工繊大の塚本です.

In article <0cf23ddf-84c7-4432-b68c-fecb4317eb53@v12g2000vby.googlegroups.com>
KyokoYoshida <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> [問3] Gを有限群とし,χをGからC^×への準同型とするとΣ_{a∈G}χ(a)=0ですね。
> これはどのようにして証明できるのでしょうか?

一瞬でも考えて見ましたか.

又, 正しく書き写すことも出来ませんか.
 \chi が, 全ての a \in G に対して \chi(a) = 1 となる
 trivial なものではないことが, 大事な条件です.

群において, 一つの元 g を(例えば)左からかけることによる写像
 L_g: G \to G, L_g(h) = gh  (h \in G) は1対1の上への写像です.
従って, 有限群 G とその(複素)1次元表現(つまりは指標) \chi に
ついて,

  \sum_{a \in G} \chi(a)
   = \sum_{a \in G} \chi(ga)
   = \sum_{a \in G} \chi(g) \chi(a)
   = \chi(g) \sum_{a \in G} \chi(a)

ですから (1 - \chi(g)) \sum_{a \in G} \chi(a) = 0 ですが,
 \chi(g) が 1 でなければ, \sum_{a \in G} \chi(a) = 0 が
導かれます.

> これが証明できれば定理3.4ではχの定義域は
> 法Nの乗法群Z_N^×:={amodN;a∈{0,1,…,N-1},GCD{a,N}=1}ですが
> χの値域はC^×とは記されてないですがどうして
> C^×分かるのでしょうか?

 (a, N) = 1 のとき, 複素数 \chi(a) は 0 ではありません.
 (a, N) = 1 となる a の合同類の全体が乗法群となることと,
 \chi(1) = 1 とから明らかです.

> そしてC^×の定義はC^×:={z∈C;GCD{z,N}=1}で宜しいでしょうか?

 C^\times というのは, 複素数全体 C から 0 を除いた乗法群の
ことですよ.

まあ, 問 3 が分からないというのは, この本を読む為の
準備が不十分であるということでしょう.

> でっではどうすればいいのでしょうか?

どうしようもありません.

> In article <110608180503.M0204127@ras1.kit.ac.jp>
> Tsukamoto Chiaki <chiaki@kit.ac.jp> writes:
> > もう一度, \zeta(s) とはどのように定義されたか,
> > Re(s) > 1 で定義された \sum_{n=1}^\infty 1/n^s の
> > 解析接続とはどういうものか, 復習されてから,
> > お考え下さい.

> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/analytic_continuation.jpg
> を使ってどのようにζ関数の定義を拡張すればいいのでしょうか?

 \zeta function では積分表示式を使いました.

> > 実は「数論1」の後の方に, L(s, \chi) がどのように
> > 定義されるかが書いてあります. 95 page の命題 3.15 です.

> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/def_00.jpg
> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/def_01.jpg
> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/def_02.jpg
> が有理形関数の定義ですよね
> (但し,IsoD:={z∈C;z is an isolated point of D})。

分かっていることを前提に話をしています.
 
> でもって
> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/def_03.jpg

 L(s, \chi) の定義がおかしい.
 \lim_{s \to 1} (s-1) \sum_{n=1}^\infty \chi(n)/n^s = 1
などと言うのは, 何を読んでいるのですか.

 \Gamma(s) = \int_0^\infty x^{s-1} \exp(-x) dx であるのは
 Re(s) > 0 において, です.

> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/def_04.jpg

 \Gamma(1) = 0! = 1 であることを御存知ありませんか.

結局, 解析接続が分かっていないのはともかく,
きちんと本を読んでいないのではありませんか.

> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/def_05.jpg
> がL(s,χ),Γ(s),ζ(s),ζ_{amodN}ζ(s,x){s∈C;Re(s)>1}からCへ
> 拡張した定義になるのでしょうか?

先ずは, 一行ごとに翻訳されてみては如何でしょうか.

> "解析接続される"とは
> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/analytic_continuation.jpg
> のような写像gが採れるという事ですよね。
> L(s,χ)の解析接続gとしてどのようなgが採れるのでしょうか?

ちゃんと本に書いてありますから, 一行ごとの翻訳が
完成したら, 分かるでしょう. まあ, Re(s) > 1 において,

  L(s, \chi)
   = \sum_{n=1}^\infty \chi(n)/n^s
   = \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a) \sum_{n=0}^\infty 1/(nN + a)^s

が分かれば解決するという話ではなさそうですね.
-- 
塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp