Re: 3×3正値エルミート行列の正値性
ご回答誠に有難うございます。
>>>> Grassmann積という対称テンソル積を外積と呼ぶ人もいれば
>>> 対称テンソル積ではなく, 交代テンソル積.
>> え? Grassmann積の各成分⊿_{w_1},⊿_{w_2},⊿_{w_3},⊿_{w_4}は
>> -⊿_{w_1},⊿_{w_2},-⊿_{w_3},⊿_{w_4}のように
>> 符号が交互に入れ替わってなく,常に正になってるではありませんか?
> 「対称」「交代」の名称は, 定義式の一表現の「符号」の付き方で
> 定まっているのではありません.
そうでしたか。
> ベクトル空間 V の元 n 個の組に対して, ベクトル空間 W の元を対応させる
> 多重線形な写像 f: V \times V \times \cdots \times V \to W が
> 対称なのは, \forall \sigma \in S_n (n 次対称群) に対して,
> f(v_{\sigma(1)}, v_{\sigma(2)}, \dots, v_{\sigma(n)})
> = f(v_1, v_2, \dots, v_n) (\forall v_i \in V (1 \leq i \leq n))
> となるときであり,
これは対称的と呼ばれる性質ですね。
よってこれは対称テンソルですね。
> 交代となるのは (標数が 2 でなければ),
> f(v_{\sigma(1)}, v_{\sigma(2)}, \dots, v_{\sigma(n)})
> = \sgn(\sigma) f(v_1, v_2, \dots, v_n)
> となるときです.
そしてこれは交代的と呼ばれる性質。
よってこれは交代テンソルですね。
そして,これを利用して,m個(m≦n)のテンソルa_1,a_2,…,a_m(夫々をo_1,o_2,…,o_m階とすると)について,
Gai(a_1,a_2,…,a_m):=(o_1+o_2+…+o_m)/(o_1!o_2!…o_m!) Σ_{σ∈Sym(m)}
sgn(σ)a_1(×)a_2(×)…(×)a_m
が外積の定義と考えておりました。
> 山本さんの「行列解析の基礎」における Grassmann 積は
> 上の意味において交代的です.
なるほど。Grassman積は
(a_1∧a_2∧…∧a_m=)Grs(a_1,a_2,…,a_m)=sgn(σ)a_σ(1)(×)a_σ(2)(×)…(×)a_σ(m)
という性質になってるのですね。
>> つまり,{b_1,b_2,…,b_n}がVの正規直交基底である時.
>> g(BX):V→V^*を(g(BX))(b_j):=<X,b_j>∈F, j=1,2,…,n とする訳ですね。
> 記述に混乱が見られます.
> 内積があれば, V と V^* との同型 g: V \to V^* が,
> (g(v))(w) = (v, w) で与えられる,
> という記述と上の記述の混乱とが区別できますか.
ああ,そういう事でしたか。
g(BX):V→V^*を(g(BX))(BY):=<BX,BY>∈F (Y∈F^n) と書けばよかったのですね。
>> この写像g(BX)が全射になる事は∀y∈Fに対して,y=0の時は,(V∋)v=0と採ればいいですね。
> これも意味不明.
:
>> このg(BX)はVからV^*へのベクトル同型となるのですね。
> 意味不明です.
納得です。
>> Gai(u_1,u_2,…,u_p):=(×)_{j=1..p}u_j (p≦n:=dimV)は
> わざわざ別の記号を用意しなくても,
> u_1 \wedge u_2 \wedge \cdots \wedge u_p
> で良いと思いますが, それは
> u_1 \otimes u_2 \otimes \cdots \otimes u_p
> とは違います.
一般的に
u_1∧u_2∧…∧u_p
(=sgn(σ)u_σ(1)(×)u_σ(2)(×)…(×)u_σ(m))
≠u_σ(1)(×)u_σ(2)(×)…(×)u_σ(m)
という風に等しくならないのですね。
>> もし,V:=F^nなら,
>> Gai(,,…,) : (F^n)^p → F^{n^p} というテンソル積になるのですね。
> (F^n)^p \ni (u_1, u_2, \dots, u_p)
> \mapsto u_1 \wedge u_2 \wedge \cdots \wedge u_p
> \in Λ^p (F^n) \cong F^{ n \choose p }
> ですが, Λ^p (F^n) \subset (F^n)^{\otimes p} \cong F^{n^p}
> という意味ではそうです.
了解です。
>>>> ベクトル空間C^n内のn-1 個のベクトルv_1,v_2,…,v_{n-1}が作る
>>>> n-1次元立体Qに直交し,
>>> Q は複素 n-1 次元の部分空間内のものでしょうが, それは何?
>> Vct(v_1,v_2,…,v_{n-1})が
>> 右手系に並んでいるn-1個のベクトルv_1,v_2,…,v_{n-1}に直交していて,
> 貴方の右手には任意の自然数 n に対応するだけの指が有るのでしょうか.
い,いえ。。
>> ‖Vct(v_1,v_2,…,v_{n-1})‖= (v_1,v_2,…,v_{n-1}が張る図形Qの超面積)
>> になっているという事です。
> 一番簡単な n = 2 の場合を考えましょう.
> n-1 = 2 - 1 = 1 個のベクトル u \in C^2 が張る図形 Q とは何でしょうか.
