阿部@佐倉です。

In article <20050510224804cal@nn.iij4u.or.jp>,
 cal@nn.iij4u.or.jp (SASAKI Masato) wrote:

> >ないでしょうか。でも、法律学における問いであれば、
> >そこを書くよりも「会期中に議員が議員としての資格に
> >おいてなした発言を刑事罰から免責する」ということが
> >きちんと書けているかどうかがポイントでは。
> 
> >Date:2005/05/08 23:18:45 JST
> >Message-ID:<20050508231845cal@nn.iij4u.or.jp>
> >
> >平成元年13問を全部引用してしまう。
> >(元の問題は穴埋め問題……以下は穴埋め後の文章な訳だ。)
> 
> であることから鑑みて全く趣旨が不明。

表現の自由の起源として佐々木さんが持ち出した
司法試験の問題+解答として持ち出した文章に
対し、その説明は法律学における説明であれば
十分かもしれないが、他の視点、たとえば近代社会の
成立をめぐる学問分野における表現の自由の起源への
問いに対する解答としては不十分ではないか、という
ことです。司法試験の穴埋め問題の穴埋め後の文章が
必ずしも表現の自由の起源を説明しつくしていない
のではないかという疑問です。

> >私のもとの文脈に則せば、その契約において他の出版社から
> >出版していいという意味を含めた表現の自由を導入するか
> >どうかですよね。それって公序良俗に反するのかどうか
> >分からないですが、公序良俗に反しないのであれば契約の
> >中でどのような原理を当事者が結ぼうが自由では。
> 
> 表現の自由が尊重されていませんよ。

私のいう表現の自由は、部分社会のルールとして必ず
採用すべきという法的義務はないですから、仕方ない
です。私としては、尊重してほしいです。

> 
> >そうですか? 言論の自由市場論に重きをおくかどうかとか、
> >そういった原理って私的な場でも自明なことなのですか?
> >
> >自分の気にくわない人間による表現は規制したいとか、
> >私的な場ではあってもおかしくないと思いますが。
> 
> 「自分の気にくわない人間による表現は規制」してもいいんですよ!
> 私的な場なら。全く許されることです。
> そういうルールが自明ではないのはそのとおりだが
> この場合の自明でないは
> 許されないなんてルールは存在しないという意味です。

許されないなんてルールは存在しないということが自明の
場ではそうかもしれません。だとしても、私のいう表現の
自由が許されるか許されないかということ自体に疑問が
もたれている場では、その表現の自由を尊重すべきだと
主張することは、無意味ではないですよね。

> もしある特定の私的な場においてそう言われるなら
> その特定の私的な場において
> 「自分の気にくわない人間による表現だからと言って規制しちゃだめ」
> ということをルール化しておかなきゃいけないのです。
> そして仮にルール化された暁には
> 「自分の気にくわない人間による表現だからと言って規制しちゃだめ」
> というルールが採用されたからだってことを
> 正確に理解しなければいけません。

自分の気にくわない人間による表現だからといって、
規制してはいけないというルールは、表現の自由の
概念に含まれているのではないですか? 
表現の自由が意味するものの一つが、自分の気に
くわない人間による表現だからといって、規制しては
いけないというルールなのではないのですか?

「自分の気にくわない人間による表現を、自分の気に
くわない人間による表現であることを理由に規制する
こと」を禁止する意味あいを持たない表現の自由とは、
近代社会において表現の自由と呼ぶのに値するのですか?

公権力による言論規制の禁止というのは、公権力が気に
くわない人間による表現の規制を禁止することが、
目的の一つではないのですか?

> でも
> 「それは表現の自由の問題ではない。
>  表現の自由という概念を使うべきではない。」
> という私の主張に明確に反対の記述をしました。
> 
> 例
> >From:ABE Keisuke <koabe@mars.sakura.ne.jp>
> >Date:2005/05/07 14:08:59 JST
> >Message-ID:<koabe-0CD113.14085907052005@news01.sakura.ne.jp>
> >
> >そしてそれをfj.soc.lawやfj.sci.law以外で「個人の尊重」とか
> >「表現の自由」とか呼ぶのは、許されないのか。私には疑問です

疑問を呈すると、「明確な反対の記述をし」たと受け
取られてしまうのですか。疑問を持っている場合は、
どのような記述をすればよいのでしょうか。

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阿部圭介(ABE Keisuke)
koabe@mars.sakura.ne.jp
関心 ・専門分野 :
 新聞学(ジャーナリズム、メディア、コミュニケーション)