工繊大の塚本です.

In article <34f7bbcc-d433-47f9-9195-726bbb724fa8@o9g2000prg.googlegroups.com>
KyokoYoshida <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> 表現行列は不要とのことでしたが
> 
> Vの基底{v_1,v_2,…,v_n}を,
> E_jVの正規基底を{v_{i,1},v_{i,2},…,v_{i,j_i} (1≦i≦r, 1≦i_j)
> となるように採ると,
> ∀v∈Vに対して,v=c_1v_1+c_2v_2+…+c_rv_rと表せる。

そういう正規直交基底が取れることを認めれば,

> よって,Av_k=α_iv_k (但し,{i,1}≦k≦{i,j_i})(∵∀i≠jなら<E_i,E_j>=0)
> =0・v_1+2・v_2+…+0・v_{k-1}+α_iv_k+0・v_{k+1}+…+0・v_r
> となるから

結局ここで以前と同じことを示しているわけですし,
以下の議論でも構いませんが,

> Aの基底[v_1,v_2,…,v_r]による表現行列[A]は
> 
> [A]=
> [[α_1,0,    …    ,0],
>  [0,α_1,0,   …    ,0]
> :
>  [0,0,…,0,α_1,0, …  ,0],
>  [0,0,…,0, 0,α_2,0,…,0],
> :
>  [0,0,…,0, 0, 0, α_2,0,…,0],
> :
> :
>  [0,0,…,0, 0,0,α_r,0,…,0],

最後の行は [ 0, ... , 0, α_r]] で終わるべきです.

> (但し,I_{i_1}はi_1次の単位行列)

 I_{i_1} は使ってませんね.

> という風にα_1がj_1個,α_2がj_2個,α_rがj_r個右下斜めに連なるように書ける。
> 従って,固有値の定義から det([A]-λI)=0 (但し,Iは単位行列)とすると
> λ=α_1(重複度j_1),α_2(重複度j_2),…,α_r(重複度j_r)なり,
> α_1,α_2,…,α_rがAの固有値になっている事が分かる。

 α_i の det([A] - λI) = 0 の解としての代数的な重複度と
それに属する固有空間の次元とが一致することは別に示す必要
があるでしょう.

> しかも固有値の定義
> ([A]をAの表現行列とする時,det[A]-λI)=0のλの解がAの固有値)
> からこれがAの全固有値である事も分かる。
> 
> という風にして証明してみたのですがこれでは駄目でしょうか?

上の注意を除いてはそれでも結構ですが,
基底や表現行列を使わない考え方にも
慣れておかれた方が良いでしょう.
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塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp