工繊大の塚本です.

In article <k5ut0e$ksk$1@dont-email.me>
"Kyoko Yoshida" <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> In article <121014024051.M0112510@ras2.kit.ac.jp>
> Tsukamoto Chiaki <chiaki@kit.ac.jp> writes:
> > 複素多様体を定義するときには,
> > 複素構造が問題となるので,
> > C^n を R^{2n} と同一視したのでは
> > その部分が失われます.
> 
> すいません。"その部分"とは何の事なのでしょうか?

「複素構造」です.
複素数体 C 上の数ベクトル空間 C^n では
複素数のスカラー倍がありますが,
実数体 R 上の 数ベクトル空間 R^{2n} では
実数のスカラー倍しかありません.
 
> 複素多様体ならC^nバージョンで,
> 位相多様体,C^α級可微分多様体ではR^nバージョンなのですね。

はい.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/def_of_chart__02.jpg
> と訂正致しました。これなら如何でしょうか?

位相空間 X の開集合 U と R^n の開集合 V と
位相同型写像 f: U \to V があるとき,
組 (U, V, f: U \to V) のことを chart という,
ということが押さえられていれば良いですが,
普通 f は U 上の chart というものでしょう.

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/def_of_chart__02.jpg
> のchartの理解ならば[定義イ]は正しいのですね。

 [定義イ] というのは

? [定義イ]
? 「XをTを位相とする位相空間とし,
? Λを添数集合,Map(U_λ,V_λ)をU_λ∈TからT_{R^n}への写像の集合とし,
? {Map(U_λ,V_λ);λ∈Λ}をその族とする時,
? その族がX上の{U_λ;λ∈Λ}に於けるatlasであるとは,
? (i) 集合{U_λ;λ∈Λ}がXの開被覆である,
? (ii) 任意のλ∈Λに対して,U_λからV_λへのchart f_λが存在する,
? ことであると定義する」

でした. そういった「族」が altas になるのではなく,
 charts の集まりが altas になるので,
 [定義イ] では駄目です.

? http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/def_of_complex_manifold__01.jpg

についても同じことで,

> http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/def_of_chart__02.jpg
> のchartの理解ならばは正しいのですね。

 chart が正しく理解できているなら,
それに従って,
<http://www.geocities.jp/a_k_i_k_o928346/def_of_complex_manifold__01.jpg>
も書き換えなければ駄目です.

> > 「族 { Map(U_\lambda, C^n) ; \lambda \in \Lambda } に関して」
> > などという記述が駄目だといっているのです.
> 
> あっ分かりました。
>  「atlas { Map(U_\lambda, C^n) ; \lambda \in \Lambda } に関して」
> ならいいのですね。 

何度も言いますが, atlas は charts の集まりなので,
そんなものを atlas とは呼びません.
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塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp