工繊大の塚本です.

In article <d6185a3b-e542-444e-91f7-817c683fa1a9@r21g2000yqd.googlegroups.com>
KyokoYoshida <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> ところで
> \sum_{f_1=0}^{e_1} \sum_{f_2=0}^{e_2} \cdots \sum_{f_r=0}^{e_r}
>       \phi_s((p_1)^{f_1} (p_2)^{f_2} \cdots (p_r)^{f_r})
>   = \sum_{f_1=0}^{e_1} \sum_{f_2=0}^{e_2} \cdots \sum_{f_r=0}^{e_r}
>       ((p_1)^{f_1} (p_2)^{f_2} \cdots (p_r)^{f_r})^s
>       \times \prod_{f_i>0} (1 - (p_i)^{-s})
> と変形できるのは何故なのでしょうか?

それは \phi_s の定義を使っただけです.

 \phi_s(N) = N^s \prod_{p: prime, p|N} (1 - p^{-s})

ですから,

 \phi_s((p_1)^{f_1} (p_2)^{f_2} \cdots (p_r)^{f_r})
  = ((p_1)^{f_1} (p_2)^{f_2} \cdots (p_r)^{f_r})^s \times
    \prod_{p: prime, p|((p_1)^{f_1} (p_2)^{f_2} \cdots (p_r)^{f_r})}
      (1 - p^{-s})

ですが, p|((p_1)^{f_1} (p_2)^{f_2} \cdots (p_r)^{f_r}) となる
素数 p とは f_i > 0 となる p_i らに他なりません.
 
> {p;p is a prime number,p|p_1^{f_1}p_2^{f_2}…p_r^{f_r}}={p∈{p_1,p_2,
> …,p_r};f_i>0(iu=1,2,…,r)}
> が成り立つかとも思ったのですがなかなかこれも証明できません。

素因数分解の一意性から明らかでしょう.

> |Σ_{d=1}Σ_{f'=1}^∞Σ_{g'=1}^∞Φ_s(d)|が収束事はどうすれば示せますでしょうか?

示すべきは

 \sum_{d=1}^\infty \sum_{f'=1}^\infty \sum_{g'=1}^\infty
   |f'^{\alpha-s} g'^{\beta-s} d^{\alpha+\beta-2s} \phi_s(d)|
  = \sum_{d=1}^\infty \sum_{f'=1}^\infty \sum_{g'=1}^\infty
     f'^{Re(\alpha-s)} g'^{Re(\beta-s)} d^{Re(\alpha+\beta-2s)} |\phi_s(d)|
  = (\sum_{f'=1}^\infty f'^{Re(\alpha-s)}) \times
    (\sum_{g'=1}^\infty g'^{Re(\beta-s)}) \times
    (\sum_{d=1}^\infty d^{Re(\alpha+\beta-s)} \times
                       \prod_{p: prime, p|d} |1 - p^{-s}|)

の収束ですが, s についての条件から
 \sum_{f'=1}^\infty f'^{Re(\alpha-s)},
 \sum_{g'=1}^\infty g'^{Re(\beta-s)} は収束していますし,
 |1 - p^{-s}| \leq 1 + p^{-Re(s)} ですから,

 \sum_{d=1}^\infty d^{Re(\alpha+\beta-s)} \times
                   \prod_{p: prime, p|d} (1 + p^{-Re(s)})

が収束することを言えば良い. これは絶対値がない時と
同様の式変形で

 \prod_{p: prime} (1 + (1 + p^{-Re(s)}) \times
                       \sum_{j=1}^\infty p^{j Re(\alpha+\beta-s)})
  = \prod_{p: prime}
    (1 + (1 + p^{-Re(s)}) p^{Re(\alpha+\beta-s)}/(1 - p^{Re(\alpha+\beta-s)}))
  = \zeta(Re(s-\alpha-\beta)) \times
    \prod_{p: prime} (1 + p^{Re(\alpha+\beta-2s)})

となりますから, これが収束することを言えば良い.

 (1 - p^{Re(\alpha+\beta-2s)})(1 + p^{Re(\alpha+\beta-2s)})
  = 1 - p^{2 Re(\alpha+\beta-2s)}

であり, \prod_{p: prime} (1 - p^{Re(\alpha+\beta-2s)}) も
 \prod_{p: prime} (1 - p^{2 Re(\alpha+\beta-2s)}) も収束
しますから, \prod_{p: prime} (1 + p^{Re(\alpha+\beta-2s}) は
収束します.

> 無限個の素数p_1,p_2,…,p_r,…から選んで掛け合わせるので
> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/Lemma1_1_vi_08.jpg
> となっていって仰るような形から遠ざかって行くのですが
> 何処で勘違いしてますでしょうか?

無限乗積は有限乗積の極限で考えますから,
有限乗積の展開で出てこない形の項は最終的にも出て来ません.
素数を 2 = p_1, 3 = p_2, 5 = p_3, \dots, と並べておいて,

 \prod_{p: prime}
   (1 + (1 - p^{-s}) \sum_{j=1}^\infty p^{j (\alpha+\beta-s)})
 = \lim_{r \to \infty}
     \prod_{i=1}^r
       (1 + (1 - (p_i)^{-s}) \sum_{j=1}^\infty (p_i)^{j (\alpha+\beta-s)})

です. ですから, 無限個の素数についての掛け合わせが
出て来ることはありません.
有限個の素数についての掛け合わせの項だけです.
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塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp