Re: 定期券の経路について
いいじまです。
> > 積極的に「読む人が増える」というプラスの効果がなくても、クレーマーが出た
> > ときに「不満なら先に規則を読めばいいのに、あなたはそうしなかった」という
> > 反論ができます。そのための担保です。
>
> 法的に「読むべきなのに読まなかった」ということにしたいだけなら、既に、
>
> In article <d11okd$2bc9$1@nwall2.odn.ne.jp>
> "SHIMADA,makoto" <shimada181@184spam.yahoo.co.jp> writes:
> | 定期券に限らず「切符を買う」という行為は乗客が
> | 鉄道会社(等)の運送に関する約款、規則などを承認した
> | 上で運送契約を結んでいることになります。
>
> この時点で法的根拠は揃っているのですから、他の担保は不要です。
> # そもそも、上記の嶋田サンの記事はそういう趣旨だったと思うのですが。
消費者契約法の主旨からして、その前提は崩れてますよ。
契約書をしっかり読んでいても、あるいは読んでいることにされても、場合によ
っては無効にできる、というのが消費者契約法の考え方です。発動要件は厳しい
ですけど。
> > #印刷のコストですけど、1駅あたり数百円から1000円のオーダーでしょうから、
> > #駅の維持費と比べて十分に安い金額だと思います。
>
> 大多数の人が読まないで捨ててしまうようなものに、たとえ数百円〜千円で
> あっても、運賃や料金を充当してほしくはないです。
>
> それに、「駅の維持費と比べて十分に安い」という“比較”はナンセンスで
> す。印刷物を配布することで駅の維持費の全部または一部がかからなくなるわ
> けではないのですから。
いや、私は配布ではなく貼り紙を想定していました。
小さな駅なら1〜2枚、目立つ場所に。大きな駅ならそれなりの枚数を。
配布までする必要はないでしょう。
> で、本件のような“勘違い”(正確には、旅客の側の勝手な解釈)が、その
> 「一定の要件」を満たすか否かは、旅客が勝手に決めることではありません。
そうです。旅客と鉄道会社とが主張をぶつけ合って、裁判所なり、あるいはそこ
まで行かなければ消費者センターなりが仲裁することになるでしょう。
> > ・西大井駅で「品川から新幹線で熱海へ」と注文して、
> > 「東海道3・品川・新幹線」という経路の片道乗車券を
> > 買った
> > ・湘南新宿ラインで大崎に行き、途中下車しようとしたら130
> > 円を請求された
> > これは「湘南新宿ラインは品川経由とみなす」ということを知らなかっ
> > た(1-a)ために起きたトラブルです。で、その事項は西大井駅には掲
> > 示されていません(現地確認済)し、基準規程までには規定されていま
> > せん。
>
> そもそも、その旅客が「湘南新宿ラインの列車は品川を通らない」と判断し
> た根拠は何ですか。
車窓から品川が見えないし、地図上も品川を通っていない、では不足ですか?
実際の配線は、下神明駅の近くで湘南新宿ラインと横須賀線が分岐しています。
http://www.mapion.co.jp/c/f?grp=all&uc=1&scl=25000&el=139%2F43%2F57.885&pnf=1&size=500%2C500&nl=35%2F36%2F32.321
この地図から「品川経由」と判断するには、品川でスイッチバックすると考える
のが順当ですが、実際にはスイッチバックせずに、分岐点から山手貨物線に直接
突入します。
これは「独立した営業キロが設定されており、別の線路とみなす」と判断しても
おかしくないし、現にそう認識している人はたくさんいます。もちろん、多数決
でルールを決めるわけではありませんけど。
> 駅の掲示や市販の『時刻表』などのどこを見ても、「湘南新宿ラインの列車
> は品川を通らない」などとは書かれていませんよ。
はい。でも逆に、「通るとみなす」と断定する根拠もありません。
キロ数は品川乗り換えでも湘南新宿ライン経由でも同じですが、たまたまそうい
う営業キロになっているのだという判断をすることができます。東京〜蘇我(総
武線経由・京葉線経由、どちらも43.0km)という実例もありますし。
> > 「大阪(市内)→千葉」と買って、「千葉までより成田空港までのほう
> > が安い」と憤慨するのは、3-c です。これは、成田空港までの往復割引
> > 運賃と、千葉までの割引なしの往復運賃を計算してみないと分かりませ
> > ん。
>
> それなら、計算してみればよいだけの話です。
「往復割引による逆転現象」を知らない人は、そもそも計算しようと思わないで
しょう。あるいは、計算しようとしても、比較対象の候補が多すぎて、何と比較
すればいいのかが分からないでしょう。
一般にヒューリスティクスとして
・原則として、遠距離切符の値段は近距離切符を下回らない
・ただし、営業上の意図で特に安い価格を設定する場合がある
というものがあります。そこから、「成田空港までの乗車券は、千葉までより高
額か、あるいは同額」と判断するのは自然な発想です。この例では着地を単駅に
したのですが、たとえば混雑区間かつ航空競合区間である「東京都区内〜大阪市
内・神戸市内」が逆転現象の対象になっていると推定するのは困難です。
> > 3.文面や慣行から容易に意味を読みとれるか
> > 3-a)自明
> > 3-b)慣行に照らし合わせれば明らか
> > 3-c)よく考えないと分からない
>
> で、<43d46cb2.0503210041.2f980fe5@posting.google.com> に示したとおり、
> 大都市近郊区間内相互発着の乗車券による選択乗車のきまりについて説明する
> 文面には、必ず、対象は普通乗車券か回数乗車券に限られるということが明記
> されているのですから、本件は、明らかに 3-a に該当することになり、JR
> には何の責任もないということになります。
そのケースでは全くそのとおりで、抗弁の余地はありません。
せいぜい、手数料をしっかり取って払い戻し、が関の山でしょう。
私は消費者契約法については「それ以外のケースでは場合によっては…」という
軽い意図で書いたつもりなのですが、「一般にどんなケースでも…」と誤読され
るのは心外です。
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飯嶋 浩光 / でるもんた・いいじま http://www.ht.sakura.ne.jp/~delmonta/
IIJIMA Hiromitsu, aka Delmonta mailto:delmonta@ht.sakura.ne.jp
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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