In article <cj6d6f$lvo$1@news-est.ocn.ad.jp>, 
Sin'ya <ksinya@quartz.ocn.ne.jp> wrote:
:matsuda> これ、人民日報でしょう?こういう言葉尻で煙に巻くドイツ
:matsuda> 人の演説はオリジナルの文面をあたった方が良いと思う。
:  ドイツ語でなくてすみませんが、人民日報以外でも、「ナチス」と限定せず
:に、「ドイツ」が被害を与えたという発言は、以下で紹介されています。

何度か書いていると思いますが、大雑把に分類すると、

戦後からEU前まで(1945〜1995)『ドイツの名のもとのナチスの犯罪』
EU(ユーロの現実化)以降(1995〜)『ナチスの犯罪をドイツは反省する』

となります。軸足の基本は『ナチスの犯罪』なのですが、95年頃から、『ドイツ
の反省』が入ってきます。それは主にポーランドに対してであって、同様に攻撃し
た、ベルギー、オランダ、チェコ、ユーゴ、フランス、イギリス、ロシア(ソ連)
に対してではありません。フランスの無名戦士の墓で、『ドイツの侵略をドイツ
人が謝罪』したりはしません。これでは、EUの東方拡大でのドイツの外交的なみ
せかけであると判断する方が正しい。さらに、戦後の大部分の期間、上の分類で
の1945〜1995において、ドイツは『他人の反省』を行っているという判断
は正しい。その証拠に、アデナウアーは国軍を称揚(1950頃)していますし、
国防軍を復活し、すべて『ナチスの犯罪』で済ませています。

:  「ワルシャワ蜂起:
:  シュレーダー・ドイツ首相、60周年式典に初出席」
:>   シュレーダー首相は式典参列に先立ち、ベルカ首相と会談した後の記者会
:> 見で、「ドイツはポーランド人に筆舌に尽くしがたい苦難を与えた。私を招
:> いてくださったポーランド国民の寛容な心に感謝したい」と語った。

私の言っている論点は、文章表現の微妙なところに根ざしているので、これの
独文を調べた方が良いと思いますね。特に、私の言っているような微妙なさを
意識していない人たちは、知ってか知らずか『誰が犯罪の主体なのか』を混同
しがちです。

:  http://www.history.gr.jp/news/040803_03.html
:にある「赤旗」からの転載にも、上記「毎日新聞」とほぼ同様の文があります。

『シュレーダー首相は一日夜の記念コンサートでの演説で、数多くのワルシャワ
市民を殺した「ナチスの軍隊の犯罪」を非難、「ポーランドの誇りとドイツの恥
辱の場所で和解と平和を希望する」と表明。』

とある通り、『ドイツの軍隊の犯罪』とは述べておりません。

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松田@NY