工繊大の塚本です.

 KyokoYoshida <kyokoyoshida123@gmail.com> 様より
 e-mail で次をいただきましたが, fj.sci.math への
投稿を間違えて e-mail されたものだと思います.
 fj.sci.math に送っておきます.

# 基本的に e-mail に直接お答えすることはありません.

-----<ここから>-----
すっかり遅くなりまして申し訳ありません。
ご回答大変有難うございます。

>> ZFC公理系では,集合とは何かは言っているのではなく どのようなもので
>> あれば都合がいいのかを述べているだけではないでしょうか?
> ZFC 公理系での集合論では, ZFC の公理全てが成立するような
> 数学的対象の集まりがあれば, それを構成するものそれぞれを
> 集合と呼ぶのです. つまり, ZFC 公理系での集合論での集合とは
> 何か, を述べている事になります.

数学的対象の集まりclassの定義は単に数学的に思考可能な"集まり"なのですね?
そのclassがZFC公理系を満たしている時にそのclassは集合であるというのですね。

>> 例えば,外延性の公理「2つの集合が等しいというのと, 夫々の集合に含まれる元が
>> 全て等しいというのは同じ意味である」は ちっとも集合とは何かを説明していないと思うのですが。。。
> 集合というのは外延性の公理を満足していないといけない,
> ということで, 集合を規定しています.

ふーむ。なるほど。

>> 群Gの公理というのは (i) 2項演算について閉じている
>> (ii) Gの任意の元は(i)の演算について結合法則が成り立つ。
>> (iii) 単位元が存在する。 (iv) 逆元が存在する。 の事ですよね。
> そう, それを「群の公理」と呼びますね.

群の定義と言ってもいいのでしたよね。

>> これは定義なのではないのでしょうか?
> だから, 「定義」も「公理」もこの意味では同じことです.

今まで,公理とは恒真な命題の事とばかり思っていましたが。。
例えば「金閣寺は今日は混んでいるか混んでいないかのどちらかだ」は恒真な命題なので公理と呼べると思います。
勘違いしてますでしょうか?

>> 公理なら恒真命題で無ければなりませんよね。
>> (i),(ii),(iii),(iv)は真偽は言えないので定義だと思うのですが。。
> 何かが群であるとは, それについて「群の公理」が
> 「真」であることです. その意味で, 「群の公理」は
> 群についての恒真命題です.

或る集合Gと2項演算子・については群の公理を満たすので(G,・)は真,別の2項演算子*については群の公理を満たさないので偽となる。。
と言えると思います。従って群の公理は述語(命題関数)と言えると思います。
これは恒真命題では有りませんので(2項演算子の定義の仕方によって真にも偽にもなる)群の公理は公理ではなく群の定義(若しくは群の述語)と呼び分け
るべきだと思うのですが…。

> ZFC の公理と群の公理での「公理」の意味が違うように
> 思うのは, 後者ではその公理を満たす群は色々なものが
> あるのに対し, 前者では集合というものを一意に定めて
> いるかのように錯覚するからでしょう.

その通りです。ZFCの公理系は恒真命題とばかり思っていましたがよくよく考えてみると或るclassはZFC公理系を満たすが別のclassはZFC
公理系を満たさないという場合(例:全ての集まり)があるでしょうからZFC公理系は恒真命題ではなく述語になっているのですね。そういう意味では
ZFC公理系は集合の定義と呼ぶべきですよね。

厳密に公理というとA=A など直感的に正しいとしか言いようが無いものが"公理"の定義ですよね?

> 無論, 集合の全体というのが何であるにせよ, 空集合 φ が
> 集合であることや, { φ } が集合であることや,
> { φ, { φ } } が集合であることや, { { φ } } が
> 集合であることや, その他, 普通に考え付くものが,
> 大抵, 集合であることは, 公理から出てきますので,
> 通常の数学的議論をするときに, どの「集合の全体」を
> 考えているかは, 問題にならないのですが,
> 「集合の全体(V)」が「構成可能な集合の全体(L)」と
> 一致するかどうか,

うーん、構成可能とはZFC公理系を満たすという意味でしょうか?
こればVがclassでZFC公理系を満たす時,VはLとなっていているという解釈でいいのでしょうか?

> 連続体仮説が成り立つかどうか,
> などは, 考える「集合の全体」によって違うわけです.

つまり様々なclassesがあり,或るclassでは連続体仮説が成り立つが別のclassでは連続体仮説が成り立たないという訳ですね。因みにどん
なclassだと連続体仮説が成り立ち,どんなclassだと連続体仮説が成り立たないのでしょうか?

>> え〜? 真偽すら限定されていないとは。。 では
>> "きちんと決まる"とは何が決まるのでしょうか?
> 数学も結局は書かれて理解されるものであるとすれば,
> 文字列として違うかどうか分かれば十分ですね.

つまり,"きちんと決まる"とは"数学的に理解されうるもの"という事ですね。

>> ここでの"記号として"違うとは視覚的に違うという意味でしょうか?
> そう約束すればそうなりますね. まあ, 約束によるでしょうが.

なるほど。参考なります。

>> 「…我々は「集合論」というmetagraphを扱っていることになります.」
>> という事はできないのでしょうか?
> できないでしょう. その文章はどう理解するのです?

つまり,metagraphはarrowsのclassとdomとcodも定義されてしなければなりませんが,ZFC公理系を満たすclass(つまり
数学的体系)と言っただけではarrowsのclassとdom,codをどのように定義しているか述べていませんからmetagraphとは言えませ
んね。

>> metacategoryはmetagraphの一種ですよね?
>> そしてmetagraphは数学的体系の一種ですよね。
> その通り. ZFC 集合論の公理系を満たす「集合の全体」も
> 数学的体系の一種です.

ありがとうございます。数学的体系がわかって来ました。何らかの公理系を満たすclassの事を数学的体系と呼ぶのですね。

> お望みのようですから, class という言葉を使うことにして,
> O が calss, A が class で, C = (O, A) が metacategory の
> 公理を満たしているとき, C は metacategory ですが,

C=(O,A)がmetagraphの公理を満たしている場合にはC=(O,A)はmetagraphになるのですよね。

> その O が ZFC 集合論の公理系を満たすある「集合の全体」
> の中の(何かの条件を満たす集合全体からなる)集合で,
> A も ZFC 集合論の公理系を満たすある「集合の全体」
> の中の(何かの条件を満たす集合全体からなる)集合である
> ときには, C = (O, A) は category になります.

categoryになるとはC=(O,A)がmetacategoryでOとAがZFC公理系を満たす事をいうのですね。

> ZFC の公理系と category の公理系の関係は分かって
> いただけますでしょうか.

はい,分かって来ました。

>> 公理系は恒真命題が集まったものですから,
>> 数学的体系には やはり真偽があるのではないでしょうか?
> 「真偽」という言葉を使うのには二つの場合があります.
> ある命題が数学的体系を定めている公理から導けるか
> どうか, という意味での「真偽」を考える場合と,
> あるものの集まりが, 議論している数学的体系に
> なっているかどうか, における, 公理の「真偽」を
> 考える場合です.

えーとこれは前者は命題の3段論法についての真偽で後者は述語(若しくは命題関数)と呼ばれるものですね。述語は自由変数,命題は束縛変数を使って記述
されるものですね。

> どちらの話でしょうか.

どちらでもないようです。物事は真としか考えようのない何らかの大前提(これを公理と呼ぶ(?))を打ち立ててから定義や真理関数が議論できるのもだと
理解しております。
「(i) 2項演算について閉じている
(ii) 結合法則が成り立つ
(iii) 単位元がある
(iv) 逆元がある」
は群の定義と呼んでおりました。
公理の例としては「命題Pは真か偽かのどちらかである」などが挙げられるかと思います。

上にお挙げ頂いた前者は2真理関数(有限個の述語)",後者は"定義"と呼んでおりました。

>> 数学的体系は何らかの公理系を持っているのですよね。
>> ここでの数学的体系は任意の公理系なのですね。
> 例えば, 「図」というのを class O と class A の組で,
> A の要素 f について, dom(f) という O の要素の集まりと,
> cod(f) という O の要素の集まりが定まるものとしましょう.
> dom(f) が定まることと cod(f) が定まること以外には
> 何の公理も仮定しません.

"Oの要素の集まり"ではなく"Oの要素"ではないのですか?

>> ところですいません。"図"とは何なのでしょうか? "図"がmetagraph
>> であるとか"図"がmetagraphではないとかは どういう意味なのでしょうか?
> (O, A) が「図」になる class O, class A の取り方によっては,
> dom(f) は唯一つの要素かも知れませんし, そうでないかも知れませんし,
> cod(f) は唯一つの要素かも知れませんし, そうでないかも知れません.
> (O, A) が metagraph であるかも知れませんし, ないかも知れません.

そうですね。

>> 数学的体系Ob(C)がmetagraphであるとは 「arrowと呼ばれる数学的体系fがあって,
>> domf:=a, codf:=b (但し,a,b∈Ob(c))と定義される記号dom,codがある」 ですよね。
> 「図」 (O, A) について言えば, dom(f) が O の唯一つの
> 要素からなり, cod(f) が O の唯一つの要素からなるときが
> (O, A) が metagraph になるときです.

Aの任意のarrow fに対して dom f  と cod f とがOの要素となる時,(O,A)はmetagraphであるというのですね。
ここで疑問なのですが
"class O と class A とがAの任意の要素fに対して dom f と cod f とがOの唯一つの要素となるようにdomとcod
を定義すると(O,A)はmetagraphである"
と定義してもいいのでしょうか?

>> 具体的にmetagraphだがmetacategoryではない例って どのようなものがありますでしょうか?
> 例えば, O が2つの要素 a, b からなり,
> A が1つの要素 f からなり, dom(f) = a, cod(f) = b
> とすれば, ({a, b}, {f}) は metagraph ですが,
> metacategory ではありません.

{f}には単位射が存在しない事になりますからmetacategoryとはならないのですね。
この事からmetacategoryになるにはdomとcodの定め方に左右されると考えてもいいのでしょうか?

>> metagraphやmetacategoryは一般に集合の世界とは限らない"領域"の世界ですよね。
>>  領域という数学的体系の公理を知らないのですので 領域全体でmetacategoryでなく
>> metagraphになる例をちょっと思いつきません。
> 別に集合になっているものでも構わないでしょうから,
> 上の例を挙げましたが,

なるほど。metagraph C=(O,A)でのOとAは集合でも構わないですね。

> どうしても集合にならないものに
> したいのであれば, O を集合全体の成す class として,
> A を空集合とすれば, metagraph で metacategory に
> ならない例になります.

A=φでAは要素を持たないからdomとcodの定義のしようがありませんね
(つまり∀f∈Aに対しdom(f),cod(f)とは書きようがない)。
この場合はmetagraphにすらならないではないでしょうか?

いや,∀f∈Aが採れない場合はdom(f)とcod(f)がOの要素なる事は真ですよね(∀f∈A自体が既に偽なので)。
従って,一応この場合でも(O,A)はmetagraphにはなり得ますね。
でも∀a∈Oに対してf∈A;dom(f)=cod(f)=aは採りようがないので(∵Aは空集合),
(O,A)はmetacategoryではない。。 という認識で大丈夫でしょうか?

>> (meta)categoryでは射は写像とは限らないのですね。
> はい.

納得です。

>> objectがsetの場合もあるというだけで色々なobjectが考えられるのですね。
> はい.

これも納得です。

>> 「fはarrowである」が真とは fはdomf=a,codf=bなる,a,b∈Ob(A)があるという事ですね。
> (meta)category (O, A) において,
> 「 f が arrow である」が真であれば,
> dom(f), cod(f) という O の要素が定まります.

これも納得です。

>> そして 「fはarrowである」が偽とはdomf=aやcodf=bなるaやbが無いという事ですね。
> 「 f が arrow である」が偽であれば,
> dom(f) とか cod(f) とかは考えられませんが,
> まあ, それだけのことですね. 「とは」で結ばれる
> ものではありません.

なるほど。偽の時はdom(f)やcod(f)が定義されないのですね。

>> つまり,"元"という意味ではなく"条件"という意味なのですね。
> 「要素」というのは全体を構成する一部分のことです.
> 「元」を一つの部分と見ることもあるでしょう.
> 「条件」を一つの部分と見ることもあるでしょう.
> 文脈から読み取って下さい.

了解いたしました。

>> うーん,このarrowは(a,b) (但し,a,b∈Ob(A))というものではないのですね。
>> どうして対(a,b)で考えてはダメなのかいまいち分かりません。
> もう何回も言っていますが, dom(f) = a, cod(f) = b となる
> arrow f は一つとは限らないからです.

そうでした。(a,b)と考える場合もあるというだけで一般には(a,b)かどうかはわからないのですね。

>> metagraphとは数学的体系の一種で,射と呼ばれる何だか得体の知れない何かと
> 勿論, objects の全体も「何か」定まっています.

これもそうですね。objectsもarrowsもclassということだけ分かっているのですね。

>> 演算dom,codがあって domf=a,codf=b (但し,a,bはobjects)となる。
> そう, dom(f) という object と cod(f) という object が
> 定まっている.

了解です。

>> それ以外にdomf=aとcodf=bには意味は無い。 という訳ですね。
> はい.

分かって来ました。

>> でも真偽を決定する"命題"が無ければ公理(恒真命題)も存在しえませんよね。
>> するとZFC公理系なども無意味なものになってしまうのではないでしょうか?
> 「真偽」というのはどの場合でしょうか.

すいません。愚問でした。objectやarrowの真偽とは意味不明でした。

> 「命題」というのは「真偽」が決まる「可能性」を持つ
> 存在ですが,

述語(命題関数)の時は真偽は決まりませんね。

> 「真偽」というのは「文脈」によります.

自由変数の何を代入するかで真偽が決まってくるのですね。

>> 一番最初は何から始まるのでしょうか?
> 公理系を満たすものがある, と仮定するところからでしょうね.

ええ? ここでの公理系は任意の公理系なのでしょうか? それともZFC公理系の事なのでしょうか?

>> objectsもarrowsも無定義語なので定まらないのですよね。
>> それとも無定義語でも定まるとはobjectsとarrowsの公理系を満たすという事ですね。
>>
>>
> はい.

よくよく考えるとobjectもarrowも定義されているではないですか。

aとfはそれぞれobjectとarrowである。
(⇔def)
(i) aとfにはaとfをそれぞれ含むclasses OとAとが存在する。
(ii) dom(f)とcod(f)はOの要素となるようなdom,codという(対応っぽいもの)が存在する。

と述べれませんか?

>> categoryの公理はZFC公理系だけで
> こういうものの言い方がおかしいわけですが,

すいません。よく読み返してみると意味不明でした。
class O と class A とがcategoryの公理(categoryの定義)を満たしているなら,categoryの定義から
OとAは集合でなければならないので勿論,ZFC公理系を満たしていますね。

>> (1) metacategoryである事
> 「 metacategory である事」 は (2), (3), (4), (5) ですね.
> (1) は O が集合, A が集合である事,
> dom: A → O, cod: A → O, id: O → A が
> 集合から集合への写像であること, です.

「metacategory
(⇔def)
(2). (f, g) ∈ A ×_O A について
      dom(f○g) = dom(g), cod(f○g) = cod(f).
(3). (f, g), (g, h) ∈ A ×_O A について
      (f○g)○h = f○(g○h).
(4). a ∈ O について dom(id(a)) = a, cod(id(a)) = a.
(5). f ∈ A について f○id(dom(f)) = f, id(cod(f))○f = f」

「category
(⇔def)
(1) metacategoryである
(2) OとAが集合である」

でしたね。

>> (2). (f, g) ∈ A ×_O A について dom(f○g) = dom(g), cod(f○g) = cod(f).
>> (3). (f, g), (g, h) ∈ A ×_O A について (f○g)○h = f○(g○h). (4). a ∈
>> O について dom(id(a)) = a, cod(id(a)) = a. (5). f ∈ A について
>> f○id(dom(f)) = f, id(cod(f))○f = f.」 は公理ではなく定義だと思うのですが。。。
> だから「定義」も「公理」も区別する必要はありません.

定義は公理は同じものなのでしょうか?
公理は(直感的に明らかに)恒真な命題の事(例:「今日は金閣寺は混んでいるか混んでいないかのどちらだ」)
だとばかり思ってましたが。
群論のみしか取り扱わないのなら群の公理と呼んでも差し支えないでしょうが,
でも群の定義と呼んでも差し支えないのならわざわざ"公理"という言葉はを使わずに"定義"という言葉で済ませたものです。
ZFC公理系での外延性の公理は"外延性の定義"とは言いいませんよね。

「A=BならばB=A」なども公理と言えると思います。
公理系とは様々な分野で個々の公理系があるのですよね。
代数の世界はZFC公理系から理論が展開され,幾何学ではEuclidの公理系から理論が展開されるのですよね。
解析学ではどのような公理系が使われるのでしょうか?

よって,現代の数学では少なくともZFC公理系とEuclidの公理系と解析学の公理系が必要なのですよね。
そして,ZFC公理系からEuclid公理系は導けないし,にEuclid公理系からZFC公理系も導けないのですよね。

>> 領域だが数学的体系でない例や
> 空な公理を持つ数学的体系というものを考えても
> 良いですが, 余り意味はないでしょう.

空な公理とは公理が無い数学的体系ですね。何だかよく意味がわかりませんね。

>> 数学的体系だがmetagraphでない例や metagraphだがmetacategoryではない例や
>> metacategoryだがcategoryではない例は何が挙げられるのでしょうか?
> これは既に挙げました.

「例えば, O が2つの要素 a, b からなり,
 A が1つの要素 f からなり, dom(f) = a, cod(f) = b
とすれば, ({a, b}, {f}) は metagraph ですが,
 metacategory ではありません.」
ですね。
もし{a,b}か{f}か少なくともどちらか一方がが集合ではなくclassでdom(f)=cod(f)=aの時は,
metacategoryですがcategoryとはなりませんね。

>> categoryはsets全体に対して定義される概念ですが
> 違います.

そうでした。sets全体はclassであって集合ではありませんでした。

>> 代表的な例は 「 (0). (f, g) ∈ A ×_O A について dom(f○g) = dom(g),
>> cod(f○g) = cod(f). (1). (f, g), (g, h) ∈ A ×_O A について (f○g)○h =
>> f○(g○h). (2). a ∈ O について dom(id(a)) = a, cod(id(a)) = a. (3). f ∈
>> A について f○id(dom(f)) = f, id(cod(f))○f = f.」」 という風に,
>> 写像と合成写像と左恒等写像と右恒等写像で定義されるarrorwsですが
> 別に (0), (1), (2), (3) の「公理」においては,
> 合成写像であるとか, 恒等写像であるとかでの,
> 「定義」は要請されていません.
> だから, 「という風に」にはなっていません.
> その「性質」が抽象化されて入っているだけ.

これも仰るとおりです。

>> categoryではこれ以外にもarrowsが考えられるのですよね。
>> ちょっと思いつかないのですがどのようなものがありますでしょうか?
> ちゃんと text を読みましょう. 例が載っています.
> 例えば, G を群とします.
> O をただ一つの要素からなる集合, そうですね,
> 貴方が混乱するように, O = { G } とします.
> A を集合 G とします.
> f ∈ A = G について, dom(f) = G, cod(f) = G とし,

この時,dom(f)∈O, cod(f)∈Oとなっていますね。

> id(G) = e ∈ G  (e は G の単位元) とします.

これも
(恒等射の存在)∀G∈Oに対してid(G)∈Aとなっていて上手くいっています。

> f, g ∈ A = G について, f○g = fg  (G での積)
> により, ○: A ×_O A = G × G → A = G を定めます.

そして
(合成射の存在)dom(g)=cod(f)=Gなので (g,f) ∈ A ×_O Aで
O={G}だから自動的にdom(gf)=dom(f)=G, cod(gf)=cod(g)=Gなので上手くいっています。
あと,結合性と単位元律も上手くいっていますのでmetacategoryとなりますね。

> このとき C = ({G}, G) は category になります.

そして今,(O,A)はmetacategoryでOもAも集合なので(O,A)はcategoryとなるのですね。

> arrows の集合 G の元, つまり arrow f は,
> f: {G} → {G} という写像ではありません.

これも仰るとおりです。単に∀f∈Aに対してdom(f)=G, cod(f)=Gと定義しただけですね。

> まあ, f: G → G とは関係が付きますが.

そうですね。そのように見れなくもないですね。

>> ん? 元も集合のうちですよね。 元は単に集合同士の
>> 包含関係を表しているに過ぎませんよね?
> それはそうですが, 今の話とは無関係.

そうでした。漸く分かりました。C=(O,A)がcategoryでaがobjectならa∈Oと書けますね。
C=(O,A)がmetacategoryでは∈の記号は使えませんね。aはOの或る要素と言えるだけですね。

>> Cがcategroryの時,Cはobjests全体(つまり,sets全体)なのですね。
> C で objects 全体を表すというのは良いですが,
> C は sets 全体ではないです.

そうでした。sets全体はもはやsetではありませんでした。

> sets 全体は class ですから, sets 全体を objects 全体に
> するなら, それは category ではなく, metacategory です.

納得です。

>> A×_O A:={(f,g)∈(O×O)×(O×O);domf=codg}と書きたくなります。
> 未だ, A の元が O の元の対だと思っているのですか.
> それは救いようがありません.

すいません。metacategory以前ではO×Oは定義されておらずましてやAはO×Oの要素とは定義されてませんね。

>> categoryはsets全体ですが,
> 違います.

sets全体
↓
set

でした。

>> categoryにて写像以外での射の例は どのようなものがありますでしょうか?
> 既に挙げました.

C = ({G}, G) ですね。

>> 命題すらでもないのなら"要素"や"数学的対象"とは何なのでしょうか?
> 数学的対象は書かれて理解されるものという事では記号列ですね.

ふーむ。真偽の前に記号列という概念があるのですね。
これが数学的対象の定義ですね。

>> うーん,これはつまり,前者は数学的対象(つまり,領域)。
>> 後者は数学的体系(つまり公理系を持つ領域) という区分けで宜しいでしょうか?
> 良いでしょう.

数学的体系とは数学的構造を意味しているのですね。

>> なるほど。(O,A)と記述すると分かり易いですね。
>>  AによってmetagraphOが決まるという意味ですね。
> O と A とで metagraph (O, A) が決まるのです.

はい。そうですね。

>> 別の射A'に対してOがmetagraphを成すなら(O,A')と表せますね。
> metagraph と呼ぶのは (O, A') の組です.

これもそうですね。

>> え?  metacategory (sets,maps)が 「 (0). (f, g) ∈ A ×_O A について :
>> (3). f ∈ A について f○id(dom(f)) = f, id(cod(f))○f = f.」
>> を満たしても(sets,maps)はcategoryにならないのですか?
> (0) から (3) を満たすのが (meta)category です.
> 更に, O も A も set であり, dom, cod, id, ○ が
> 写像になっているのが category です.

なるほど。categoryの射は写像かどうかは射の定義によりますが
categoryではdom,cod,id,○は写像と言えますね。

> 集合の全体 sets は set になりませんし,
> 集合から集合への写像の全体 maps も set になりませんから,
> (sets, maps) は metacategory ですが, category にはなりません.
> はっきり text にも書いてあるのに, 読んでいませんか.

すいません。漸く分かりました。

>> 群で言えば(G,・)と(G,*)という異なる2項演算子・,*がある場合は
:
> よく考えるのは, metacategory C = (O, A) として,
> O を群全体の成す class, A を群から群への群準同型の
> 全体の成す class とする場合などです.

ありがとうございます。参考になります。

>> つまり,弁別可能とは同じが異なっているか判別可能という意味だったのですね。
> そこに入っているかどうかも判別可能でないと困ります.

classの要素になっているかどうかはっきりしていなければならないのですね。

>> ふーむ。これは公理と呼ばざる得ませんね。確かに。
>> 因みに,ZFC公理系を定める段階になるまでに
>> 幾つくらいの公理が必要とされているのでしょうか?
> ZFC 公理系では「 = 」以外に外部から導入された記号は
> ありませんから, この同値性の公理だけですね.

この同値性の公理に更に外延性の公理,空集合の存在公理,…,選択公理が加わって集合論が展開されるのですね。

>> 偽となる場合もあるのならやはり 「∀f∈Ob(A)に対して,domf=a,codf=b
>> (但し,a,b∈Ob(C))なる 2つの演算子dom,codが在る」 はmetagraphの
>> 公理ではなく定義の様な気がするのですが。。
> だから「定義」も「公理」も同じです.

ふーむ。同値性の公理は明らかの真なので恒真命題と言えないのでしょうか?

>> え〜? すると公理とは何なのでしょうか?
> しかし, 数学的体系における「公理」の理解も
> 怪しいようですね. 「岩波数学入門辞典」の
> 「公理」「公理系」の項目を読んで見ると良いかも知れません.

ご紹介ありがとうございます。
公理が恒真命題の事であるという認識はHilbertの公理主義数学以前の数学での話で
近代数学では非Euclid幾何学での教訓から恒真命題だと思っていたものが
後々矛盾をはらんで来るかもしれないので公理は恒真命題の事とは言い切れず,
単に理論を展開させる為に最初に必ず必要な大前提の事なのですね。
集合論ではZFC公理系が最初に仮定されて,これらの公理を用いてこまごました事柄が定義されて理論が組み立てられるのですね。
強いて公理と定義の違いを申せば前者は大前提で後者はその大前提をもとにした取り決め事ということでしょうか。

ZFC公理系で代数学と解析学は組み立てられ,
Euclid幾何学の公理系で幾何学は組み立てられているのですね。
ZFC公理系からEuclid幾何学の公理系は導けず,また逆も不可能なのですよね。
現代数学ではこれらの他にも公理系が存在するのでしょうか?

「お話し・数学基礎論「八杉満利子」」で恒真命題の事を公理と呼ぶと紹介されていたので公理と言ったら恒真命題の事だとばかり思い込んでおりました。
公理が恒真命題であるという認識は公理主義数学時代以前の事なのですね。

>> 「∀a∈Ob(C)に対し,domf=codf=aなる射fが存在する」
> id(a) の存在の話なら, それだけでは不十分です.

ん? 何が足りませんか?

>> と 「domg=codfなる∀f,g∈Ob(A)に対して,
>> domh=domf∧codh=codgなるh∈Bが存在する」 ですね。
> (g, f) の組に対して唯一つ h が定まるのです.

これはdomg=codfなる(g,f)という組に対して,hが定まるのですね。

>> metacategoryはsets全体ですからZFC公理系を持ちますよね?
> metacategory の objects 全体は sets 全体であるとは
> 限りません.

これも仰るとおりです。

> 「 ZFC 公理系を持つ」という言葉遣いも正しくありません.

そうですか気をつけたいと思います。

>> すいません。metacategory(C,A)は
>> ZFC公理系を持つsets全体ですから,
> 違います.

これもそうでした。metacategoryでのCの要素は集合とは限らないのでした。

>> 射f,g∈Ob(A)も集合で,その対(g,f)も集合で更には
> f, g ∈ A でしょうか.

f,g∈Aと書くべきですね。

>> Mor(b,c)はhom(b,c)とも書かれ, metagraphにてdomf=b,codf=c
>> なるarrows全体という意味でも使えるのですね。
> 良いでしょう.

ありがとうございます。参考になります。

>> でもmetacategoryではMor(a,b)は集合ですよね
>> (∵metacategoryは全て集合からできているので)。
> 違います. metacategory と category とが混線しています.

categoryではMor(a,b)は集合ですがmetacategoryではMor(a,b)とは限りませんね。

>> 恒等射はdomf=codf=a∈Ob(C) (但し,CはAをarrow
>> とするmetagraph)なる f∈Ob(A)でしたね。
> C = (O, A), a ∈ O について, id(a) ∈ A は
> dom(id(a)) = a, cod(id(a)) = a であり,
> f ∈ A が dom(f) = a であれば, f○id(a) = f であり,
> g ∈ A が cod(g) = a であれば, id(a)○g = g であるものです.

「f ∈ A が dom(f) = a であれば, f○id(a) = f であり,
g ∈ A が cod(g) = a であれば, id(a)○g = g であるものです」
はid(a)の定義の一部なのでしょうか?

id(a)の定義"dom(id(a)) = a, cod(id(a)) = a" と
合成射○の定義から導かれる命題かとも思うのですが。。

> # Ob は Object の略号ですから, C = (O, A) について,
> # Ob(C) = O とだけ使うものです.
> # 貴方の使い方は全て間違っています.

すいません。気をつけたいと思います。

>> (C,A)をAを射とするmetagraphとすると, 「(i) CはZFC公理系を持つ。
> その言葉遣いがおかしい.

「(i) CにZFC公理系を仮定する。」と申せばよかったでしょうか?

>> (ii) ∀a∈Ob(C)に対し,Ob(A)∋∃f such that domf=codf=a.
> これも駄目.

「(ii) Cの任意の要素aに対し,domf=codf=aなるAの要素fが唯一つ定まる」で宜しいでしょうか?

>> (iii) C∋∀a→η(a)はdomη(a)=codη(a)なる写像η:C→Aが存在する。
> η は id ですね.

そうですね。ηは恒等射を意味していますね。

> dom(id(a)) = a, cod(id(a)) = a です.

そうですね。このように書くべきでした。

>> (iv) domg=codfなる∀f,g∈Ob(A)に対し,∃h∈Ob(A) such that
>> domh=domf,codh=codg.
> h は (f, g) の組に対して, 唯一つ決まるものです.
> それが次の ψ(f, g).

合成射は一意的に定まるのですね。

>>  ψ(η(codf),f)=f」 がmetacategoryの定義になりましょうか?
> metacategory なら (i) に対応するものはありません.

そうですね。「(i) CはZFC公理系を持つ。」はcategoryでの定義でした。

>> うーん,でもこれだとmetacategoryとcategoryの違いは何なのでしょうか?
> category なら O, A は(ZFC 集合論での)集合です.

そうですね。

>> categoryが(sets,arrows)となるのですね。
> 違います.

categoryの定義を満たすclass Oとclass A (ただし,Aは射のclassとする)があり,
組(O,A)をcategoryと呼ぶのですね。そしてcategoryの時OやAは集合になっているというだけの事ですね。

>> (sets,maps)は飽くまでmetacategoryや
>> categoryの一例にすぎないのですね。
> (sets, maps) は metacategory の一例です.
> categroy の例にはなりません.

仰るとおりです。

>> category(C,A)に於いて,A⊂Mor(a,b) (textではA⊂hom(a,b))ですね。
> 逆です. category C = (O, A) において, a, b ∈ O とするとき,
> hom(a, b) ⊂ A です.

これはそうでした。hom(a,b)やMor(a,b)はdomainがa,codomainがbとなる射の集まりの事でしたね。

>> id_cの主張は「metacategory(C,A)に於いては∀a∈Cに対して,
>>  domf=codf=aなる射fが存在する」 でしたね。
> 何回も書きますが, それでは不十分です.

「metacategory(C,A)に於いては∀a∈Cに対して,
domf=codf=bなる射fが存在し,更に
射f,gがdom(f)=a, cod(f)=dom(g)=b, cod(g)=cの時,
id(b)○f=f, g○id(b)=g
を満たす。」
で宜しいでしょうか?

>> categoryからが集合の世界で,metacategryは(objects,arrows)であって,
>> objectやarrowは集合や写像とは限らないのでした。
> この文章にも多分誤解は潜んでいます.

納得です。集合の世界でもmetagraphの定義を満たしていればmetagraphと呼べますね。
あるのは定義を満たしているか満たしていないかの違いだけですね。

>> categoryに於いては半群と呼んでもいいのですよね。
> やはり, 普通呼ばないでしょう.

そうですか。
category (O,A)において,Oは○に於いて半群をなしてはいますよね。

>> metacategoryに於いては○については半群をなしているようですが,
>> 半群は少なくとも集合に於いての概念なのですね。
>> 従って,metacategoryに於いては「半群」という言葉は使用でき
>> ないのですね。
> そこが問題ではなくて, ○ が, A × A ではなくて,
> A ×_O A という A × A の一部分でしか定義できていない
> ところが, 普通の半群とは違うところです.

ありがとうございます。納得です。

>> そうですね。categoryにてどのような射を採用するかで
>> hom(a,b)の意味は変わってきますよね。 ただそれが
:
> 連続写像 ψ: M → N のホモトピー類 f = [ψ] と
> するわけです. そういう場合もあるという事です.
> # ホモトピーの定義はここでは述べません. お調べ下さい.

大変ありがとうございます。調べてみたいと思います。

>> 弁別可能な数学的対象の集まりを"領域"と呼び, 何らかの
>> 無矛盾な公理系が与えられた領域を"数学的体系"と呼ぶ。
> まあ良いでしょう.

覚えておきたいと思います。

>> 数学的体系CがAを射としてmetagraphをなすの定義は
> C は O, A の組 (O, A) で,

そうでした。

>>> f ∈ A に対して, dom(f), cod(f) ∈ O が一意に定まる.
>> この時のmetagraphを(C,A)と記す」
> まあそうです.

ここも"一意的"が要るのですね。

>> metagraph(C,A)がmetacategoryをなすの定義は
>> 「(i) ∀a∈Ob(C)に対して,∃f∈Ob(A);domf=codf=a,
> C = (O, A) として, a ∈ O = Ob(C) に対して,
> id(a) ∈ A で dom(id(a)) = a, cod(id(a)) = a となるものが
> 「一意に定まる」.

了解いたしました。

>> (ii) domg=codfなる∀f,g∈Ob(A)に対して,
>> domh=domf∧codh=codgなるh∈Ob(A)が存在する,
> 「存在する」ではなく, 「一意に定まる」です.

ありがとうございます。

> 違います. C, A は集合である.
> #「一意に定まる」ので, dom, cod, id, ○ は写像です.

ありがとうございます。
-----<ここまで>-----
-- 
塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp