佐々木将人@函館 です。

お手数おかけします>長島さん

>From:Yasuyuki Nagashima <yasu-n@horae.dti.ne.jp>
>Date:2005/06/05 22:06:32 JST
>Message-ID:<d7ut0u$ehm$1@caraway.media.kyoto-u.ac.jp>
>
>佐々木さんがそういう態度を取った最大の理由は
>「『表現の自由』が何を指すのか、まずはっきりさせよう」
>という指摘に対して
>「それは順序が逆だ」
>という対応をしたからでしょう。

全くそのとおりです。

>いずれにしても、このままじゃ
>「中身よりラベル、メッセージよりパッケージ」って考えなのか?
>と思われても仕方ないです。

てえか社会科学じゃおおむね「まず定義」でしょ。
社会科学の全部をやった訳じゃないから全部とは私は言いきれないし
全てについて定義が可能な訳でもないけど
細かい議論をして紛糾したら「まず定義」というのは
基本中の基本だし
そこに(もしくはその方法論に)同意がとれなきゃ議論は不可能です。

>ただ、たぶん、阿部さんもそうは考えていないんじゃないかと思います。
>(本当にそう考えているのであれば私も
>「議論は無理」と判断せざるを得ない)

いや。阿部さんはそう考えているんだと思うよ。
「中身よりラベル」とか言うと
もしかしたら悪いイメージになっちゃうと思うけど
「表現の自由の中身は市民が自覚的・自律的に決定していくものだ」
という表現に近いんだと思う。
……だから「何を指すのかはっきりさせるのは順序が逆」なの。

でもこれで行くなら議論はやはり無理な訳。
なぜかというとこれは定義じゃなく
行動目標もしくはスローガンの類のものだから。
そして憲法における「表現の自由」にとりこまれることが将来あるにしても
その際には「評価基準」としての機能を果たすように変容されるはずなんで
相変わらず「表現の自由」という文字列は同じでも
中身は全然違うんです。
……立木さんの表現じゃないけど
 「そんなもん、知らん」で終わり。
  最高裁判決風に言うと
 「独自の見解によって論難するもので採用できない」です。
※こういう言い方も可能
 私などは「法学における現状はこうだ」ということを記述し、
 さらに、法学における現状でもないのに
 あたかも法学における現状であるかのように
 そうでないものを語ることを批判している訳なんだけど
 阿部さんは「(法学に限定せず現状にかかわらず)こうあるべきだ」
 というのを語っているんで議論にならない。
 でもそれは結局言葉を曖昧に使っている訳で
 議論になる訳がないことを理解してもらいたい……。

で、余談ですけど
ただでさえこういうデメリットがあるのに
さらに別のデメリットが複数指摘され
(繰り返しになるのでもう指摘はしません。
 何がデメリットかわからないというなら
 やはり他人の指摘が読めてないのです。)
メリットがほとんど言われないのに
「ええじゃないか、ええじゃないか」と言われても……。

>たとえば「表現の自由」「言論の自由」を全く使わずに
>自分の主張を組み立ててみる、とか…
>(1度使うごとに1打罰とかね(笑))

それができるならこんなにスレッドは延びません。
だって2年半前だって今回だって私は
「表現の自由なんて使わないで自分の言葉で具体的に記述すればいいでしょう」
と言っているけど
それに対し
「表現の自由を使ったって、ええじゃないか、ええじゃないか」
ですから……。
そしてそれができるなら
それは私が最初から推奨していたことなんでスレッドは収束です。

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