Re: L(r,χ)=1/(r-1)!・(-2πi/N)^r・1/2Σ_{a∈Z_N^×}χ(a)h_r(ζ_N^a)の証明
工繊大の塚本です.
In article <be211ae1-aa5f-462e-9f80-9d729981d8e1@e21g2000vbz.googlegroups.com>
KyokoYoshida <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> 確かにΠ_{n=0}^∞(1+a_n)Σ_{n=1}^∞ b_nが絶対収束とは意味不明ですね。
> どのように訂正すべきでしょうか?
削れば良いでしょう.
> In article <110609191705.M0125360@ras2.kit.ac.jp>
> Tsukamoto Chiaki <chiaki@kit.ac.jp> writes:
> > 掛け算と足し算位は区別しましょう.
>
> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/theorem5_12__08.jpg
> なら宜しいでしょうか?
もう一度言います. 掛け算と足し算位は区別しましょう.
さて, 領域 D で正則な u_n(z) について,
|u_n(z)| \leq M_n, \sum_{n=1}^\infty Mn < +\infty が成立していれば,
ある自然数 N について \sum_{n=N}^\infty \log(1 + u_n(z)) が
一様収束し, 正則関数になることから,
f(z) = \prod_{n=1}^\infty (1 + u_n(z)) も正則関数になり,
項別対数微分出来て,
f'(z)/f(z) = \sum_{n=1}^\infty (u_n(z))'/(1 + u_n(z))
となることは, 全て導かれるので,
|(u_n(z))'| についての条件は必要ありませんし,
別にそれについての Weierstrass の優級数判定法を
使っているわけでもありません.
> えっ? どういう事でしょうか? holomorphicである理由を述べる必要がありますよね?
一言そういえば済むことでしょう.
> 何処か無駄な箇所がありますでしょうか?
\log \exp を残すのは無駄です.
> 数列{a_n}がa_n=(-1)^nの場合,Π_{n=1}^∞は振動するとか言ったりしないのですね。
そんな区別は不要です.
> 級数や数列の極限や関数の極限の場合のように
> 発散の仕方については細かく分類しないのですね。
正(負)の無限大への発散の場合は, 拡大数直線での収束と見る
立場もありますから, 区別することもありますが, それ以外は
不要の区別です.
> > (d/dz)(\log(\prod_{n=1}^\infty (1 - z^2/n^2))) と書いているものを
> > (d/dz)(\prod_{n=1}^\infty (1 - z^2/n^2))/(\prod_{n=1}^\infty (1 -
> > z^2/n^2))
> > に戻してはいけません.
>
> えっ? すいません。ではどのように訂正したらよいのでしょうか?
単に \sum_{n=1}^\infty (-2z/n^2)/(1-z^2/n^2) に変形して
行けば良いでしょう.
> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/theorem5_13__07.jpg
> となったのですがどうしてlim_{z→0}とlim_{k→∞}を入れ換えれるのでしょうか?
\prod_{n=1}^\infty (1 - z^2/n^2) は正則関数ですから
連続で, \lim_{z \to 0} の極限を計算するには
単に z = 0 を代入すれば良い.
> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/prop3_3__16.jpg
> となったのですがkとxをどのように採れば
> |Σ_{n=k+1}^∞2x/(x^2-n^2)|>εとできましょうか?
ああ, \prod_{n=1}^\infty (1 - z^2/n^2) の
非一様収束性ではなく,
\sum_{n=1}^\infty (d/dz) \log(1 - z^2/n^2) の非一様収束性
の方でしたか.
そちらは前者よりもっと明らかで,
有限個の項を取ったものは高々有限個の z についてしか
値が無限大に発散しませんが, 極限 \pi \cot \pi z - 1/z は
任意の 0 でない整数 m について z = m で発散しますから,
| (\pi \cot \pi z - 1/z) - \sum_{n=1}^k 2z/(z^2 - n^2)| > \epsilon
としたければ, z を k+1 に近づけて取れば十分です.
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塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp
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