Re: singlarとabsoultely continuousについての真偽判定
工繊大の塚本です.
F は x = a で, 1 jump する単調増加な右連続関数
であるとして,
In article <803732dd-c8ac-40cb-b776-dbe752df45d1@h28g2000yqd.googlegroups.com>
kyokoyoshida123 <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> μがmにabsolutely continuousとは
> ∀E∈Mに対して,m(E)=0ならμ(E)=0が成り立つ事ですよね。
>
> m((lim_{ε→0+}(a-ε),a])=a-lim_{ε→0+}(a-ε)(∵Lebesgue測度の定義)
> =a-a=0だが
m({a}) = 0 は良いですね.
> μ((lim_{ε→0+}(a-ε),a])=F(a)-F(lim_{ε→0+}(a-ε))(∵μの定義)
> =F(a)-(F(a)-1)=1≠0.
μ({a}) = lim_{x→a-0} μ((x, a])
= lim_{x→a-0} (F(a) - F(x))
= F(a) - lim_{x→a-0} F(x)
= 1 - 0
= 1.
lim を中に入れてはいけません.
特に後半では F の左からの非連続性が効くのですから.
> よってμはmにabsolutely continuousではない。。。は勘違いしてますでしょうか?
それで結構です.
> 探してみました。Cantor関数とは
> http://www.geocities.jp/narunarunarunaru/study/Canto_Lebesgue_function.jpg
> ですね。
> Cantor集合をC,FをCantor関数として,μをFでμ((a,b])=F(b)-F(a)と定義し,
> μはCでsupportedとする
「とする」のではなく, μ の support が Cantor 集合 C である,
「となる」ことが分かります.
> と,∀E∈Mに対して,μ(E)=μ(C∩E)ですよね。
> この時,m(E)=0ならμ(E)≠0はどうすれば言えますでしょうか?
m(E) = 0 であるのに, μ(E) ≠ 0 となる Borel 集合 E が
「存在する」ことを言うのです. E = C とすれば, m(C) = 0 で,
μ(C) = 1 であることが示せます.
> ありがとうございます。F(x)はx=0で不連続になる関数ですね。
> μ((a,b]):=F(b)-F(a)とすると,M∋∃A,Bは互いに素;∀ E ∈ M, μ(E) = μ(E∩A),
> m(E) = m(E∩B)が成り立つんですよね。
> うーん、すいません。そのようなA,Bはどんなものが採れますでしょうか?
F は「反例」, つまり, 不連続ではあるが, m と
mutually singular にはならない μ を定義する関数です.
そのような A, B は「取れない」ことが示せます.
> 意味があるとはΣ_{n=1}^∞ r_n I_{t_n}(x)∈R∪{∞}という事ですね。
Σ_{n=1}^∞ r_n I_{t_n}(x) < +∞ でないと困ります.
ある x_0 で ∞ になると, x_0 < a < b なる a, b に
ついての μ((a, b]) を F(b) - F(a) で定めようとしても,
∞ - ∞ では定まらないからです.
> a≦bの時,μ((a,b]):=f(b)-f(a)と定義するんですかね。
> この時,μ(R)⊂[0,∞]でμ(φ)=μ((a,a])=F(a)-F(a)=0
> 可算加法性についてはえーと,どのように示せますでしょうか?
単調増加右連続な関数から測度が定義されることは,
既に学ばれたのではないのですか.
> s,supportですか。。。 このμはBorel集合体上で定義されているんですよね。。。
そう, 先ず μ の support を調べるのです.
> そのBorel集合体をB(R)と書く事にすると,
> ∀E∈B(R)に対してμ(E)=μ(A∩E),m(E)=m(B∩E)なる互いに素なA,B∈B(R)が
> 採れるというのですね。
μ の support を A とします. m(A) = 0 であれば,
B = R\A についてそうなります.
> 略解を見つけました。
> A:={t_1,t_2,…},B:=A^cと採ればいいのだそうです。
> A,Bは互いに素でしかもBorel集合になっていてμ(E)=μ(A∩E)なら,m(E)=m(B∩E)
> となるのだと思いますが,
> m(B∩E)=m(E\A)=m(E)-m(A)=m(E)-0(∵AはLebesgue測度0) =m(E)
> となるのは分かったのですが
> μ(E)=μ(A∩E)はどうすれば示せますでしょうか?
ですから, その A が μ の support だということです.
逆に, μ(B) = 0 を示せば十分でしょう.
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塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
GnuPG Key ID = ECC8A735
GnuPG Key fingerprint = 9BE6 B9E9 55A5 A499 CD51 946E 9BDC 7870 ECC8 A735