> { t u | t \in R, 0 \leq t \leq 1 } という実1次元の図形であれば,
> u を含む複素 1 次元の C^2 の部分ベクトル空間 <u> \cong C^1 での
> ルベーグ測度で測った値は 0 です.
> { t u | t \in C, |t| \leq 1 } でしょうか.
> その場合, 貴方の期待しているものになりますか.
n≧3の場合でベクトル積は定義されてると思います。
>> C^3の場合では,Vct(a,b)とは2つのベクトルa,bに直交しているC^3内のベクトルで,
>> ‖Vct(a,b)‖=(a,bの張る平行四辺形の面積)
>> という関係が成り立ちますよね。
> というわけで, a, b の張る平行四辺形の面積というのは意味不明です.
3つのベクトルa,b,cでできる平行六面体の体積Vは
V=|‖Vct(a,b)‖‖c‖cos(π/2-θ)|と書け,‖Vct(a,b)‖はaとbとでできる平行四辺形の面積になります。
>>> それに直交するベクトルは複素1次元の部分空間内にありますが,
>> え? それは複素n次元空間内にあるのでは。。?
> u_1, u_2, \dots, u_{n-1} という一次独立なベクトルによって
> 張られる複素 n-1 次元の C^n の部分ベクトル空間 V に対して,
> それに直交するベクトルの全体 V^\perp は複素 1 次元の C^n の部分ベクトル空間
>
> になります. (直交が, 内積によるものでも, エルミート内積によるものでも.)
あっ,そういう意味でしたか。失礼致しました。
>> a,b∈C^3の場合はVct(a,b)というベクトルはC^3の中にありますよね?
>> n=3の時はa,b∈C^3が右手系に並んでいる場合,Vct(a,b)=
>> |a_2,a_3|
>> |b_2,b_3|
>>
>> -|a_1,a_3|
>> |b_1,b_3|
>>
>> |a_1,a_2|
>> |b_1,b_2|
>>
>> という風に3つの行列式を成分に持つ3次ベクトルとなりますよね。
> それは貴方の挙げた条件からは定まりません.
> R^3 のときでも,
> R^3 の一次独立な 2 つのベクトル u_1, u_2 に直交し,
> 長さが u_1, u_2 で張られる平行四辺形
> { t_1 u_1 + t_2 u_2 | 0 \leq t_1 \leq 1, 0 \leq t_2 \leq 1 }
> の面積に等しいベクトルは 2 つありました.
> u_1 \times u_2 は (u_1 \times u_2, w) = \det(u_1, u_2, w)
> が任意のベクトル w \in R^3 に対して成立する方を取ることによって定められました.
> 右手系というのは, 空間に座標軸を設定するときは,
> u_1, u_2, u_1 \times u_2 が右手の親指, 人差し指, 中指と
> 同じ形になるようにするという約束事のことです.
ええと,ではn次元の場合に就いても
<v,w>=det(u_1,u_2,…,u_{n-1},w) for∀w∈C^nで定まるv∈C^nをVct(u_1,u_2,…,u_{n-1})と定義してはいかがでしょうか?
>> これに習うと,n=4の時は,a,b,c∈C^4が右手系の場合,
>> Vct(a,b,c)=
>> -|a_2,a_3,a_4|
>> |b_2,b_3,b_4|
>> |c_2,c_3,c_4|
>>
>> |a_1,a_3,a_4|
>> |b_1,b_3,b_4|
>> |c_1,c_3,c_4|
>>
>> -|a_1,a_2,a_4|
>> |b_1,b_2,b_4|
>> |c_1,c_2,c_4|
>>
>> |a_1,a_2,a_3|
>> |b_1,b_2,b_3|
>> |c_1,c_2,c_3|
>>
>> という4つの行列式を成分に持つ4次ベクトルかなと予想しました。
> 正しい定義のヒントは既に与えました.
上述のとおり,<v,w>=det(u_1,u_2,u_3,w)で定まるv∈C^4でVct(a,b,c)を定義すればいいのですね。
>> 因みにn=7の時は,
>> http://hooktail.sub.jp/vectoranalysis/SevenDCrossProd/
>> のようになるのですよね。
>> これはn=7,p=6の時のGrassman積に交代的な符号を付記したものと一致しますよね。
>>
> そこで述べられているのは, 2 つのベクトルの「外積(ベクトル積)」を
> R^7 = Im O (Octonion 八元数の虚部) に対しては考えることがある,
> ということで, p = 6 の話ではありません.
> 一致もしません.
そ,そうでしたか。。ここでの外積とはGrassman積ともベクトル積とも全く別の概念でしたか。
ええと,僭越ながら纏めさせて頂きますと,
ベクトル積Vct(u_1,u_2,…,u_{n-1)は,既述で定まるv∈C^nの事で,
v=J_n Grs(v_1,v_2,…,v_{n-1}) ∈∧^{n-1}C^n
が成り立つのですね。
※J_nはJ_n:=
0,0,0,…0,0,(-1)^0
0,0,0,…,0,(-1)^1,0
:
0,(-1)^{n-2},0,…,0,0,0
(-1)^{n-1},0,0,…,0,0,0
という風な単位行列の向きを反転した行列で符号が交互に入れ替わる行列。
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