Re: メタ圏,メタグラフ,対象,射,圏の定義は?
工繊大の塚本です.
In article <8813ac73-8328-4ac0-9cac-8a6fd868d091@o30g2000vbc.googlegroups.com>
kyokoyoshida123 <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> category(通常はsmall category)の定義ではなく公理ですか。
この文脈では定義も公理も変わりありません.
ZFC の公理は, ZFC 集合論において集合とは何かを定義しています.
群の公理は, 群論で言うところの群とは何かを定義しています.
category の公理は, category 論で言うところの category とは
何かを定義しています.
> すいません。ちょっと分かりにくいです。
> categoryとmetacategoryの公理とは何なのでしょうか?
それが text から読み取れないでは話が始まりません.
この text での cateogry の公理は,
「集合 O, A の組 C = (O, A) が category であるとは,
写像 id: O → A, dom: A → O, cod: A → O があり,
(A ×_O A = { (f, g) ∈ A × A | dom(f) = cod(g) } とするとき)
写像 ○: A ×_O A → A があって, 次を満足することである.
(0). (f, g) ∈ A ×_O A について
dom(f○g) = dom(g), cod(f○g) = cod(f).
(1). (f, g), (g, h) ∈ A ×_O A について
(f○g)○h = f○(g○h).
(2). a ∈ O について dom(id(a)) = a, cod(id(a)) = a.
(3). f ∈ A について f○id(dom(f)) = f, id(cod(f))○f = f.」
となります.
> In article <090601130050.M0100574@cs2.kit.ac.jp>
> Tsukamoto Chiaki <chiaki@kit.ac.jp> writes:
> > category であれば, category としての公理を
> > 満足しているものが, category という数学的体系です.
>
> すいません。これはどういう意味でしょうか?
> 「AならばAであるものがAである」???
>
> "categoryであれば"は既にcategoryの公理を満たしているという仮定のように
> 聞こえますが。。
これは
「 A としての公理を満足しているものが,
A という数学的体系です」の A には何が入っても良い.
A = category であれば,
category としての公理を満足しているものが,
category という数学的体系です.
という話なのですが, 読めませんか.
> 領域とは言わないのですね。
言っても余り有効ではないでしょうから.
> "弁別可能である"とはどういう意味でしょうか?
考える対象としてきちんと決まる, と言う程度の意味です.
> 真偽がはっきりしているという意味でしょうか。
そのように限定はしていません.
> だとしたら弁別可能な数学的対象とは命題の事ですよね。
だから違います. 記号として α と a とは違う,
というように分かれば, なんでも結構です.
> > A の公理系を満たしているなら, それを A という数学的体系だと
> > 言うわけです.
>
> えーと,ここは例えば,命題がZFC公理系を満たしているならば,
> その命題はZFCという数学的体系であるというのですね。
何か考えているものが, ZFC 公理系を満たしているならば,
その考えているものは「集合」というものであり,
我々は「集合論」という数学的体系を扱っていることに
なります.
> つまり,矛盾・無矛盾に拘らず公理系を持つ命題は数学的体系と呼ばれるのですね。
先に言ったように「命題」と言うわけではないですが,
公理系で対象が限定されていれば,
それは数学的体系です.
> ZFC公理系は直感では捉えにくい公理系だが,
> ラッセルのパラドクスなどなどの矛盾を克服した公理系で無矛盾なのですね。
「無矛盾」というのを軽々しく言うわけには行きませんが,
それは良いでしょう.
> 数学的体系だがmetagraphでない例や
例えば, 点から出る一本の矢印がいくつかに分岐して
いくつかのものに辿り着くような図は
metagraph ではありません.
> metagraphだがmetacategoryでない例は
恒等射がなくても metagraph ですが,
metacategory にはなりません.
> どのようなものがありますでしょうか?
そういうのを考えてみるのが勉強です.
> つまり,metacategory(通常はcategory)は
> arrowという"要素"(?)というmetacategory(通常はcategory)の
> 直積の一部(つまり,部分集合に相当するもの)を要するのですね。
「直積」というのは意味不明です.
(meta)category を考えるときには,
その (meta)category での arrow とは何か,
その (meta)category での object とは何か,
が定まっているわけです. それが定まっている
ということが, 他の事柄と合わせて, 一つの
(meta)category を構成しているわけです.
> metacategory(通常はcategory)はarrowを持つというのは
> metacategory(通常はcategory)の定義になるのでしょうか?
形式的な言葉で言えば, (meta)category を考えるときは,
「 f は arrow である」という術語を考えて,
それが真になるものがその (meta)category での arrow です.
> ここでの"要素"の定義とは何なのでしょうか?
普通の日本語での用法です.
> 後, metacategory(通常はcategory)Ob(A)とOb(B)の直積Ob(A)×Ob(B)は
> どのように定義されるのでしょうか?
ん? 二つの (meta)categories の直積の話ですか?
そんなもの定義されなくても category を理解するのに
影響は無いでしょう.
> んん? 写像は集合にて定義される概念ですよね。
> そして集合を定義する際にZFCを必要としますよね。
有限集合だけ扱うなら, ZFC なんて要りません.
> 射のdomainとcodmainは全く異なるmetagraphの対象でも定義されると思っていました。
それは text をちゃんと読んでいないからですね.
> 射の定義はOb(A)をmetagraph、a,bをOb(A)の対象とすると,対(a,b)が射なのですね。
何度違うと言ったら分かっていただけるのでしょうか.
まず, metagraph も object と arrow が定まっているものです.
arrow f に対しては, dom(f) という object と,
cod(f) という object が定まりますが,
同じ objects a, b を a = dom(f) = dom(g), b = cod(f) = cod(g)
とする arrows f, g で異なるものは一般にいくつもあります.
ですから, 対 (a, b) と arrow とを同一視できるのは
極特別な場合だけです.
> そうですね。objectsが無いと範疇は存在しようがありませんからね。
> objectsがあって範疇があって,命題(弁別可能な数学的対象)があって公理系があって,
> 数学的体系ができて,metagraph,metacategory,categoryの順に出来上がるのですよね。
だから「命題」ではありません.
弁別可能な数学的対象である objects と arrows が
定まっていなければ category は考えられませんし,
その objects と arrows とが category の公理を
満足していて, 初めてそれを category という数学的体系である,
と宣言できるのです.
category の公理の中で, obejects や arrows が sets である
という部分を除いたものが metacategory の公理であり,
又, 恒等射や射の合成を忘れたものが metagraph ですから,
その順に出来上がるというのは間違いではないです.
> そのような意味を言いたかったのです。
違うでしょう.
> でもtext
> http://www.geocities.jp/narunarunarunaru/study/category/category_p7.jpg
> ではA = dom(f), B = codom(f) ではなくa=dom(f), b=codom(f)となっていますが。。
貴方が A, B を使ったからそれに合わせただけです.
この text での習慣としては object を表すのに
使う文字は小文字でしょうが, どうでも良いことです.
で, その a = dom(f) とか b = cod(f) とかは
cateogry では「集合」であり, 多くの場合,
arrow f: a → b は, a の各元 A ∈ a に対して,
B = f(A) ∈ b を定めることによって決まっていたりする
わけです. 勿論, category での arrow というのは
そういう a から b への写像の「抽象化」ですから,
category によっては, f がそういう a から b への
写像ではないこともあります.
> つまり,対象は元でmetagraph A,Bが集合に相当すのですね。
違います. object は category では set です.
set の element というのは category では
表面には現れてきません.
> そうですね。集合Aから集合Bへの集合というと沢山ありますね。
category の objects a, b が, a = set A であり,
b = set B であり, dom(f) = a, cod(f) = b となる
arrow f が map f: A → B である場合, を
一度頭の中においてから, それを忘れて下さい.
> でもtextでは射fやgについて個別にdomainとcodomainが存在するようですね。
そりゃあ, dom(f), cod(f), dom(g), cod(g) は決まりますが,
categoray C = (O, A) においては, それらは全て O の元
です.
> CをmetagraphsとするとA={domf;fは}
何でしょうか?
> そうしますと,写像の抽象化である"射"はどのように定義されるのでしょうか?
「 category の公理を満たすもの」が categogry での
arrow です.
> ここでの"要素"とは弁別可能な数学的対象(即ち,命題)なのですね。
だから「命題」ではありません.
> "同列に扱う"とはどういう意味でしょうか?
「category,object,metagraph,metacategory,arrowらは
無矛盾な公理系が与えられてうるような集まり」のように
「 object, arrow 」と「 metagraph, metacategory, category 」
を並べて扱ってはいけません.
> "モデル"とは"例"と解釈して宜しいのでしょうか?
結構でしょう.
> そうですか。metagraph,metacategory,categoryは常に無矛盾という事でしょうか?
その公理系には矛盾はありません.
> 例えば,objectsは集合とし,arrowsは写像と決めて
arrow は「写像」とは決めません.
(arrows も「集合」になることは要求されています.)
> (この時点でZFC公理系が存在している),
集合の公理系として, 例えば ZFC 公理系が採用されている
として結構です.
> category(通常はsmall category)の公理
> 「集合の集合Oはmetagraphで写像の集合Aがあり,
違います, 集合 O と集合 A からなる metagrph (O, A) があって,
です.
> domとcodというAからOへの写像が存在し,
> 写像の合成可能対な集合がある」
これだけでは足りません. 最初にあげた公理を参照して
下さい.
> を満たす時,Oを集合でのcategoryと呼ぶ事にするのですね。
正確には, C = (O, A) を category と呼ぶ, です.
> つまり,弁別可能な数学的対象(命題)があって,objectsがあって,
だから「命題」ではありません.
> 何かの公理系(例えば,ZFC公理系)があって,
ZFC で集合と言うものが定まっているというのは
勿論前提ですが, category には category の公理があります.
> arrowsがあって,数学的体系になってcategory(通常はsmall category)の
> 公理を満たして,晴れてcategory(通常はsmall category)になる。のですね。
順番が出鱈目なので, ちゃんと理解は出来ていないのでしょうね.
> > 集合全体(sets)を objects とし,
>
> 集合全体は数学的体系で(∵ZFC公理系を持つ弁別可能な数学的対象(命題)なので)
> その個々がobjectなのですね。
>
> > 任意の集合から任意の集合への
> > 写像の全体を arrows とすると, sets は metacategory に
> > なります.
>
> setsはZFC公理系を持つ数学的体系でしたね。
> その数学的体系がarrowsを持つという公理を満たすと,
sets における arrows を「 set から set への任意の
map は arrow である」として定めると,
> setsはmetagraphになり,
> metacategory(通常はcategory)の公理を満たすから
> setsはmetacategory(通常はmetacategory)になって,
そう, (sets, maps) は metacateogry になりますが,
> 更にはcategory(通常はsmall category)の公理を満たすので,
> setsはcategory(通常はsmall category)になるのですね。
sets は set にならないので, category (或いは small category)
にはなりません.
> "集合として同じであるというわけではないかも"はどういう事でしょうか?
object a, b が「集合」として等しくても,
a, b に他の構造が付随していて, その構造が
違えば違うものと考える, のは普通の状況です.
> > 「○」も, ある条件を満足する arrow の組に対して
>
> "組"とは直積のobjectの事と解釈して宜しいでしょうか?
> でもmetagraphに於いての直積の定義は無いのですよね。
違います. arrows f, g が dom(f) = cod(g) を満足するとき,
組 (f, g) ∈ A ×_O A として, そのような組 (f, g) に対して,
○(f, g) = f○g ∈ A が定まるのです. その意味で,
写像 ○: A ×_O A → A を, A ×_O A での二項演算と呼びました.
> > arrow を対応させる, arrows のある部分における
> > 二項演算であるというだけです. まあ, そういうものを
> > 普通「合成写像」と呼ぶわけですが.
>
> そうですね。組というものが定義されていれば納得できます。
分からないまま納得しないほうが良いですよ.
> objectとは弁別可能な数学的対象(命題)ですから,
> 少なくとも真偽は決まっているのですよね。
「 a = b 」の真偽が定まる対象であるとします.
