Re: ζ(s)=Σ_{k=1}^∞1/n^sの値域と汎方程式の定義について
工繊大の塚本です.
In article <e53de7cf-84d7-4ecb-a4bc-8176a25bc5f0@i17g2000vbq.googlegroups.com>
KyokoYoshida <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> In article <110113185613.M0202437@ras1.kit.ac.jp>
> Tsukamoto Chiaki <chiaki@kit.ac.jp> writes:
> > ゼータは零でない任意の複素数を
> > 無限個の異なる s (Re(s) > 1) において
> > その値として取る, のです.
>
> "無限回取る"(?)
> つまりゼータ関数は写像ではなく多価関数なのですね。
違います. 零でない複素数 w に対して,
Re(s_i) > 1 を満たす無限個の s_1, s_2, ... , s_n, ...
があって, w = \zeta(s_1) = \zeta(s_2) = \cdots = \zeta(s_n) = \cdots
となると言っているのです.
> f(x)+√g(x)=ch(x)^2でg(x)とh(x)は既知関数であればf(x)+√g(x)=ch(x)^2は
> 関数等式であり,
普通そういうのは関数等式とは言いません.
> f(x)は求めれようが求めれなかろうが関係無いのですね。
それはその通り.
> なるほど。f(x)=f(-x)は既知関数が無くともこのようなf(x)は幾通り求めれますね。
f(-x) というのは g(x) = - x という関数と f の合成です.
g という既知関数が入っています.
> でも一応f(x)+g(x)+h(x)=0と表記すればこれも関数等式になるのでしょうか?
関数等式という以上, 関数の等式でないといけません.
関数が「恒等的に 0 という定値関数」と等しいのは
変数 x の全ての値で 0 になるときです.
今は全ての x で 0 になるわけではありませんから,
関数等式ではありません.
> あっ!関数等式の各関数の定義域は
> 任意の実数もしくは任意の複素数でなければならないのですね。
定義域は共通していればなんでも良いでしょうが,
その定義域の何処でも等号が成立していなければ
ならないということです.
> 特別な定義域xでのみ成り立つものは関数等式とは呼べないのですね。
特別な変数の値についてのみ成り立つものは
関数等式とは呼べません.
> つまり,fを求めれようが求めれなかろうが
> fの定義域が任意の実数もしくは任意の複素数であればいいのですね。
f の定義域が問題なのではなくて,
その定義域の何処でも等号が成立することが
重要です.
> 漸化式の場合は任意の自然数が定義域なので関数等式とは呼べませんね。
自然数の上で定義された関数についての関数等式と
呼んでも構いません. まあ, 余りそういう言い方は
しませんが.
> すいません。つまり
> ψ(f_1(x),f_2(x),f_3(x),…,f_n(x))=0の定義域は任意の実数もしくは任意の複素数で
> f_i以外のn-1個の関数f_1,f_2,…,f_{i-1},f_{i+1},…,f_nらは既知関数、
> f_iは未知関数ならば
> f_iば求めれようが求めれない場合には
f_i が求められようがそうでなかろうが, ということであれば,
> ψ(f_1(x),f_2(x),f_3(x),…,f_n(x))=0は関数等式と呼ぶことができるのですね?
はい. でもそれは余り面白くない場合のようです.
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塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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