工繊大の塚本です.

In article <cc70e0b4-89b8-4c65-a0d5-e72c5687aef2@x1g2000yqb.googlegroups.com>
KyokoYoshida <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/Weierstrass_majorant_test_0.jpg
> に訂正いたしました。これでいいのですね。

はい. しかし, 普通は |M_n| を M_n と書いて,
 M_n \geq 0 を仮定するのです.

> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/prop194_04.jpg
> はよく観ると1/n^{s_0}は定数関数になっていない(∵s_0は定数だがnは変数)ので
> Σ_{n=1}^∞|1/n^{s_0}|はmajorant series(Σ_{n=1}^∞|M_n|)になっていませんね。

本気ですか. 数列の各項 M_n が n によって変わるのは当然.
それが定数 1/n^{s_0} なのだから, それが |M_n|
(と書くより M_n とするものだと思いますが)
として使えるのは当たり前.
 
> なのでΣ_{n=1}^∞ 1/n^sは一様絶対収束とは言えませんね。

 Re(s) \geq s_0 においては絶対収束だし, 一様収束です.

> でもζ(s)はRe(s)>1では正則でs=1ではζ(s)=∞という事は分かりますが

貴方には分かっていないものと思っていました.

> 円盤Dでζ(s)が正則かどうかは簡単には分かりませんよね。
> それでs=1で孤立特異点を持つ事はどうして分かるのでしょうか

これは zeta function が, \sum_{n=1}^\infty 1/n^s で定義された
 Re(s) > 1 における正則関数を, 全複素平面に有理形関数として
解析接続して定義できて, s = 1 のみを極として持つことを,
積分表示から示すことによって分かるわけです.
それは別の thread で議論しました.

> あとζ(s)がRe(s)>1で有界だとどうしてζ(s)がs=1で1位の極であることと
> 矛盾すると分かるのでしょうか?

 s = 1 が \zeta(s) の極であるなら,
 \lim_{s \to 1} |\zeta(s)| = + \infty
ですから, Re(s) > 1 で有界であれば矛盾を生じます.
 
> そうでした。今,sを考えている範囲1<Re(s)なので
> lim_{R∋s→1+0}ζ(s)を考えてなければなりませんでしたね。
> この場合もlim_{R∋s→1+0}ζ(s)は発散するので
> s→1においてζ(s)が収束するとは言えませんね。

確かに, \lim_{x \to 1+0} \zeta(x + 0i) = + \infty なの
ですが, 貴方はそれを示すことが出来ますか.
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塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp