! "<dfu89j$pr3$1@film.rlss.okayama-u.ac.jp>" という記事で
!     10 Sep 2005 18:16:34 +0900 頃に KGK == Keiji KOSAKA は言ったとさ:

> 「情報の素性」というものに着目しただけで、あとは書いてあるままですね。

というわけで、情報の個別性の判断に素性を含めれば、どの程度コンシステン
トに解釈できるかを示そうと思うんですが、途中で時間切れになるかもしれま
せん。

(1) 条文解釈

既に述べたように、「WHOIS公開情報はwhoisで公開しているという素性を持っ
ている」というのは、条文をそのまま解釈するだけで分かります。
よって、

| 第5条(WHOIS公開情報の利用方法および利用制限)

ってのは、whoisで公開しているという素性を持った情報に対する利用方法や
制限になります。
その解釈でいけば、他の素性を持った同じ内容の情報は、この条文と無関係に
なります。

ですから、例えば、whois公開情報であるという素性をあかして無断で公開す
れば明確な規則違反になります。

素性を隠したとしても、そのような素性のものであることを自分は知ってるわ
けだから、やはり規則違反です。
ばれにくいけどね。

別の素性を持つ同内容の情報は、その素性特有の規定に従うべきもので、JPRS
とは無縁です。

(2) 目的

そのような条文を制定した目的は、
http://jprs.jp/info/notice/200504-policy.html
あたりで大体わかります。
利便性と個人情報の保護のバランスを考えてるわけですね。

whoisの利便性というのは、自律分散協調による問題解決と呼ばれてるもので
すね。そこで想定されてるモデルは、上記ページの「図:自律分散協調による
問題解決」という図にあります。
このモデルだと、個人情報を知る必要があるのは図中のBさんだけですから、
それが必要十分な範囲ということになります。

それ以上の情報の拡散をできるだけ抑えるというのが、利便性と個人情報の保
護のバランスポイントということになるでしょう。
# さらに、保護の必要性が高い情報は開示情報に回し、そうでもない情報だけ
# を公開情報にしてるわけですが、とりあえず公開情報に焦点を絞る。

拡散を防ぐためには、情報の内容自体の拡散を防ぐとともに、「whoisにその
情報がある」という情報の拡散も防ぐ必要があります。
そのためにwhois由来という素性の情報を無断公開しないという規則が生きて
きます。
# 特に、whois由来という素性を公開しないことは、関連情報の存在に関する
# 情報の拡散を防ぐ上で非常に重要なわけです。
その規則一つで、情報自体の内容とメタ情報の両方の拡散を防止できるわけで
すね。
しかも、別の素性を持つ同内容の情報がある場合に関しては、whois由来とい
う素性以外に拡散防止の意味がないから、「そっちの素性の情報として扱って
ね」ということになります。

(3) 権限の範囲

「ある情報がwhoisにある」という情報のコントロールは、JPRSの権限内のこ
とです。
それは、whois由来の情報をコントロールすることとほぼ等価です。
また、whoisによって得た情報の内容自体に関しても、その取り扱いの制限は
JPRSの権限内ですね。
もちろん、別の素性の情報に関しては、その内容の取り扱いに関する権限は
JPRSにはありません。

というわけで、「情報の素性」ということを考えるだけで、WHOIS公開情報の
取り扱いについて、条文、目的、権限の範囲がコンシステントに説明できます。
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KGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGK
KG  KGK (life name: Keiji KOSAKA), Dept. of Phys., Okayama Univ.        K
KG kgk@film.rlss.okayama-u.ac.jp http://film.rlss.okayama-u.ac.jp/~kgk/ K
KGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGK
# とまあ、この辺で時間切れ。