河野さんとwacky氏の議論をしばらく眺めていようかと思ったんですが、
切れちゃいましたね。

In article <82mpg.19$513.4@news3.dion.ne.jp> wacky@all.at writes:
>議論の中身がないのはtoda氏と変わりませんね。
「中身が無い」という表現が妥当かどうか疑問がありますが、
それに近い状況があるとしたら、
それは「中身の無い」反応しかできないような
空しい主張をwacky氏がしているからに過ぎない。
私だろうと河野さんだろうと誰が相手しようと同じことですよ。

>#都合の悪い部分を無視して行ったら「何にも無くなっちゃった」わけね。
「無視した」の主語はwacky氏ですね。
議論の本質に無関係なところで罵倒するとか、
傍論部分に揚げ足取りをするとかいう手法で、
議論から逃げてしまうことが多い。

具体例を逐一挙げていたら切りがないけど、
とりあえず、NGMPの「公表しなければならない」という文言が
具体的に何を求めているかを論じた
Date: Thu, 22 Jun 2006 03:57:08 +0000 (UTC)
Message-ID: <e7d4ek$u69$1@bluegill.lbm.go.jp>
に対して、本論を無視して傍論に対する揚げ足取りで済ませ、
そのことを指摘した記事には反応していないことを例示しておきます。

その一方で、既に具体的かつ充分に説明されていることについて、
その事実を無視して「説明を求める」という行動も多用しています。
説明自体が本当に理解できないのか、
理解してしまうと自分の議論を維持できなくなるから
理解できないフリをしているのか、そこまでは判りませんが。

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議論の流れが途切れてしまったついでだし、
wacky氏の議論が「如何にダメ」かを整理しておこうかと思います。

(1)あらゆる状況を考慮する必要がある「法規文」の改訂を提案するに際して、
   特定の状況しか考慮していない。
   しかも、単なる「不注意による考え落とし」ならまだしも、
   能動的に「他の状況を考慮しない」と宣言してしまっている。
(2)提案内容が元の提案に対する「対案」になっていない。
(3)前提となっている現状認識に重大な錯誤がある。
(4)前提となっている基本哲学に必然性が無い。

ダメな部分が「1ヶ所しか無い」のであれば、
そこだけ指摘すれば話が済むから混乱しなくて済むのですが、
「何重にもダメ」だから、掴みどころが無くなって議論が発散しやすくなり、
余計にwacky氏が議論を維持しやすくする結果になっている側面もありそうです。

以下、順に詳論しますね。

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(1)あらゆる状況を考慮する必要がある「法規文」の改訂を提案するに際して、
   特定の状況しか考慮していない。

元の提案が、とりあえず「あらゆる状況」を想定していることは

Message-ID: <e6bbg8$9du$1@bluegill.lbm.go.jp>
Date: Fri, 9 Jun 2006 08:28:56 +0000 (UTC)
From: toda@lbm.go.jp
>上に引用した文章で説明されている「問題意識」は
>種々の場合を想定していると読むのが自然でしょう。
>「異議を提出したことを公告する記事」が流通しているのに
>肝腎の「異議を表明するメール」が届いていないという逆のケースとか、
>とりあえず到達はしているけど欠陥があって受理できないケースとか、
>いずれの場合においても、救済措置を実現するために
>「メールアドレスの到達性」が必須であることは同じです。

で指摘した通り。結果的に完璧かどうかはともかく、
そういう方向性を明確に指向しています。
それに対してwacky氏の議論が「全く逆を向いている」ことは、

Message-ID: <e7lido$mkl$2@bluegill.lbm.go.jp>
Date: Sun, 25 Jun 2006 08:44:40 +0000 (UTC)
From: toda@lbm.go.jp
>最初に
>In article <LJVhg.36$Q34.34@news3.dion.ne.jp> wacky@all.at writes:
>>>・異議の記事が届いているのにメールなどが委員会に届かな
>>>  かった場合などで、委員会側での救済処置ができません。
>>上記が主な焦点となる状況です。
>などと、特定の状況しか考えないと宣言してしまっていることで充分です。
(中略)
>もちろん、この宣言が「とりあえずまず、この状況から考えます」というもので、
>後から、他の状況まで視野を広げた議論に移行していれば良いんだけど、
>そうじゃないんだよなあ。

で指摘した通りです。

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(2)提案内容が元の提案に対する「対案」になっていない。

この問題点の一部分は、上記(1)の帰結という側面を有しています。
「特定の状況しか考えない」ことにしてしまったために、
それ以外の状況に対しても提案の有効性を主張する元記事に対して
「対案」として成立しなくなってしまったということです。

ただ、それだけではないんですね。
wacky氏の提案に従ってNGMPを改訂した場合で、かつ
「記事が届いているのにメールが届かなかった場合」に限定したとしても、
委員会側としては「メールを送ろうとしたが事故で届かなかった」
という事実を認定しなければならない(さもなくば「形式違反」になるから)。
その認定を確実に行うためには、意義提出者への事情聴取が不可欠です。
(状況によっては、わざわざ事情聴取する必要の無い場合も考えられますが、
 それでは済まない状況が発生する可能性は確実に存在するでしょう。)
従って、元の提案の趣旨である、
「意義提出者等に“連絡が採れること”を保証する」ことの必要性には、
いささかの変わりも無いわけです。

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(3)前提となっている現状認識に重大な錯誤がある。

Message-ID: <e6bbg8$9du$1@bluegill.lbm.go.jp>
Date: Fri, 9 Jun 2006 08:28:56 +0000 (UTC)
From: toda@lbm.go.jp
>>そもそも頭書の状況を「何故委員会にコピーを送るのか」という本質に照らし
>>て考えれば、既に「fjでの意思表示は明らか」であるから、救済措置を必要と
>>する事自体が不合理。これは、異議のみがCFDやCFXに比して不公正に厳しい条
>>件付けをされている為である。
>「異議のみがCFDやCFXに比して不公正に厳しい条件付けをされている」
>などという現状は存在しません。全くの思い違いでしょう。

この記事の続きで論じたことで、ほぼ全てが尽くされています。
これに対してwacky氏は
「異議に際して義務付けられている“公表”とは
 公表しようとしたモノが実際に流通したという結果まで含めた語彙だから、
 そういう結果まで要求している分、条件付けが厳しい」
という趣旨で反論してきましたが、
そういう「結果まで要求している」という主張には無理があります。
NGMPのCFXや異議についての手続き規定では、
「提出者の行動に対する要件」と
「委員会が認定の判断をする条件」とが
明確に分離して記載されており、

Message-ID: <e7d4ek$u69$1@bluegill.lbm.go.jp>
Date: Thu, 22 Jun 2006 03:57:08 +0000 (UTC)
From: toda@lbm.go.jp
>「公表」が具体的にどの程度までの結果をもたらしたか判断することを
>要求する規定が存在しない以上、
>「公表しなければならない」という規定の具体的な意味は、
>「フツーなら充分に公表される結果となるハズの行動を実施する」
>という以上のことを要求していると読むことはできません。

ということになるからです。
さらに、異議の公表は「管理人またはCFXの提案者に任せても良い」
ことになっていることにも注意が必要です。

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(4)前提となっている基本哲学に必然性が無い。

wacky氏は、どうやら

Message-ID: <e5muui$2kn$1@caraway.media.kyoto-u.ac.jp>
Date: Thu, 01 Jun 2006 23:52:04 +0900
From: wacky <wacky@all.at>
>まさか、「fjへの記事こそが意思表示であって、
>委員会へのメールはそのコピーに過ぎない」ってところに異論はないよね。

というのを「不動の絶対真理」と考えて、
それを「本質」だと称しているようなのですが、
それが誤っていることは、例えば

Message-ID: <e5tv2q$lu6$1@bluegill.lbm.go.jp>
Date: Sun, 4 Jun 2006 06:37:14 +0000 (UTC)
From: toda@lbm.go.jp
>記事とメールのどちらを「意思表示の本質」と看做すかは、
>単なる「約束ごと」だよ。
>現行NGMPでは、異議に関しては、
>「委員会へのメールこそが意思表示であって、
> fjへの記事や提案者へのメールはそのコピーに過ぎない」
>と考えるんだと「約束してある」のさ。

で指摘した通り。
どちらでも「fj全体の利益として好都合」だと思う方を
任意に選択して「約束ごと」にすれば良いというのが「本質」です。

それを前提として「では具体的に、どちらを選択するのか」という
判断になるわけですが、
とりあえず現状の選択(=「CFX」と「異議」の差異)に
高い合理性があることは、

Message-ID: <e5p4ai$r3t$1@bluegill.lbm.go.jp>
Date: Fri, 2 Jun 2006 10:36:02 +0000 (UTC)
From: toda@lbm.go.jp

で説明した通り。
「特定の人(=担当管理人)に到達すること」と
「なるべく多数の人に広く伝達されること」との
どちらを優先するか、
即ち、どちらに“より高い”「確実性と速さ」を求めるか
という価値基準で説明がつくわけです。

ただ、これは「説明がつく」というだけの話で、
実際にそういう価値基準で決められたのだという
歴史的事実を主張しているわけではないことには注意してください。
例えば、別の価値基準として、

Message-ID: <3992956news.pl@rananim.ie.u-ryukyu.ac.jp>
Date: Sun, 25 Jun 2006 20:59:20 +0000 (UTC)
From: kono@ie.u-ryukyu.ac.jp (Shinji KONO)

あたりから始まっているスレッドで、
「日付詐称の容易性」「システム停止の可能性」といった
技術的要因が指摘されています。
その背景には「異議はCFXよりも“提出期限”に対してシビア」
という問題があります。

                                戸田 孝@滋賀県立琵琶湖博物館
                                 toda@lbm.go.jp