Re: 3×3正値エルミート行列の正値性
工繊大の塚本です.
2015年12月18日金曜日 12時48分56秒 UTC+9 Kyoko Yoshida:
> だいぶ分かってきました。
そうでしょうか.
> かなり前の記事で
> 「さて, Λ^2 C^3 の任意の 0 でないベクトル w は,
> C^3 のある正規直交基底 v_1, v_2, v_3 を用いて,
> w = k v_2Λv_3 (k \neq 0)
> と表せます.」
>
> と仰ってますが,
> v_2:=e_2,v_3:=e_3の場合は,kv_2∧v_3=ke_2∧e_3=k(0,1,0)^T=(0,k,0)^Tとなりますよね。
w に対応して v_1, v_2, v_3 を選ぼうという話であるのに,
先に v_2, v_3 を固定する話をするのは,
初っ端から間違っています.
> 従って,この場合のkv_2∧v_3は任意のv∧w∈C^3∧C^3を表せないと思うのですが。。
> 勘違いしておりますでしょうか?
全くの勘違いです.
> あと,
> 「xΛy は C^3 の元ではありませんね.
> 外積 Λ と R^3 でのベクトル積 × (あるいはその C^3 への拡張) とは違います.」
> についてですが,山本氏の定義では,
> x=(x_1,x_2,x_3)^T,y:=(y_1,y_2,y_3)^T∈C^3に於いて,
> x∧y=
> |x_11,y_12|
> |x_21,y_22|
>
> |x_21,y_22|
> |x_31,y_32|
>
> |x_11,y_12|
> |x_31,y_32|
これは出鱈目ですね. 1 と 2 が余計です.
山本さんの定義とも違っています.
> だからやはりどう見てもC^3(=C^(3C2))の元だと思うのですが、、これも勘違いでしょうか?
はい.
常に, 基底 e_{j_1}Λe_{j_2}Λ…Λe_{j_p} (1 \leq j_1 < j_2 < … < j_p \leq n)
((j_1, j_2, … , j_p) には辞書式順序が入っていることにも注意)
についての表示であることを意識しなければなりません.
だから,
(x_1 e_1 + x_2 e_2 + x_3 e_3)Λ(y_1 e_1 + y_2 e_2 + y_3 e_3)
= (x_1 y_2 - x_2 y_1) e_1Λe_2
+ (x_1 y_3 - x_3 y_1) e_1Λe_3
+ (x_2 y_3 - x_3 y_2) e_2Λe_3
と書くのが正しいのです.
数ベクトル空間 C^3 の標準基底 e_1, e_2, e_3 を固定するとき,
Λ^2 C^3 は e_1Λe_2, e_1Λe_3, e_2Λe_3 を基底とするベクトル空間です.
それは C^3 と同じ次元を持っていますから,
C^3 と同型ではありますが,
同じベクトル空間とは考えません.
--
塚本千秋@基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
GnuPG Key ID = ECC8A735
GnuPG Key fingerprint = 9BE6 B9E9 55A5 A499 CD51 946E 9BDC 7870 ECC8 A735