工繊大の塚本です.

In article <f363ac4c-5a91-4ffc-bac0-04347eb63dd9@g35g2000yqa.googlegroups.com>
KyokoYoshida <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> In article <100716175449.M0122474@ras2.kit.ac.jp>
> Tsukamoto Chiaki <chiaki@kit.ac.jp> writes:
> > 集合論の立場では A × B の部分集合 C であって,
> >  (a, b) ∈ C, (a, b') ∈ C ならば b = b'
> > を満たすものが (graph f = C となる)
> > 写像 f: pr_A(C) → pr_B(C) を定めることになります.
> 
> 射影も写像の一種ですから,射影を使って写像を定義する事はできませんよね。

分かり易いように写像の記法で書きましたが,
上で pr_A(C) としたものは { a ∈ A | ∃ b ∈ B s.t. (a, b) ∈ C },
上で pr_B(C) としたものは { b ∈ B | ∃ a ∈ A s.t. (a, b) ∈ C }
と定義すれば宜しい.

さて問題.

  問 1: 射影 pr_A: A × B → A, 射影 pr_B: A × B → B は
        それぞれどう定義しますか.

  問 2: 写像 f: A → B と A の部分集合 C に対して
        像 f(C) はどう定義しますか.

> > 集合論では graph の方が主たる対象となるわけですが,
> > 写像と写像の graph とは違うものだと考える方が
> > 普通でしょう.
> 
> でもそうしますと,写像の定義は聞かれると答えれなくなってしまうのでは。。

 naive な理解で良いと思いますよ.

> > ともあれ, A × B の部分集合 C が写像を定めるには
> > どんな条件が必要ですか, という質問に対する答えが
> > 直ちに返ってこないようでは, 集合論的に写像を
> > 扱うことは覚束ないでしょう.
> 
> 実は集合論ではgraphは写像の定義そのものではないのでしょうか??

そう考えるのは, 十分に数学的基礎力が身に付いた後で良いでしょう.
 
> fが集合Xから集合Yへの写像 ⇔
> (i) もしX≠φならY≠φ
> (ii) ∀(x,y),(x,y')∈X×Yに対してy=y'
> 
> が写像の定義だと思います。

全く, 相変わらず, graph f と X × Y との区別が付いていませんね.
御自分で上の定義の誤りを先ず訂正して御覧なさい.

> そしてgraphとは写像そのものの事(graphの定義は写像の定義と同じ)だと思います。

集合 X と集合 Y の直積集合 X × Y の部分集合 C が
 X の部分集合 X' から Y の部分集合 Y' への
写像の graph であるとは,
 (x, y) ∈ C, (x, y') ∈ C であれば y = y'
が成立することとし, X' = { x ∈ X | ∃ y ∈ Y, (x, y) ∈ C }
 Y' = { y ∈ Y | ∃ x ∈ X, (x, y) ∈ C } とします.
このとき, x ∈ X' に対しては,
 (x, y) ∈ C となる y ∈ Y' が唯一つ定まりますから,
 y = f(x) と書くことにします.
この x ∈ X' に対して y = f(x) ∈ Y' を対応させる対応のことを
写像 f: X' → Y' とするわけです.
逆に, x ∈ X' に対して Y の(唯一つの)元 f(x) を
対応させる対応があれば,
 C = { (x, f(x)) | x ∈ X' } という X × Y の部分集合が
決まりますが, これを graph f とすれば,
先程の写像の graph の条件を満たします.
 
> 勘違いしてますでしょうか?

「対応」というのが naive な概念で使いたくない, というのは
結構ですが, それには十分な数学的習熟が必要であろう,
ということです.
-- 
塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp