工繊大の塚本です.

In article <b2d9e2ab-5095-4ce6-a35c-8264a3e3e138@s5g2000yqm.googlegroups.com>
KyokoYoshida <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> In article <110124215728.M0329336@ras2.kit.ac.jp>
> Tsukamoto Chiaki <chiaki@kit.ac.jp> writes:
> > ゼータ関数は, Re(z) > 1 では, 広義一様収束する級数
> > \sum_{n=1}^\infty 1/n^z で定義される関数に一致する関数です.
> 
> ん? どうもここらへんが、、
> 『ゼータ関数は, Re(z) > 1 では, 広義一様収束する級数
> \sum_{n=1}^\infty 1/n^z として定義される関数』と
> 『ゼータ関数は, Re(z) > 1 では, 広義一様収束する級数
> \sum_{n=1}^\infty 1/n^z で定義される関数に一致する関数』
> との意味の違いがよく分からないのですが。

同じですよ. ただ, 貴方が, Re(z) > 1 でしか意味を持たない
 \sum_{n=1}^\infty 1/n^z という表示と, 全複素平面上 C 上での
有理型関数 \zeta(z) とを混同し続けているので,
明確に区別できるような表現を色々と工夫しているだけです.

> それに『ゼータ関数はRe(z)>1なるzでΣ_{n=1}^∞1/n^zと定義される関数』
> と言ってはいけないのでしょうか?

「解析接続」のことがちゃんと分かっているなら, そういう
表現も許されるでしょうが, 貴方にそういう表現をすると
確実に混同し続けるでしょうから, しないわけです.

> あと,Re(z)>1 で必ずしも 広義一様収束しない級数
> \sum_{n=1}^\infty 1/n^zってあるのでしょうか?

 \sum_{n=1}^\infty 1/n^z というのはただ一つの級数を
表しているとは思いませんか.

> > 違います. Re(s) > 1 で広義一様収束する級数
> > \sum_{n=1}^\infty 1/n^s で定義される関数を,
> 
> 繰り返しですが
> Re(s)>1で広義一様収束しない級数Σ_{n=1}^∞1/n^sもあるのですね?

あるわけないでしょう.

> > 全複素数平面に, 有理型関数として, 解析接続した関数が,
> > ゼータ関数です.
> 
> すいません。ちょっと混乱しております。
> つまり,Re(s)>1で広義一様収束しない級数f(s):=Σ_{n=1}^∞1/n^sがあって,

だからそんなものはありませんよ.

> 全複素数平面で定義されたg(s):=Σ_{n=1}^∞1/n^sが{s∈C;Re(s)>1}で正則で
> (∵有理形関数の定義)

だから, \sum_{n=1}^\infty 1/n^s は Re(s) > 1 でしか
定義できませんよ.

> g=f|_{s∈C;Re(s)>1}となる(∵解析接続の定義)時,
> gをゼータ関数といいζ:=gと表すのですね?

逆ですよ. 全複素数平面上で定義された有理型関数 f で,
 f|_{ s \in C \mid Re(s) > 1} = \sum_{n=1}^\infty 1/n^s
となるものを \zeta(s) とするのです.

> どうしてζ関数は{s∈C;Re(s)>1}で微分可能だとわかるのでしょうか?

 Re(s) > 1 では \zeta(s) = \sum_{n=1}^\infty 1/n^s で,
右辺は Re(s) > 1 で正則であるからです.

> Re(z)>1で定義された正則関数はΣ_{n=1}^∞1/n^zは
> ただのDirichlet関数なのですね。

それを Dirichlet 関数と呼んだりはしません.

> ただ単に{s∈C;Re(s)>1}→CなるΣ_{n=1}^∞1/n^sという写像を
> ζ関数とばかり思い込んでおりました。

その誤解が解けたのなら結構です.

> すいません。また混乱。
> つまり,Re(s)>1で広義一様収束"する"級数f(s):=Σ_{n=1}^∞1/n^sがあって,
> 全複素数平面で定義されたg(s):=Σ_{n=1}^∞1/n^sが

だから \sum_{n=1}^\infty 1/n^s が定義されるのは
 Re(s) > 1 のときだけです.

> {s∈C;Re(s)>1}で正則で(∵有理形関数の定義)
> g=f|_{s∈C;Re(s)>1}となる(∵解析接続の定義)時,
> gをゼータ関数といいζ:=gと表すのですね?

だから逆で, f が \zeta です.

 \zeta が s = 1 で極を持つことは,

> それは
> ζ(s)=1/((e^{2πis}-1)Γ(s))∫_c z^{s-1}/(e^z-1) dz
> =1/((e^{2πis}-1)∫_[0..∞] x^{s-1}e^-x dx)∫_c z^{s-1}/(e^z-1) dz
> の事でしょうか?
> すいません。どうやって1位の極が分かりますでしょうか?

積分路 c をどう取るかは分かっていますか.
その時, どのような s について \int_c z^{s-1}/(e^z - 1) dz が
正則であるか, 分かりますか.
 \Gamma(s) が s = 0, -1, -2, \dots でのみ 1 位の極を持ち,
零点を持たない, 全複素数平面上の有理型関数であることを知っていますか.
 1/((e^{2 \pi i s} - 1) \Gamma(s)) は s = 1, 2, 3, \dots でのみ
 1 位の極を持つ, 全複素数平面上の有理型関数であることが
分かりますか.
 s = 1, 2, 3, \dots での \int_c z^{s-1}/(e^z - 1) dz の値は
分かりますか.

これだけのことが分かれば分かるでしょう.

> 領域とは一般的には
> 『(X,T)を連結な位相空間とし,YをXの部分空間とする。{Y∩U;U∈T}∋Dが(開)領域
> ⇔(def) Dは連結』で定義される集合ですね。

今は複素数平面の連結な開集合です.
 
> 自分なりに解釈してみました
> 『C⊃Dを開領域とし,SをDの孤立点の集合とする時,
> Map(D,C∪{∞})∋fはD〓Sで正則でS∋∀xは極
> となる時,fをDでの有理形もしくはfはD上での有理形関数と呼ぶ』
> が正しい有理形関数の定義なのですね。

はい.

# 私の記述に他の解釈はないと思います.
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塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp