工繊大の塚本です.

In article <4660d7d2-4ff1-41d4-8376-b7430d47bd8a@n33g2000vba.googlegroups.com>
kyokoyoshida123 <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> Gは有限位数のアーベル群と言ってあるのだから,Gは有限生成のアーベル群。
> よって,G=F_1(+)F_2(+)…(+)F_r(+) (但し,F_1,F_2,…,F_rは有限巡回群)と
> 一意的に表せ,

 #F_1 | #F_2 | … | #F_r という条件の下で一意的です.

> #F_t=p_1^{n_{t,1}}p_2^{n_{t,2}}…p_N^{n_{t,N}}とすると
> p_k^{n_{1,k}}|p_k^{n_{2,k}}|…|p_k^{n_{r,k}} (但し,1≦k≦N)
> となっている。
> #F_k=p_1^{n_{k,1}}p_2^{n_{k,2}}…p_N^{n_{k,N}}}(但し,1≦k≦r)において
> もし,2∈{p_1,p_2,…,p_N}となる最小のkが在った
> (つまり,F_1,F_2,…,F_kで2を素因数として持つものがあった)とすると

いや, 最小の k があれば, #F_1, #F_2, ... , #F_{k-1} までは
 2 を素因数として持たないわけです. ( k = 1 なら #F_s は全て
持つわけですが.)

> G_2={(0,0,…,0),(0,0,…,0,1,0,…,0),(0,0,…,0,0,1,0,…,0),…,
>      (0,0,…,0,1,1,…,1)}と書けるので

それをきちんと言わないといけません.

> G_2は2(r-k+1)+1個の元を持ち,

それは数え間違いです. 2^{r-k+1} 個でしょう.

> この時,G_2〜(Z_2)^kとなる。よってr=k.

その形なら, G_2 〜 (Z_2)^{r-k+1} でしょう.

> もし,,2∈{p_1,p_2,…,p_N}となる最小のkが無い場合
> (#F_1,#F_2,…,#F_rは全て奇素数因子のみ)は
> G_2={(0,0,…,0)}なので{0}=(Z_2)^0。 よってr=0.
> 
> という説明的な証明法しかできません。すいません。
> 
> In article <090403174239.M0215339@cs1.kit.ac.jp>
> Tsukamoto Chiaki <chiaki@kit.ac.jp> writes:
> > # 「座標」を取って議論するのが分かり易いでしょう.
> 
> どのようにするのでしょうか?

  G = Z_{N_1} (+) Z_{N_2} (+) … (+) Z_{N_t},
  N_1 | N_2 | … | N_t

として, N_1, N_2, ... , N_s は 2 で割れず,
 N_{s+1}, N_{s+2}, ... , N_t は 2 で割れる
ものとしましょう. g ∈ G は

  g = (g_1, g_2, ... , g_t)

と g_u ∈ Z_{N_u} を用いて表されるわけです.
このとき, g ∈ G_2 とは

  g + g = (g_1 + g_1, g_2 + g_2, ... , g_t + g_t)
        = (        0,         0, ....,         0)

となることですから, 各 u について g_u + g_u = 0 ですが,
 1 ≦ u ≦ s なら, そのような g_u は 0 しかなく,
 s+1 ≦ u ≦ t なら, g_u は 0 か N_u/2 です. つまり,

  G_2 = {0} (+) … (+) {0} (+) {0, N_{s+1}/2} (+) … (+) {0, N_t/2}
      〜 Z_2 (+) … (+) Z_2  (t - s = r 個の直和)

となるわけです.
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塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp