ご回答誠に有難うございます。

> 余り参考になることは書かれていないように思います.

そうでしたか。

>> 第 6 回 ベクトル代数 - TOKYO TECH OCW
>> といったサイトで調べてみました。
> こちらは東工大が講義録を公開しているものの中の「材料数理科学」の
> ものでしょうか.

はいさようです。pdfのリンクがなぜか貼れませんでした。


>> グラスマン積は交代積とも呼ばれるのですね。
> 基底を固定して, 外積を { n \choose p }-次元の数ベクトルとして表し,
> Grassman 積と呼ぶのは, 一部での習慣でしょう.

山本氏のようにnCp次の縦ベクトルと表したものをGrassmanと呼ぶ方もいるのですね。 




> ベクトル空間の外積を交代なテンソル積と考えるときに
> 外積を交対積と呼ぶこともまああるでしょう.

Grassmann積という対称テンソル積を外積と呼ぶ人もいれば交代積を外積と呼ぶ人もいるのですね。


>> 山本哲朗氏の著書ではグラスマン積はnCp次の列ベクトルになってますが,
>> サイトでは(3次の場合)
>> Alt(a,b):=
>> 0, a_1b_2-a_2b_1,a_1b_3-a_3b_1
>> -(a_1b_2-a_2b_1),0,a_2b_3-a_3b_2
>> -(a_1b_3-a_3b_1),-(a_2b_3-a_3b_2),0
>> という3×3行列になってるのですがこれはどう解釈したらいいのでしょうか?
> ベクトル空間 V に内積が入っていて,
> V とその双対ベクトル空間 V^* とを同一視できるとき,

ええと,これはFベクトル空間Vの順序を込めた基底をB:=(b_1,b_2,…,b_n)^T
(n:=dimV)と表して
({b_1,b_2,…,b_n}はVの基底),
g:V→V^*;V∋∀(x_1,x_2,…,x_n)B:=XB → g(XB):V→Fを(g(XB))(b_1):=x_1,(g(XB))(b_2):=x_2,…,(g(XB))(b_n):=x_nを満たすF線形形式(線形汎写像)とするとこのgは線形同型(この時gは自然な同型若しくは標準的同型と呼ばれる)となるのですね。


> V \otimes V と V \otimes V^* を同一視することができます.
> V = R^3 なら, u \in R^3 に対して {}^t u \in (R^3)^* が対応しますから,
> u \otimes v には u \otimes {}^t v が, また, u {}^t v という行列が
> 対応します.

この場合は基底BはB:=(I_{11},I_{21},…,I_{33}) (但し,{I_{11},I_{21},…,I_{33}}はR^3(×)R^3の基底I_{ij}=e_i(×)e_j)を採ると,
g:R^3(×)R^3→R^3(×)(R^3)^*;R^3(×)R^3∋∀XB→g(XB)=u {}^t
v∈R^3(×)(R^3)^*

但し,{}^t(u_1,u_2,u_3):=u,{}^t(v_1,v_2,v_3):=v,
X:=
u_1v_1,u_1v_2,u_1v_3
u_2v_1,u_2v_2,u_2v_3
u_3v_1,u_3v_2,u_3v_3
∈R^{3×3}.

XB=
u_1v_1,u_1v_2,u_1v_3
u_2v_1,u_2v_2,u_2v_3
u_3v_1,u_3v_2,u_3v_3

と書けるのですね。


> # V \otimes V^* は Hom(V, V) と同型です.

これについては,B:=(b_1,b_2,…,b_n),D:=(d_1,d_2,…,d_n)
(n:=dimV,{b_1,b_2,…,b_n}と{d_1,d_2,…,d_n}は夫々VとV^*の基底)と置くと,
g:V(×)V^*→Hom(V,V);V(×)V^*∋∀Σ_{k=1..n}x_kb_k (×)Σ_{k=1..n}y_kd_k
:= BX (×) DY  (但し,x_k,y_k∈F,k=1,2,…,n,
X:={}^t(x_1,x_2,…,x_n),Y:={}^t(y_1,y_2,…,y_n))
→g(BX (×)DY)∈Hom(V,V)となりますね。
このベクトル準同型写像g(BX (×)DY)は∀w∈Vを何に写す様な写像なのでしょうか?

