館　です。

>From:Nobuki Yukawa <yukawaml@p.numse.nagoya-u.ac.jp>
>Date:2004/12/10 03:18:25 JST
>Message-ID:<BDDEC601.1DF%yukawaml@p.numse.nagoya-u.ac.jp>
>
>２０条１項は「複数車線ある時は、一番右側車線以外を
>通行しなさい」という規定ですよね。

その点は否定しませんが、それだけにとどまらず
「並進することは
　「通行の区分に従い、車両通行帯を通行」
　したことにはならない。」
という意味まで含んでいるという主張です。
で、なければ詳解道路交通法が理由も書かずに
「追い抜きは違反となる」と断言することを理解できません。

ちなみに追い抜きを違反と明言はしていませんが
図解入りで同じような立場を表明しているものに
野下文生著道路交通執務研究会編著
「執務資料道路交通法解説」
ｐ２１９があります。
これは２０条３項の追い越しの説明ですが……。

｜　　　　｜　　　　｜　　　　｜
｜　　　　｜　　　　｜　　　　｜
｜先　　　｜　　　　｜　　　　｜
｜行　Ａ　Ｂ　Ｃ　　Ｄ　　　　｜
｜車　　　｜　　　　｜　　　　｜
｜　　　　｜　　　　｜　　　　｜
｜　　　　｜　　　　｜　　　　｜
｜後　　　｜　　　　｜　　　　｜
｜行　　　｜　　　　｜　　　　｜
｜車　　　｜　　　　｜　　　　｜
｜　　　　｜　　　　｜　　　　｜
｜　　　　｜　　　　｜　　　　｜

後行車が先行車を追い越そうとした時に
「直近右側の車両通行帯を通行しなければならない」とある以上
許されるのはＣの位置に行くことだけであって
Ａ・Ｂ・Ｄ全て２０条３項後段の違反だと
これまた断言しています。

もし並進可であればＡの位置に行って追い越しをすることも
なんら問題ないはずじゃないですか？
でもこの本はそれは違反だと断言している。
よしんば、
「追い越しは直近右側の車両通行帯まで行けという規定があるから
　行かないＡは違反となるけど
　追い抜きならそういう規定はないから違反にはならない」
というなら
進路変更の有無だけで並進が可になったり不可になったりする
不合理が発生します。

そして車線がない場合には１８条１項で左側に寄らなきゃいけない
すなわち基本的には並進不可なのに
車線があればその結果「車線内でその左に寄る」制限がないため
車線内の中央を走ることも許されるのに
さらに車線内であれば並進も可だとするのは
車線内を無法地帯にするような解釈であって
到底合理性に欠けます。

>> ちなみに車両通行帯が設置されていない場合は１８条になりますが
>> この場合は車両は左側に寄って走行しなければならないところ、
>> 先行車がこの走行方法を遵守している限り
>> 先行車の左側方を並進通過するような進行方法はやはり１８条１項違反です。
>
>こちらも、先行車が右に寄っていたために左に空間が空いていて、そこを抜けたと
>すると、１８条違反は先行車であって、追い抜いた二輪ではないですよね。

はい。これはそうです。
「先行車がこの走行方法を遵守している限り」という限定をつけたのは
先行車が何らかの理由で左側に寄っていない場合には
左側に寄って走行している後行車が
進路変更をせずにそのまま左側に寄った走行をし続けることにより
側方を通過してしまうことがあり得るし
先行車の何らかの理由次第では先行車の走行も合法であり
かつ後行車の走行も合法だということが
これまた十分あり得るところ
その点を細かく議論するのが本線の議論には役立たないだろうという
判断からです。

>前にもいろいろと調べたのですが、どうも私には同一車線内の追い抜きを
>明確に禁止した規定があるようには思えませんでした。

では詳解道路交通法をお読みください。
明確に追い抜きは２０条１項違反だと書いてあります。

ちなみに大阪府警が別の見解を示したことについては
私個人は理解できます。
というのは同一車線内の追い抜きを違反だと断言する文献が１つある一方で
違反ではないと断言する文献は１つもなく
私が読んだ４つ（６つかもしんまい）の文献は「書いてない」状態なのです。
もし詳解道路交通法がなければ
私も大阪府警と同じ見解を示していた可能性があります。

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