iizuka wrote:
>  想像と現実との差を無視、(てつたろさん風には重要視しない)
> ことができるなんて、普通の人の理解の範疇を超えますしね。

  まぁ根底部分は概ねそんな感じですが、いきなりそこまで
話を膨らませたくはないです…。


  私が言いたいのはもっと簡単なことでして。
  例えば「よかれ」と思ってしたことが、相手を怒らせてし
まうなんてことは日常茶飯事ですが、ゲームでも、プレイ
ヤーは「良かれ」と思って選択した項目でも、もしかした
ら、その選択肢をもって相手のキャラが怒るシナリオが展開
するかもしれない。
  空想ならば「良かれ」と思ったことは、相手に必ず良い
ように通じますし、もしそれをもって相手が怒ったとして
も、それは自分自身がそうなるように思い描いたからであっ
て、そうした自分の空想に対して「良かれと思ったのに、
なんで怒ったの?」という当惑や驚きの感情は起こり得ま
せん。

  一番端的な具体例は攻略対象が複数いる恋愛SLG。例えば
「ToHeart」。アニメ版のあの演出では、如何に葵ちゃんや
芹香先輩とくっつきたくても、あかりエンド以外は考えられ
ないし、琴音にいたっては雅史とくっついちゃいます。
  他方、ゲームになれば、アニメではあかりの陰に隠れた
志保や、雅史に寝取られた(?)琴音ちゃんとも恋人になれま
す。そこには「志保が好き〜」とか、あるいは「琴音のCGを
回収したい」という、まぎれもないプレイヤーの意志が反映
されています。
  でも、たとえ志保ルートに乗ったとしても、志保とハッピー
エンドを迎えられるかどうかはわかりません。ここには作者
の意志が関与しています。

  読者が関与できない小説や、作者が関与できない空想とは
この点が全く異なります。むしろ、望む望まないに関わらず
常に他者と関与し合うことを要求される現実社会の特徴に
近い。私が述べたいのは、高々その程度のことです。
#  既述。 <c9vog4$2m9$1@newsl.dti.ne.jp> 参照。


余談:
  無論、全ての分岐を潰し、音楽室の扉を開けば、ゲームは
多重化された小説でしかないという見方もできますが、辿っ
てきた過去に関与できないのは現実でも同じことですしね。

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MARUYAMA Masayuki@DTI