工繊大の塚本です.

In article <43811183-db53-4bbc-811c-aae2129b5157@s28g2000vbp.googlegroups.com>
kyokoyoshida123 <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> 今,π(k):=kmod(m)と定義されてるんですよね。Z_mは単項イデアル環ですから
> I=(xmd(m))=({y∈Z;m|y^-1x})と書ける。そのπによる引き戻しですから

 I の表示に「 y^{-1} 」がどうして出てくるのでしょうか.

> π^-1(I)=(x)でここからどうしてmZを含むと分かるのでしょうか?

一言で言えば, π は Ker π = mZ となる準同型なので,
「当たり前」.

 π(mZ) = 0 ∈ I ですから,
 π^{-1}(I) = { a ∈ Z | π(a) ∈ I }
は mZ を 含みます.

> Z_m/I 〜 Z/kZの環同型写像fは
> f(xmod(m)(π(k))):=xmod(k)と定義されているのですね。

何だか変な書き方ですがまあ良いでしょう.

> つまり,Z_m/I 〜 Z/kZが成り立つのはIが素イデアルの時なのですね。

違いますよ. Z_m/I 〜 Z/kZ はいつでも成立しています.
 I が Z_m の素イデアルということと, Z_m/I が整域である
ということは同値ですから, それは Z/kZ が整域であること
と同値です.

> Z/kZが体だからkは素数ですよね。
> Z/kZが体でZ_m/I 〜 Z/kZならばどうやってIが極大である事を得れますか?

こちらも, I が Z_m の極大イデアルということと, Z_m/I が
体であることが同値ですから, それは Z/kZ が体であることと
同値です.

> mが合成数の時,gcd(a,m)=1の時(a)=Z_mで非素イデアル&非極大イデアルですね。
> gcd(a,m)≠1でaは素数の時は(a)は素イデアル&極大イデアルになるのですね
> (∵Z_12で(2)の場合など)。
> gcd(a,m)≠1でaは合成数の時は(a)は非素イデアル&非極大イデアルになるのですね
> (∵Z_20で(9)の場合など)。

そうですが, gcd(20, 9) = 1 ですよ.
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塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp