In article <chkdv4$cdl$1@news511.nifty.com>, 
青龍 <shou77@hotmail.com> wrote:
:今後、北京オリンピックを控え、反日感情のコントロールがより重要になる以上、
:下手に反日感情を煽ることは少なくなると思います。

私の私見を言わせてもらうと、反日感情を中国政府が創造しているのは事実だけ
れど、つくり出された感情だから、無視しておけばよい、というのも間違いだと
思う。こういう、中国国内の政治的な力関係を馬鹿にしてはだめだとも思います。

中国の政治というのは、漢字スローガンで、無知蒙昧な人の思考を停止させると
ころに本質があります。日中友好とか、造反有理などの四字熟語がその例です。
そう意味では、中国人と話すなら英語にすべきなんです。(韓国人ともそうです。
岡崎研究所にKJシャトルというこころみがあります)

文革の時に、紅衛兵が100万人、毛沢東語録をもって天安門広場を行進します。
行ってみれば分かりますが、天安門広場はだっだっぴろい。1キロ四方くらいの
石畳です。それを埋め尽くす青年少年のパワーは恐ろしい迫力があります。実際、
その迫力で毛沢東は権力を奪取します。じゃ、その文革の理念はなんだったのか?
といえば、中身はなんにもない。それでも当時は熱狂的に造反有理(毛沢東の
湖南農民運動報告からの言葉)など、スローガンをかかげていました。千言万語
が費やされて、あっちで誰か、こっちで誰かを吊るし上げ、断罪し、田舎(中国の
田舎はスゴイ田舎なんだな、これが)へ追放し、強制労働させる、とムチャクチャ
やったのです。日本でも賛美する人がいましたし、エドガー・スノー(あの、
『中国の赤い星』の人)が今となっては赤面せざるを得ないような、『革命、また
革命』という本を書いていた時代です。じゃあ、それで何が残ったのか?今は薄れ
つつある破壊の記憶と品性の卑しい中年世代以外に何にも残っていません。私が見
つけたのは、青海省クムブム寺の落書きと、敦煌でも人のいかないようなところの
造反有理のペンキ落書きくらいしかありませんでした。それでも、そのスローガン
が莫大な数の人の運命をかえるだけの力をもった、それが中国の現実です。

文革の雰囲気を知るのには、例えば、あのすばらしい『太陽の少年』という映画
が良いです。見てない人は見てね。
   1994年製作(中国/香港)日本公開:1997年 
   監督・脚本:チアン・ウェン(姜文)
   主演:シア・ユイ(夏雨)[シャオチュン]、ニン・チン(寧静)[ミーラン]

(文革じゃないけれど、
「心の香り(心香)」1992年珠江映画制作所/98分/スン・チョウ監督 
が、私のベストなんです。あの、朝靄の立ち上る広東地方の瓦葺き民家は
すばらしい。ちなみに、無限に時間のある人は、広州から、この珠江を遡
る船が悟州まで出ていますから、乗ると良いでしょう。すばらしい川です。
『赤いコウリャン』なんかは最低。なんだあの日本兵は。)

もしくは、少し政治臭が強いけれど『芙蓉鎮』1987年
   監督:シェ・チン
   出演:リウ・シャオチン チアン・ウェン
も良いです。『鎮』は村のことですから、『蓮の村』という題名なん
ですね。文革理屈がだんだん途中から退屈になってきます。

本なら、『北京烈々』、『上海の長い夜』、『毛沢東の私生活』が必読。
もちろん、毛沢東語録は読んでね(短い)。選集は私は1しか読んでいない(笑)。

: これに対して、「勝ち組」と「負け組」で謝罪や反省の必要性が異なるのは不当
:だと主張するのであれば、この主張はパワーポリティックスからは導きだせず、
:主張の根拠として何らかの道義的なものを持ってこなくてはいけなくなります。

勝ち組負け組は関係ない。別投稿に書きました。

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松田@NY