工繊大の塚本です.

In article <8099050f-9584-4579-b677-a5f983387f80@k1g2000prb.googlegroups.com>
cchikakoo <cchikakoo@yahoo.co.jp> writes:
> V×Wの全元がspan(V×W)の基底なのですよね。

そうです.

> 左R加群VにおいてspanVではVの全元が基底になる事は一般的にはありませんよね。

それは「 V の中で」生成される部分ベクトル空間を考えている
からです.

 V の部分集合 A により「 V の中で」生成される部分ベクトル空間と
 A の元を自由元として, それで生成されるベクトル空間とは
違う概念です.

> なぜなら, Rの元が無限個なVの元は無限個あるのでどんなVでも
> spanVの次元は常に無限次元になってしまう。

それは, span V をどちらの意味で考えているか, によります.

> そうしますと, Rの元が無限個ならV×Wの元も無限個ありますよね。
> 今まで線形空間でspanVは有限次元のものばかり扱ってきまして
> 基底と言えばVの中で一次独立なベクトルの最大個数と習ってきましたが
> 一般的にspan(V×W)やspan(U×V×W)になった途端,
> 基底はV×WやU×V×Wの全元になってしまうのですね。
> 例として,左R加群V,Wの基底を{v_1,v_2,…,v_m},{w_1,w_2,…,w_n}とすると
> v_1と2v_1は一次従属ですが(v_1,w_1)と(2v_1,w_1)は一次独立になるからなのですね。

そうです.

別の誤解を生む可能性もありますので注意が必要ですが,
 span(V×W) は, V×W を添字集合とする R の直積集合
 Π_{(v, w) ∈ V×W} R(v, w), つまり,
 V×W から R への(線形とは限らない一般の)写像全体の為す集合,
というベクトル空間の中の部分ベクトル空間なのです.
より正確に言うと, その中で, 有限個の (v, w) を除いて
その係数が 0 になっているもの, 写像で言えば,
有限個の (v, w) を除いて, その値が 0 になっているもの,
全体の為す部分ベクトル空間です.

そういう大きなベクトル空間の部分ベクトル空間である
(だからやはり大きい)と御理解下さい.

> In article <081110084458.M0105739@cs2.kit.ac.jp>
> Tsukamoto Chiaki <chiaki@kit.ac.jp> writes:
> > これについては <081110044515.M0124...@cs1.kit.ac.jp>
> > の記事を御覧下さい.
> 
> すいません。これはどこの記事の事を言っておられるのでしょうか?
> ブラウザで閲覧しているのですが
> 081110044515.M0124...@cs1.kit.ac.jpというのが見当たりません。

ああ, Google で御覧になっているのでしたね.
 Google は e-mail address を直ぐには取り出せないように,
 "@" の前三文字を "..." に置き換えて表示しています.
その影響が記事を一意に表す為の Message-Id にも及んで,
上の例では "137" が "..." になっているのです.

 Thread 全体を見ていただければ, 10番目となっている
11月10日投稿の記事です.

或いは, "..." の部分をクリックすると, 画像をみてその
文字列を入力することを求められますので, その通りに
すると, その記事を含んだ Thread の一部が表示されます.

# わざとゆがめた画像になっていますので, 御注意下さい.

ブラウザの NetNews (usenet) を読む機能を用いて,
 Google 以外のところの News server に access して
 NetNews (usenet) を読めばそういう面倒はないのですが,
それには多少知識が必要となります.

  <http://www.usenetsupport.com/>

とか

  <http://www.motzarella.org/>

とかを御覧になれば, 良いかと思います. この記事は後者の
ところの server から投稿されています.
-- 
塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp