"yam" <h_yam@h8.dion.ne.jp> wrote in message news:r0OYa.382$U8.310@news1.dion.ne.jp...
> 
> "Yasushi Shinjo" <yas@is.tsukuba.ac.jp> wrote in message
> news:YAS.03Aug7002857@kirk.is.tsukuba.ac.jp...
> > 小柴先生は偉大な方であるのは間違いないのですが、それで物理が
> > 強くなりすぎて、日本全体としては損をしているんじゃないかとい
> > う気は時々します。物理方面の人材と予算を、情報系に振り向けて
> > いたら、どうなっていたかとかね。
> 
>  小柴氏や田中氏のノーベル賞は、日本の科学の方向性を
>  誤らせる危険がありますね。
>  どっちも、実益に結びつかない、トレビアの泉みたいなもの
>  ですね。

田中さんのは実用上十分意義のある仕事であると評価されてますね。
小柴さんのは確かに実用上どうかと言われれば直接的な実用性はないでしょう。

ただ、自然法則を理解する上で重要な仕事なわけでこれがなかったら
ニュートリノの質量が0でないという重要な発見にもつながらなかったし
太陽ニュートリノ問題の解明も不可能だったでしょう。

さらに、星や宇宙のあり方についての多くの知見が得られたわけですから
大変意義深いものであることは疑いようがありません。

で、よくある議論に「直接実用に役に立たないものには金を出すべきでない」
という、およそ科学とは何ぞやということが全くわかっていないバカの主張
をたまに耳にしますが、彼らはこういう基礎研究の上に様々な応用がありうる
ことを理解していないだけなんだと思ってます。

自然法則が実際どうなっているのかがわからなければ、間違った旧理論を
使って間違った結果しか予言できず自然への理解は全く深まりません。

有名なE=mc^2だって出たときは荒唐無稽な話でだれが原子力発電に
応用できると思ったでしょうか?

また、様々な発想の基本には自然の理解を深めた段階で得られた数学やら
物理学の知見が大いに役立つことも多々あります。金融工学に使われている
Feynman-Kacの公式などは素粒子論や物性理論に出てくる知見であって
それが金融にも応用できるなんて誰が予測できたでしょうか?

つまり、科学における基礎研究は応用分野への肥やしであり、近視眼的にものを
考えていてはできないのです。

>  ああゆうものに金を使うのは、ドブに金を捨てるようなものです。
>  ニュートリノが観測されたからといって、何か得られるのですか?

ニュートリノ天文学が確立されています。可視光線やX線などで見える宇宙以外
にニュートリノ見える宇宙もまた違った様相があります。そういう意味で大きな
意義はあります。ニュートリノ天文学を創始したってことなんですからすごい
ことじゃないですか。

# 君のようにせこせこ生きてる人間には通じないだろうが・・・

そういうものを否定すればそもそも天文学はいらないとなってしまいますね。
まぁ、こういった学問というのは文明の成熟度とともにあるんでしょう。

文明の果実のようなものです。