> 「a = b」とは何かと言われると困るのですが直感での"同じもの"という自然な(?)
> 解釈による概念なのですね。
「 a = b 」なる関係は, 同値関係の公理
(0) a = a.
(1) a = b ⇒ b = a.
(2) a = b, b = c ⇒ a = c.
を満足する関係であるというだけです.
> > f: a → b と書いて, 写像の如くに理解しても, 取り敢えずは
> > 構いませんが, f は a×b の部分集合と同一視できるわけでは
> > ありません.
>
> え〜!? そうだったのですが。。
>
> > 「写像とは a×b の部分集合で特定の性質を
> > 満足するものである」といった具体的な構成から離れて,
> > 写像の持つ, domain と codomain が決まっていて,
> > domain と codomain が一致する写像は合成できる,
> > といった性質を取り上げて, 抽象化したものが
> > category における arrow です.
>
> domainとcodmainは具体的な性質は考えないで,
> f:=(a,b)のaをdom(f),bをcod(f)とするのでしたよね。
だから f は objects の組 (a, b) と同一視できるわけでは
ありません.
> そしてdom(g)=cod(f)の時はfとgは合成できるという訳ですから,
> 全てのarrow は全射な写像のように解釈するのですね。
全射でなくても, f: a → b, g: b → c であれば,
g○f: a → c は定義できるでしょう. だから,
全射という性質は取り入れられていません.
> これはつまり,f:=(a,b)
だから, objects の組 (a, b) と arrow f とは
同一視できません.
> (aは数学的体系Aのobject,bは数学的体系Bのobject)
考えているのは一つの category C = (O, A) において
ですから, a も b も O から取っています.
a も b も C の object です.
> なる組が存在するという意味ですね。
> この公理には名前は付いているのでしょうか?
dom: A → O と cod: A → O の存在は category の
公理の一部ですが, 特に名前は付いていません.
> Mor(a,b)はmetacategoryで用いられる記号ですよね。
text には出てこなかったのではないですか.
> そうしますとMor(a,b)は何を意味する記号なのでしょうか?
多くの場合, text での hom(a, b) の別の記号です.
> でも集合でない場合の「∈」はなんぞやと聞かれたら答えようがありませんよね。
そういう述語「∈ A 」とか「∈ O 」とかがあって,
それについて真偽が定まるのであれば, 問題ありません.
> objects全体(範疇)Ob(A)の個々のobject aをa∈Ob(A)と表記する。
> でいいのでしょうか?
category C の objects の全体を Ob(C) として,
「 a は category C の object である」と書く代わりに
「 a ∈ Ob(C) 」と書くわけです.
この text では category C = (O, A) について,
Ob(C) とか O とかの表記は止めて, C にすることに
なっています. C = Ob(C) = O ですね.
> 弁別可能な数学的対象(命題)をobjectと言い,その集まりを範疇と言い,Ob(A)と表す。
だから「命題」ではありません.
object も arrow も予め定まっていて,
category とは, その object と arrow について,
の話です.
> 範疇Ob(A)に無矛盾な公理系が加わったものが数学的体系で,
> Ob(A)をある数学的体系とすると,下記の公理を持つ数学的体系をmetagraphと言う。
> 「a,b∈Ob(A)に於いて,f:=(a,b)という対をarrowと呼ぷ」
だから, 違います.
> 「arrow fに対してdomf=a,codf=bとする」
だから, arrow f に対して, dom(f), cod(f) という object が
定まる, です,
> これら2つ公理(恒真命題)なのですよね。
metagraph の場合は dom(f), cod(f) が定まることだけが
公理です.
> どうして真と分かるのでしょうか?
それが「真」となっているものだけを metagraph と呼ぶからです.
> 直感ででも真であるかどうかは分からないのですが。。。
> っていうかそもそも命題になっているのでしょうか?
あるものが metagraph かどうかは, 上の公理を使って,
確かめられるでしょう.
> そして,metagraph Ob(A)の「各object aに対し,恒等射(a,a)と言うものが存在する」,
metagrph A の objects を Ob(A) とするのはまあ良いとしても,
恒等射というのを (a, a) で表しては駄目です.
> 「domg=codfなる2つの射f,gに対し,domh=domf,codh=codgなる合成射hが存在する」
> という2公理を満たす時,Ob(A)はmetacategory(通常ではcategory)と呼ばれる。
> ここでも2公理も命題になっているのでしょうか?
まあ貴方の公理の理解は相当いい加減ですが, それはさておき,
全ての objects と arrows について, それが成立しているかどうか,
には意味があるでしょう.
> そしてmetacategory Ob(A)がZFCを持つならば,O上の積も存在し,
「 ZFC を持つ」というのは奇妙な文章ですし,
「 O 上の積」というのは意味不明です.
> 合成に関しての結合法則も成り立ち,右単位元と左単位元も存在するので
> (∵Ob(A)は集合全体なので写像も定義でき,写像の性質より)
Ob(A) は集合全体ではありませんし, arrow は
写像の「抽象化」なので, 写像の性質が直接使える
わけではありません.
> metacategoryがZFCを持てば自動的にcategory(通常はsmall category)
> となるのですね。
objects や arrows が集合で, dom, cod や id が写像としての
意味を持つものであれば, そうです.
> よってcategory(通常のsmall categoryの定義は「ZFC公理系を持つmetacategory」
> だけでいいのではないでしょうか?
多分誤解があるのでしょう.
> それとあと,数学的体系が出来上がる過程で範疇Ob(A)に無矛盾な公理系が
> 加わって数学的体系をなす。
> この時の無矛盾な公理とは何なのでしょうか?
category の公理については既に述べました.
> categoryはZFC公理系を持つmetacategoryですよね。
多分誤解があるのでしょうが, それはさておき.
> という事はcategoryは集合全体なのですね。
全然違います.
> という事はここの○は合成写像の記号そのものなのですね。
arrows は maps であるとは限りません.
> ここも
> ○はcategoryで使われる記号なのですよね。categoryは集合全体なので,
だから category は集合全体ではありません.
# (sets maps) のなす metacategory だけが
# metacategory ではありません.
> ○は合成写像の記号そのものでは??
> どうして抽象化なのでしょうか?
arrows も集合から集合への写像全体とは限りません.
> つまり,対f:=(a,b)
そんな変なことを書いているのは貴方だけです.
> とf∈Mor(a,b)とは全く同じ意味の記号なのですか?
> Mor(a,b)はmetacategoryで初めて使える記号なのですよね。
そういうものが集合になると思わなければ, 別に構いませんが.
> ZFC公理系を持っていないmetacategory,metagraph,
> 数学的体系,範疇においては使用できないのですよね。
> でもmetacategoryはZFC公理系を持つmetagraphなのですよね。
どこかで category と metacategory が混線していますね.
> という事はmetacategoryは集合全体を意味しますから写像が定義できて,
> Mor(a,b)が集合a(metacategoryでは対象は集合を意味する)から集合bへの
category では object は集合ですが, 集合としてのみ
考えているわけではありません.
> 写像(metacategoryでは射は写像を意味する)全体の集合を表すと
category でも arrow は object から objects への写像である
とは限りません.
> 言えるのではないでしょうか?
ですから, もう一度最初から考え直して見て下さい.
> category(通常でのcategory)ではmetacategoryでの記号Mor(a,b)は
> 単にhom(a,b)と表されるだけなのでしょうか?
text では Mor(a, b) は使っていないでしょう.
> > ともあれ, 「恒等射」に相当するものがある, というが
> > 公理の一つです.
>
> つまり,(a,a)というような対が作れるという公理ですね。
違います. arrow は objects の対ではありません.
> これは直感で真と感じますね。
貴方の直感はこの際関係ありません.
「真」になっているものが category であるというだけのことです.
> 有難うございます。arrowは∀a,b∈Ob(A)に対して定義され得るのですね。
そんなことはありません.
> そして任意のarrow f:=(a,b)に対して,dom,codは定義されているのですね。
任意の arrow f について object dom(f), cod(f) は
定まりますが, 任意の objects a, b について,
dom(f) = a, cod(f) = b となる arrow f が存在する
わけではありません. ちゃんと text に書いてありますから,
きちんと読んで下さい.
> textではmetacategoryでなく,categoryが結合性と単位元律を要するように
> 記されているようですが。
同じ内容が metacategory についても要請されていますよ.
objects や arrows が集合で, dom, cod, id が写像であるとき,
それを書き直しただけです.
> そうですか。結合性公理と単位元律公理は不要なのですね。
どうして「不要」になるのですか. 貴方の思考は理解不能です.
> 「ZFCを持った」と言い表せばいいでしょうか?
> どのような言い回しが妥当でしょうか?
ZFC の公理系で定めるところの集合になっている,
ということですが, 一々「 ZFC の公理系で定めるところの」
といわなくても「集合になっている」で十分でしょう.
> そうするとmetacategoryは集合全体なのですね
違います. (sets, maps) = (集合全体, 集合から集合への写像全体)
は一つの metacategory ですが, metacategory になるものは
色々あります.
> (そしてcategoryも集合全体(∵categoryはmetacategoryの特別な場合なので))。
「特別な場合なので集合全体」という思考はどこから来るのでしょう.
> metacategoryにはZFCが保障されているのなら
一体 ZFC が何を保証していると言うのです?
> 恒等射や合成射や結合律や単位元律は自動的に成り立つのではないでしょうか?
> これら4つは公理ではなく定理なのでは?
例えば, 特別な metacategory (sets, maps) が
確かに metacategory になることは sets, maps の
性質から確かめられることで, 「 (sets, maps) が
metacategory である」というのは一つの定理です.
だからといって, ある obejects と arrows が (meta)category
になる為には満足すべき公理に挙げられていることが
自動的に成り立つわけではありません.
「自動的に成り立つ」と考えているのは, 変なことを
貴方が勝手に仮定しているのです.
objects や arrows がどんなものであるか, については
公理を満足するということ以外, 何も仮定されないところから
出発するのです.
> ここで見る限りMor(a,b)は集合のようですね(∵和集合の記号が使われている事から)。
今, C = (O, A) が category の場合ですから,
M(a, b) = { f ∈ A | dom(f) = a, cod(f) = b }
は集合 A の部分集合です.
> 「Mor(a, b) というのはその構成要素である arrow の集まりというだけです.」
> というお話から
> Mor(a,b)はやはり,domがaでcodがbなる写像
> (今,metacategoryでの話なので射ではなく写像)
metacategory でも category でも, 写像ではなく arrow (射)
の集まりです.
> の集合と見て取れるのですが。。
> 勘違いしてますでしょうか?
何度でも言いますが, arrow (射) は, 写像ではなく,
それを「抽象化」した概念です.
> これはf:=(a,b)∈A, a,b∈Oに対して,dom:f→a, cod:f→b
> という事を意味して書いたのでした。
だから f:= (a, b) と arrow と objects の組 (a, b) とは
同一視できません.
> > id(x) ∈ Mor(x, x) です.
>
> ここでのid(x) ∈ Mor(x, x)は
> id(x)は(x,x)という対であるという意味なのですよね。
違います. dom(id(x)) = x, cod(id(x)) = x である,
というだけです.
> > id(x) は dom(f) = x となる arrow f について, f○id(x) = f,
> > cod(g) = x となる arrow g について id(x)○g = g,
> > という公理から, その性質が定められます.
>
> 恒等射はmetacategory,つまり集合全体に於いての概念ですよね。
本当に, 「例」とその例が示すところの「概念」との
区別が出来ていないのですね.
> なので上記のようなid(x)は写像の定義から存在するので
> 公理では定理なのではないでしょうか?
だから, 成り立つからそれは「例」になっているのですが,
その「例」しか考える対象が無いわけではありません.
> そうですね。id(x)∈M(a,b) (但し,a=b)なのですね。
x と a, b が分かれていては変でしょう.
> えっ? A=Mor(a,b)とは書けないという事でしょうか?
> どうしてでしょうか?
やはり, 貴方は, Mor(a, b) が何か, 全然理解できていない
ということでしょうね.
> 分かりました。id_cとかがarrow(恒等射はcategory)ですね。
> id : O → A
> c |→ id(c):=id_c
> でしたね。
「恒等射は category 」というのは意味不明です.
> えっ?
> (g,f)∈A×_O A:={(g,f);g,f∈A且つdomg=codf}に対して,
> g○fをdom(f○g) = dom(g),cod(f○g) = cod(f)という2項演算だと
> 定義してあるだけではないでしょうか?
そうなっていることを要請しています.
> やはり公理なのでしょうか?
当然です.
> すいません。a⊂bでないならid(dom(f))が定義されませんね。
> f:=(a,b)∈Aならf○id(dom(f))=f○id(a)=f○(a.a) (∵id(a)の定義)
> =(a,b)○(a,a) (∵fの定義)
> =(dom(a,a),cod(a,b))
> (∵○の定義)
> =(a,b)=f
> と示せますね。
この辺りは arrow と objects の対との誤った混同による
議論ですから, 全く無意味です.
> id(cod(f))○f =id(b)○f=(b,b)○f (∵id(b)の定義)
> =(b,b)○(a,b) (∵fの定義)
> =(dom(a,b),cod(b,b)) (∵○の定義)
> =(a,b)=f
> と示せますね。
この辺りも全く無意味です.
> それでもこれらは公理なのでしょうか?
そうです.
> そうですね。集合の世界では全てが集合で,a∈Oと書いたら
> aは集合Oに含まれる集合というだけの事ですよね。
どうもそれを理解されていないようですが.
> 了解いたしました。その場合,Mor(a,b)やhom(a,b)は集合の世界での話しで
> 集合aから集合bへの写像の集合を表すのですね。
違います, dom(f) = a, cod(f) = b となる arrow f の
全体です. arrow と写像とは違います.
> えーと,つまり,CがcategoryでcがCのobjectならcもCも一応は集合なのですよね。
そうです.
> つまり,hom(a,b)やMor(a,b)はmetacategory以降の概念で使用される記号なのですね。
> metacategory以前の概念,metagraph,数学的体系,範疇では用いられない記号
> なのですね。
使って悪いと言うことはありませんが, 誤解しない
ように text では避けているようです.
> えっ,ZFC公理系と恒等射,合成射を持つmetagraphがmetacategoryなのですから
> metacategoryのobjectは集合になるのですよね。
「恒等射」「合成射」といっても「集合における恒等写像」
「集合間の写像における合成写像」であるとは限りません.
だから object が集合だということも別に仮定はされていません.
> すいません。違いとはどういう事でしょうか?
ま, 全く metacategory と category が同じに扱えるわけでは
ありません.
> Aが○について半群をなすのですね。
半群というのは通常もう少し強いことを要求しますので,
「半群のようなもの」とはいえますが, 普通はそれを
「半群」とは呼びません.
> 「∀a∈Oに対して,(a,a)なる対が存在する」ですね。
だーかーらー, 違います.
> え? どういうことでしょうか?
> hom(a,b)はmetacategory(つまり,集合全体)での射(つまり写像)の集合ですよね。
metacategory はいつでも集合全体ではありませんし,
hom(a, b) が a から b への写像全体でないといけないわけでも
ありません.
> xからxへの写像の集合h(x,x)があって,id(x)∈hom(x,x)という事ですよね。
> これは納得です。
h(x, x) は x から x への「写像」の集合ではなくて,
arrow (射) の集合です.
> え〜? 何らかの同値類の全体とはどういうものでしょうか?
> それがhomの本当の定義なのですね。
category には色々なものがあります. 夫々の場合に
hom(a, b) が何であるかは, 夫々違います.
> Oは弁別可能な数学的対象(命題)の集まり(範疇)で
> そのOにmetagraphの公理系(arrowなど)が加わって
> metacategory,そしてcategoryが出来上がるのですよね。
違うことがお分かりいただけましたでしょうか.
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塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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