とりあえずこのg(BX (×)DY)がV(×)V^*とHom(V,V)とのベクトル同型写像になるのですね。


> u_1, u_2, \dots, u_p に対して,
> その外積 u_1 \wedge u_2 \wedge \cdots \wedge u_p を交代テンソルとして
> 考えることは,
> \sum_{\sigma \in S_p} \sgn(p) u_{\sigma(1)} \otimes u_{\sigma(2)} \otimes

\sgn(\sigma)ではなく\sgn(p)なのですか。


> \cdots \otimes u_{\sigma(p)} を対応させることですから,

グラスマン積の記号∧と区別する為に,Exp(,,...,)という記号を使わせていただきますと,
Ext(,,...,):V^p→F
;V^p∋∀(u_1,u_2,…,u_p)
→Ext(u_1,u_2,…,u_p):=Σ_{σ∈Sym(p)}sgn(σ) u_σ(1) (×) u_σ(2) (×) …
(×) u_σ(p)
という事ですね。そして,
u_σ(1) (×) u_σ(2) (×) … (×) u_σ(p):V^p→F
はV上のp階テンソルを意味してるのですね。


> u \wedge v = u \otimes v - v \otimes u であり,
> = u {}^t v - v {}^t u を作ることです.

Ext(,)=u(×)v-v(×)uという事ですね。この時,a,b∈Vに対して(VはF線形空間),
Ext(a,b)=(u(×)v)(a,b)-(v(×)u)(a,b)
=(ua)(×)(vb)-(va)(×)(ub)
∈F
と計算されるのですね。


>> 3次のグラスマン積の定義は著書では,
>> Grs(a,b):=(a_1b_2-b_1a_2,a_1b_3-b_1a_3,a_2b_3-b_2a_3)∈F^3
>> という3次元ベクトルですよね?
> 3 次の交代行列全体は 3 次元のベクトル空間であり,

∀S∈SS(F;3):={A∈F^{3×3};{}^tA=-A}に対しS=a_{21}I_{21}+a_{31}I_{31}+a_{23}I_{23}
(a_{21},a_{32},a_{23}∈F)と書けるので
({I_{21},I_{32},I_{23}}がSS(F;3)の基底として採れますね) dimSS(F;3)=3ですね。 



> 上の対応を保つ同型が存在します

ええと,。φ:∧_{k=1..2}F^3→SS(F;3)を
∧_{k=1..2}F^3∋∀a∧b(=Grs(a,b)) → φ(a∧b):=
0,a_1b_2-a_2b_1,-(a_3b_1-a_1b_3)
-(a_1b_2-a_2b_1),0,a_2b_3-a_3b_2
a_3b_1-a_1b_3,-(a_2b_3-a_3b_2),0
∈SS(F;3)
と定義すればこのφはベクトル同型となるのですね。


>> あと,グラスマン積とベクトル積との違いですが,
>> ベクトル積とはグラスマン積の特別な場合で,
>> p:=n-1の時且つ下(第n成分)から符号が+,-,+,-,…と交互になっているものの事ですね?
> n = 3 の場合でなければ, 普通ベクトル積は考えません.

3<nの場合には,Vct(v_1,v_2,…,v_{n-1})とはベクトル空間C^n内のn-1 個のベクトルv_1,v_2,…,v_{n-1}が作るn-1次元立体Qに直交し,Qの体積(n-1次元複素ルベーグ測度)にそのノルム ‖Vct(v_1,v_2,…,v_{n-1})‖に等しくなるよう 
なn次複素ベクトルの事です。


> 因みに, 「符号が」「交互」というのは,
> 1-vector u と (n-1)-vector \alpha の外積 u \wedge \alpha が
> 標準的な n-vector \omega の k 倍であるとき, 即ち,
> u \wedge \alpha = k \omega のとき,

ええと, u∈F^1, α∈F^{n-1}, ω∈F^nで, Ext(u,α)=kωの時という意味でしょうか?

すいません。異なる行数のベクトルuとαの外積Ext(u,α)はどのように定義してあるのでしょうか?


> \alpha(u) = k として, \alpha を V^* の元と考えて,
> 更に, V と V^* とを同一視して, (n-1)個のベクトルの外積に
> 一つのベクトルを対応させるということであれば,

同一視させる...?
つまり,仰ってる事はg:V→V^*をV(=F^1)∋∀u=ke_1→g(ke_1):=α ({e_1}はF^1の基底)で,
α:V(=F^1)→F;F^1∋∀u=ke_1→α(u)=kとαを定義してやればα∈V^*(=(F^1)^*)となり,
このgはベクトル同型写像になっているという内容でしょうか?


>> 基底をとって考えるのでも, 順序を逆にする必要があるでしょう.

すみません。 ちょっと混乱してます。ここでの順序って具体的にどのように換えるのでしょうか?

4次元以上のベクトル空間でのベクトル積についてググってみましたら,最下行から+,-,+,…となってるようでしたので上述致しました。


>> 4次の場合だと
>> Vct(a,b,c):=diag((-1)^{4-1},(-1)^{3-1},(-1)^{2-1},(-1)^{1-1},)Grs(a,b,c)と 
>> 
>> 書けるのですね?
> 山本さんの定義で a \wedge b \wedge c が
> 順に \Delta_1, \Delta_2, \Delta_3, \Delta_4 の成分を持つとき,
> (\times(a, b, c), d) = \det(a, b, c, d) とするには,
> = \Delta_4 d_1 - \Delta_3 d_2 + \Delta_2 d_3 - \Delta_1 d4

意味がよく分かりません。このdってなんでしょうか?


> ですから, \times(a, b, c) の成分は
> 順に \Delta_4, - \Delta_3, \Delta_2, - \Delta_1 とする必要があります.
> だから, 貴方の式は違います.

つまり,
Vct(a,b,c)={}^t(-⊿_1,⊿_2,-⊿_3,⊿_4)ですね。
私のも
diag((-1)^{4-1},(-1)^{3-1},(-1)^{2-1},(-1)^{1-1},)Grs(a,b,c)
=diag((-1)^{4-1},(-1)^{3-1},(-1)^{2-1},(-1)^{1-1}){}^t(⊿_1,⊿_2,⊿_3,⊿_4)
={}^t(-⊿_1,⊿_2,-⊿_3,⊿_4)
という風に一致するのですが。


>> 最後に外積とはグラスマン積やベクトル積とも異なる概念で,3次の場合の外積とは 
>> 
>> Ext(a,b):=
>> 0, a_1b_2-a_2b_1,-(a_1b_3-a_3b_1)
>> -(a_1b_2-a_2b_1),0,a_2b_3-a_3b_2
>> a_1b_3-a_3b_1,-(a_2b_3-a_3b_2),0
>> という3×3行列の事だと解釈したのですがこれで宜しいでしょうか?
> だから, それも違います.

えーと,
VとWはF上のベクトル空間で
f:V^m→F,g:W^n→Fを夫々m階,n階の交代テンソルとすれば
Ext(f,g):V^m×W^n→Fを
V^m×W^n∋∀(a_1,a_2,…,a_m,b_1,b_2,…,b_n)
→(Ext(f,g))((a_1,a_2,…,a_m,b_1,b_2,…,b_n))
:=1/(m!n!)Σ_{σ∈Sym(m)}sgn(σ)f(a_σ(1),a_σ(2),…,a_σ(m))g(b_σ(1),b_σ(2),…,b_σ(n))
∈F
が定義かと思いましたが,
a,bが縦ベクトルの場合は何と書けるのでしょうか?
Ext(a,b):=??