工繊大の塚本です.

In article <dc83342f-7952-4835-a301-b004304b4ac4@p4g2000vba.googlegroups.com>
kyokoyoshida123 <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> I∈π(x)+π(y)(∵IはZ_mのイデアル)

 I ∋ π(x) + π(y) ですね.

> 「(命題3)Rを可換な単位的環とする。Rが体⇔{A;AはRの部分環}={{0},R}

この命題は誤りです. { A ; A は R のイデアル } = { {0}, R }
でないといけない. 証明でもイデアルであることを使って
いるでしょう. その正しい形が分かっているときに,

> 「(命題4)Rを可換な単位的環とする。
> R≠IをRのイデアルとする。
> R/Iが体⇔{J;I⊂J,JはRのイデアル}={R,I}

こちらを導くのには, R/I のイデアルと,
 R の I を含むイデアルとの間の対応を
理解していないといけません.

> (証)
> 必要性は命題3から{A;A≦R/I}={{0+I},R/I}…①と言える。
> よって{J;I⊂J,JはRのイデアル}={R,I}
> (∵もし,I<J<RなるRのイデアルJが存在したとすると{0+I}<{j+I;j∈J}<R/Iとなり,
> {A;A≦R/I}={{0+I},J+I,R/I}となり,①に反する)

 J が I を含む R のイデアルであれば, J/I が R/I のイデアルになり,
 J が I とも R とも異なれば, J/I は { 0 } とも R/I とも異なる,
わけですが, それが理解できているのであれば,

> 十分性はもし,{J;I⊂J,JはRのイデアル}={R,I}なら{A;AはRの部分環}={{0},R}となる
> (∵もし{0}<∃A<Rとすると,,,??)」
> 
> ここで先に進めません。

となるのはどうしてでしょうか. 但し, 示すべきは
 { A ; A は R/I のイデアル } = { {0}, R/I } です.

> A<Iなら{J;I⊂J,JはRのイデアル}={R},I<Aなら{J;I⊂J,JはRのイデアル}={R,A,I}
> となり矛盾となると予想するのですがどうすれば
> A<Iなら{J;I⊂J,JはRのイデアル}={R},I<Aなら
> {J;I⊂J,JはRのイデアル}={R,A,I}が言えるのでしょうか?

示すべきことに混乱がありますね.

 R/I に {0}, R/I 以外のイデアル A があれば,
準同型写像 π: R → R/I による A の逆像 π^{-1}(A) = J は
 I を含む R のイデアルで, I とも R とも異なるものになります.
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塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp