中川@つくば です

yam wrote:
> 
> "Nakagawa" <naka111@silk.plala.or.jp> wrote in message
> news:3F37ACD8.DFE62AC0@silk.plala.or.jp...

> > 「一般相対性論が知られていなければGPSは実用化できなかった」
> >
> > と主張すれば、ほぼ100%間違っています。
> > 実際には、一般相対論が知られていなくても、
> > GPS実用化には全くと言ってよいほどの障害にしかなりません。
> 
>  というか、極論すれば「なんだかかわらんが
>  ズレるけど、その分を補整すれば充分使える」
>  でも、実質上なんら問題ないわけです。
>  実際、実用化時点では経験則に頼っていて
>  後から、補整係数の意味が判明したような
>  ものって、結構あるわけです。

ですね。だから、
アインシュタインが一般相対性理論を発見していなくても
GPSが実用化されれば、一般相対論は無理かも知れないが
等価原理はやすやすと見つかった、
とは、言い切れます。

この例は、基礎科学の発展がなければ、応用研究の発展に
障害がおきる、という趣旨の例としては不適と言えるでしょう。

えてして基礎科学分野の人は、
基礎科学の重要性を主張する時に、実に不用意な例を持ち出します。
それは応用分野の研究者の目から見れば、
単に応用研究に対する無知を告白しているようにしか見えません。

> > 基礎科学が重要であり、
> > 基礎科学と技術は密接に絡んでいるからと言って、
> > 技術の発展に基礎科学が必須なわけとは限らない、
> > そういう複雑な関係なのだと思います。
> 
>  上述したように、基礎科学に裏打ちされて信頼性が
>  上がるという側面もあるとは思うんですよね。
>  ただ、それも程度問題でしかないと思うわけです。

それは違うと思います。
基礎科学に裏打ちされることによって、
幼稚だった製品が、とんでもなく進歩することは良くあります。
工業技術上の問題点を基礎に立ちかえって解決することは重要なのです。
そういう基礎研究を他の基礎研究から見分けるのは簡単で、
「(成功率は低いかもしれないけれど)役に立つ、それも
どう役に立つかがはっきりしている基礎研究」です。

役に立たないとか、役に立つかどうか分からない、
というのが、基礎研究の共通の性質であるわけではありません。

> 
> > それなのに、あまりにもナイーブな基礎科学重要論が
> > 宣伝されすぎている気もします。
> 
>  たしかに、即金に結びつかない基礎科学の振興の
>  ために税金を投入すべきって意見は否定はしません
>  が、KONOくんのように現場が一番知っているんだから
>  好き勝手に金を使わせろとか、元記事の人みたいに
>  素人目に見ても実際に使われている現行の原子力
>  研究は誤りで何の益も生まないから自分が信じる異端
>  の研究に金を回せみたいな事を、研究者自身が叫ぶ
>  のを見ると、中世の錬金術師(詐欺師)みたいにしか
>  映らないわけです。

いや、予算は、計画で約束したように使うのなら、
具体的にはどう使おうと構わないでしょう。
応用を謳った研究計画なら応用研究をすべきだし、
基礎を謳った研究計画なら基礎研究をすべきです。
応用を謳った研究計画なのに、基礎的な面白いテーマが見つかったので
そちらにシフトしました、ほら、こんなに成果が出ました、
と報告したって、今では、だれも誉めてはくれません。
(誉めない程度であって、厳しく糾弾しないのが、なんとも生ぬるいのですが)