河野真治 @ 琉球大学情報工学です。

なんかゆっくり読んだ。神林らしいっていうか、いつものパターン
ですね。実際、火星から来た兵隊の話の「機械たちの時間」と、ほ
とんど同じ。異世界から来た兵隊が、現実をいじりながら勝手に戦
い、そこに巨大コンピュータが絡むってなわけ。まぁ、いいんだけ
どさ。アイデアの使い回しは。SFって、そういう文脈あるし。

テーマはタイトル通り帰還で、この帰還装置ってがしゃれてる。そ
こだけは買います。でも、ちょっと浅い感じ。もっと深く追求して
欲しかったかな。

島送りになっている僕としては帰るってのは何かってのは、確かに
ちょっと引っかかる。でも、大人になって親から離れたら、そもそ
も、帰る場所なんてないよ。その「帰る」ってのに意味を見出すの
は、やっぱり、母としての女性なんじゃないのかな。もちろん、男
として、それには付き合いますが、自分で子供を産むわけじゃない
ので、女性と感じ方が違うのは仕方がない。誰もいないアパートに
「帰る」なんてなんか変だしね。

逆に、どこでも自分の家だって気もする。自分がそこにいれば、そ
こは常に自分が帰る場所。どっちかって言うと還る場所か。それは、
土に還るっていう意味に近いかも知れない。最大に長生きしたって
たかが知れているこの世で、移動できる範囲も限られてる。それな
のに、「ある場所」に特別な意味を見出すのも変な気がする。


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Shinji KONO @ Information Engineering, University of the Ryukyus
河野真治 @ 琉球大学工学部情報工学科